『アート作品に興味があるけどなかなか手を出せない・・・。』
『有名なアーティストの作品は100万円を超えて予算外!』
そのように感じてまだアート作品を購入できていない方のために、今回はアート購入の際に知っておきたいことや50万円以下で購入できる、今おすすめのアーティストについてまとめて紹介します。
これからアート作品の購入を検討している方は必見です!
アート作品を買うときに気をつけたいことは?
そもそもアート作品を購入するときに、まずは何を知っておくべきなのでしょうか?
購入するべき場所や、アートコレクターがアート作品を集めている目的などを参考に、作品購入前に知っておきたいことを整理してみましょう。
どこでアート作品を購入するべき?
アート作品を購入するには、大きく分けて2通りの方法があります。
1つ目は、アーティストおよびギャラリーから直接作品を買う方法。
これは、プライマリーマーケット(第一次市場)と言われており、若手アーティストから直接購入することもあれば、ギャラリーなどで紹介されている若手アーティストの展示会などで購入することもあります。
プライマリーマーケットでアート作品を購入する場合には、アーティストがアート作品を制作してから最初に世に出されて、まだ誰も購入をしていない作品を手にすることになります。
特に若手アーティストの作品の購入であれば、値段もそれほど高くない場合が多いため、アート購入が初めての方にも手が出しやすく、オススメです。
作風などが気に入った若手アーティストの作品を見つけて直接購入することもできますし、先見の明があり信頼できるギャラリーを通して将来性のある若手作家の作品を購入することで、将来的に価値が急激に上がることがあるかもしれません。
一方で2つ目の方法としては、セカンダリーマーケット(第二次市場)と言われるオークションやブローカーからの作品購入があります。
セカンダリーマーケットは、1度でも販売されたことがあるアート作品の売買のことを指し、一般的にはアート作品はプライマリーマーケットでの購入に比べて、オークションなどで値段が高騰している場合が多いです。
また、アーティストの元を離れてから市場で流通して時間が経っていることもあり、特に有名アーティストの作品の場合には、贋作に注意することが必要です。
セカンダリーマーケットでのアート作品購入は、どちらかというと上級者向けの傾向がありますが、予算が多く取れる場合や、どんなアーティストの作品が取引されているかを勉強したい場合には、オークションへの参加もオススメです。
クリスティーズやサザビーズなどの世界的な大手老舗オークションハウスはもちろん、日本国内にも数多くの信頼できるオークションハウスがあるので、ぜひ展示会やオークション会場に足を運んでみてもいいでしょう。
アート作品購入の目的を考える
あなたがアート作品を購入したい目的はなんでしょうか?
結論から言うと、目的は人それぞれなんでもいいのですが、目的によって購入する作品の選び方は変わってくるため、目的を知っておくと購入の時の判断のヒントにもなるでしょう。
実際にアート作品を集めている人たちは、投資目的・人脈を広げるため・教養を身につけるため・新たな趣味としてなど、様々な理由でアート作品を収集しはじめたそうです。
一般的にお金持ちが何故アート作品を購入するのかについては、こちらの記事を参考に読んでみてください。
アート作品を選ぶ基準は?
先ほどお伝えしたように、アート作品を購入する時の基準は、購入目的によっても変わってきます。
例えば、新しい趣味としてや自宅やオフィスのインテリアとして購入したい場合には、作品のイメージが気に入ったものや部屋や持ち主の雰囲気にマッチするものを選ぶなど、自身の感覚に素直にアート作品を選んで購入できるでしょう。
しかし、アート作品購入の目的が投資目的である場合には、その作品の価値が今後上がるかどうか?という基準で考えて、選定する必要があります。
アーティストの将来性や、独創性のある画風・表現方法が用いられているかどうか、また有名なギャラリーが扱っていることでアーティスト自体に箔がついて価格が上がることなどもあり、アート作品は様々な要因をもとにその将来的な価値を予測することができます。
ご自身のアート作品購入目的に合わせて、どのような基準で選ぶべきなのかを考えてみましょう。
アートコレクターの作品の選び方についての詳細はこちらの記事を参考にしてみてください。
アート作品を購入する前に知っておきたいことを確認し、ご自身の芸術品購入の目的・選ぶ基準を考えることができたら、いざアーティスト・作品を探してみましょう!
予算50万円以下で作品を購入できる注目のアーティスト5選!
初心者アートコレクターにも手を出しやすい、予算50万円以内で作品を買うことができる作品にはどんなものがあるのでしょうか?
こちらでは、私が『もし予算50万円以下で、投資目的かつ自分も楽しめる作品を買うなら?』と考えて注目したいアーティストを5人ピックアップして紹介します。
大手ブランドとのコラボレーションや、海外での実績、話題性、そしてオークションでの落札結果などを参考に、国内アーティストのみで選出しました!
オートモアイ
オートモアイは、独特な世界観のなかにいる『顔のない女性』を描くことが特徴的なイラストで注目を集めるアーティストです。
SNS上で次々と入れ替わっていく『若くて可愛い、でもただ消費されていく匿名の20代女性』をテーマにした作品は、人の顔を描かないことで匿名性を表現しており、どこかストリートな雰囲気を感じます。
オートモは、多岐にわたるコラボレーション商品などで人気の絶えない世界的ストリートブランドであるSUPREMEに抜擢され、2018年の秋冬のコレクションとしてTシャツとスケートボードの2種のデザインを提供した他、VOGUE JAPANのウェブ連載のイラスト提供などもしており、ファンが増え続けている人気アーティストです。
最近のオークション落札結果によると、だいたい20〜30万円前後で落札されている傾向にあります。
チャンピオン、ユニクロ、セイコーなど国内外の大手ブランドとのコラボレーションの実績も増え続けているため、今後も注目しておくべきアーティストでしょう。
ハシヅメユウヤ
国民的アニメ「ドラえもん」を彷彿する絵画作品で注目を集めるアーティスト、ハシヅメユウヤ(以下、ハシヅメ)は某アパレルブランドの販売・フラッグショップ立ち上げ企画などの携わったのちに絵を描き始めたという変わった経歴を持つアーティストです。
藤子・F・不二雄氏の作風のパクリであるとネット上で指摘され炎上したこともありますが、藤子・F・不二雄への尊敬の念をインタビューなどでも表しており、また『贋作師』だとも公言しているそうです。
初めて開催したハシヅメの作品の展示会に300人以上を動員するなど、イベントの企画力やプロモーションのノウハウも持ち合わせた自身のセルフプロデュースによって、着々と人気を集めてきました。
最近のオークション落札結果の傾向としては、10〜50万円など幅広い値段で落札されています。
SNSを上手く活用したセルフプロデュースのうまいハシヅメのプロモーション力は、今後も彼の作品や展示会が世界からの注目を集めるきっかけを作り続けるでしょう。
花井祐介
イラストレーター花井祐介(以下、花井)は、1950〜1960年代のサーファーやヒッピーのようなカウンターカルチャーの影響を受けた作風が特徴的な、世界各国にファンを持つアーティストです。
独特なストーリー性や、風刺的でメッセージ性を感じる作風を持っており、日本だけでなくアメリカ、フランス、台湾など世界を股にかけて作品を発表してきました。
有名なブランドであるVANSやニクソン、BEAMSなどへのイラストレーション提供などの実績もあり、アート作品以外にもTシャツやステッカーなども人気を集めています。
これまでのオークションの落札結果によると、200万円を超えて落札された作品もありますが、シルクスクリーンの作品などを中心に20〜50万円の価格帯の作品も多く見られます。
桑田卓郎
メディアなどにも取り上げられ、陶芸の域を超えたその独特な作風で知られる若手陶芸家の桑田卓郎(以下、桑田)は、スペインの老舗高級ブランドLOEWE(ロエベ)や世界的に有名な日本のファッションデザイナー川久保玲のブランドであるコム・デ・ギャルソンなどとのコラボレーションなどで世界中にファンを持つアーティストです。
メタリックを用いた実用性のあるカップから、茶器、彫刻作品などを製作しており、アメリカ・ニューヨークなど海外でも展示会を開催し、注目を集めました。
桑田の作品は、主にギャラリーを通して販売されているものは約2万円〜20万円ほど幅広い価格帯の作品がありますが、オークションでは、約150万円で落札された作品なども見られます。
個人的には、唯一無二のセラミックアーティストとして将来性があり価値が上がりそうだと注目していて、個性的な作品にも惹かれるので、個展などに足を運ぶ機会があれば、購入してみたいと考えています。
森山大道
よくあるストリートスナップと一味違い、光と影のような強いコントラストで躍動感を感じるモノクロの写真が印象的なフォトグラファー森山大道(以下、森山)は、海外ではロンドンやニューヨークでも写真展を開催し、世界的に高い評価を受けています。
代表作品である「三沢の犬」は、ロンドンのオークションハウス・フィリップスで約300万円で落札されるなど、セカンダリーマーケットでも人気を集めるアーティストです。
森山の作品は、100万円を超える金額で取引される作品も多いですが、予算50万円以下でも購入できるものもあるため、プロのフォトグラファーの作品を買うなら、注目しておくべきアーティストといえるでしょう。
最近では、ユニクロとのコラボレーションTシャツも人気を集めました。
まとめ
有名アーティストの作品の落札価格などを見ていると、100万円を超える価格のものも多く手が届かないもののように感じたりもしますよね。
でも、特に注目され始めている若手アーティストの作品をチェックしてみると、50万円以下で購入することができるアート作品もたくさんあります。
アートを収集する目的は人それぞれ異なりますが、好みの作風のアーティストや、将来性のありそうなアーティストを探し出すのはとても楽しそうで、アートコレクターたちがハマってしまうのも理解できます。
今回紹介したアーティストたちの作品もぜひチェックしてみてください!
参考
TOKION「アーティスト・オートモアイが「顔のないヒト」を描く理由とは――あちら側とこちら側の間に浮かび上がる非人称のイメージ」:https://tokion.jp/2020/12/18/auto-moai-draws-faceless-people/
PLUG MAGAGINE「THE OWN WAY ハシヅメユウヤ(アーティスト)」:https://plugweb.jp/1012/
ミライカ美術「花井祐介」:https://miraika-art.jp/artist/%E8%8A%B1%E4%BA%95%E7%A5%90%E4%BB%8B/
しゃえま偶然感「桑田卓郎【陶芸家】の経歴、作品と価格、個展を紹介!」:https://shae-bear.com/archives/5176
tagboat「森山大道」:https://ec.tagboat.com/eccube_jp/html/products/list.php?author_id=215&tngs_flg=0