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世界トップの美術館、アートギャラリーは?|収蔵作品数や来場者数、建設費用など

アートの中心地であるフランス・パリやアメリカ・ニューヨークなどを中心に、世界中に美術館・博物館は約8万5000、アートギャラリーは約1万9000ほどあると言われています。

『世界一の美術館』と言っても、比較の基準とする項目や誰が評価するかによってその順位は変動してくるでしょう。

今回は、いろんな視点で見た『世界トップ』の美術館をピックアップして紹介します。

世界で最も価値のある美術館は?

『美術館の価値』とは主観的なので、決定的な答えがあるわけではありませんが、一般的に世界で最も価値があると考えられている美術館のトップは、フランス・パリのルーヴル美術館、イギリス・ロンドンの大英博物館アメリカ・ニューヨーク市のメトロポリタン美術館でしょう。

これらの美術館には、世界の美術品、工芸品の膨大なコレクションが揃っており、世界的に歴史や文化を保存、継承することに寄与しています。

ルーヴル美術館には、38万点以上の収蔵品があります。そのうち約3万5,000点が展示されており、古代オリエント、古代エジプト、古代ギリシャなど歴史的文明に関する美術品から、古代から19世紀初頭までの絵画、彫刻作品、工芸品まで、幅広い分野の作品が含まれます。モナ・リザやミロのビーナスなど、世界で最も有名な絵画や彫刻も展示されています。

大英博物館には、先史時代、古代、現代の幅広い時代の700万点を超える歴史的遺物や、ヨーロッパ各国の 2,300点を超えるアート作品のコレクションが収蔵されています。ロゼッタストーン、モアイ像、黄金のミイラの棺など、誰もが知っている世界の至宝とも言える遺物を観ることができます。

メトロポリタン美術館には、古代エジプトの美術品から、中世ヨーロッパの甲冑、現代アートまで、5000年以上もの時代を跨ぐ世界の歴史や文明を集めた約200万点もの作品が所蔵されています。400以上の展示室があることからその規模の大きさも世界トップとされています。フィンセント・ファン・ゴッホクロード・モネパブロ・ピカソミケランジェロ歌川広重など、世界中の美術界の巨匠たちの作品が展示されています。

広さが世界最大の美術館は?

フランス・パリのルーヴル美術館は常設展示室の総面積だけで、6万600平方メートルを超える展示スペースを所有する世界最大の美術館の1つです。

ルーヴル美術館は、元宮殿だった建物が使われており、その広大な面積の中に3万5,000点の展示品が8部門に分かれて展示されています。展示室数は403室と、メトロポリタン美術館同様の数があります。

全て作品を見ながらじっくり回るとしたら、とても数日ではまわれないでしょう。観光で訪れる際には、事前に観たい作品の目星をつけて、効率的に周りましょう。

入場者数が世界トップの美術館は?

2021年で見ると、オープン当初から人気ルーヴル美術館には入場者数約282万人が訪れており、現在でも世界トップの入場者数をキープし続けています。

続いて2位が国立ロシア美術館で約226万人の来場数、3位がモスクワのマルチメディア美術館で約224万人の来場数と、2021年は新型コロナウイルスに対する入場規制が他の美術館に比べて厳しくなかったこともあってか、ロシアの美術館が入場者数でトップランキングに名を連ねました。

世界トップのコレクションを持つ美術館は?

ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館は、およそ300点という世界で最大数の芸術作品を所蔵していると言われています。

広いロシアにあるだけあって、5つの建物で構成されているエルミタージュ美術館は、世界トップの面積を誇っています。ちなみに、建物自体も世界遺産に登録されており、その美しい建物を観るだけでも十分に価値があるでしょう。

世界で最も高価なアートギャラリーは?

世界で最も高価なアートギャラリーは、ニューヨークにあるガゴシアン・ギャラリーで、推定50億ドルの価値を持つ世界のスーパーギャラリスト、コレクターであるラリー・ガゴシアンが所有しています。

パブロ・ピカソジャクソン・ポロックなど、世界的に有名な画家たちの作品を中心に扱うハイエンドな展示、販売で知られており、アートフェアでもいつも注目を集めます。

建設費用が世界トップの美術館は?

約108万ドルの費用をかけて2017年にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに建設されたルーブル美術館の別館「ルーブル・アブダビ」は、フランス人建築家のジャン・ヌーヴェルによる設計で、現代的なモスクを連想させるようなデザインが印象的です。

ルーブル・アブダビが、「ルーブル」を名乗るために30年間で約4億ユーロ(約530億円)、そして展示物のレンタル費など、建設費用のみならず、莫大な予算がかかっているのを考えるとさすがUAEですね。

様々な点で世界トップであるパリのルーヴル美術館と比べれば、ルーブル・アブダビの展示数はかなり少ないものの、時代や国も多様に楽しめるコレクションが揃っています。

なお、ルーブル・アブダビのコンセプトは、『ユニバーサル』であることから、ジャンルや時期が多岐にわたる展示物もその文化、文明、国境を越え、地域などのカテゴリで分けられず。年代ごとにフラットに展示されているのだそうです。

まとめ

世界中に約10万以上存在する美術館、アートギャラリーを全て周ることは、とてもできませんが、まずは『世界トップ』を押さえておけば間違いないでしょう。

新型コロナウイルスによる規制が世界的に緩和されてきている今、海外旅行を検討している方は、ぜひ世界トップの美術館に行ってみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。