コラム記事

ファレル・ウィリアムスがローンチしたデジタルオークションハウス「JOOPITER(ジュピター)」とは?

ファレル・ウィリアムのオークションハウス

9月末、多岐に渡る分野でその才能を発揮し続けている世界的音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムスが、新しいオークションハウス「JOOPITER(ジュピター)」を開始することを発表しました。

10月14日、15日に、アメリカ・ニューヨークにて「Son of Pharaoh(サン・オブ・ファラオ)」が、特別オークションプレビューとして開催されます。

ファレル・ウィリアムスのこれまでの功績とは?そして今回ローンチしたデジタルファーストのオークションハウス「JOOPITER(ジュピター)」はどんなものなのかについて、紹介します。

ファレル・ウィリアムスのこれまでの功績

ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)は、アメリカのミュージシャン、ラッパー、シンガーソングライター、音楽プロデューサーです。

青年期に出会った友人チャド・ヒューゴ(Chad Hugo)とR&Bグループとしてザ・ネプチューンズ(The Neptunes)を結成しましたが、その後大御所プロデューサーのテディー・ライリー(Teddy Riley)との出会いにより、ザ・ネプチューンズはプロデューサー・ユニットにシフトチェンジしました。

その後、ジェイ・Z(Jay-Z)やスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)のような世界のトップラッパーだけでなく、ポップスターとして人気を博すブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)やマライア・キャリー(Mariah Carey)、ジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)、ダフトパンク(Daft Punk)、宇多田ヒカルらに楽曲を提供し、ヒット曲を世に生み出し続けました。

グラミー賞での最優秀プロデューサー賞受賞など、ファレルは30歳という若さで名実ともに全米No.1プロデューサーとして世界的な地位を築きました。また、2014年にリリースしたソロアルバム「G I R L」も世界的にヒットしたため、日本にも多くのファンがいると思います。

ファレルは、音楽だけでなくファッション業界でも活躍してきました。

大手スポーツブランド・アディダスとは、コラボレーションコレクション「スーパーカラー(Supercolor)」やシャネル(CHANEL)とのトリプルコラボレーションコレクション「NMD Hu」をはじめとした数十回のコラボレーションを重ねてきているほか、デニムブランド、ジースター ロゥ(G-Star RAW)の共同オーナーになったり、自身のブランド、ビリオネア・ボーイズ・クラブ(BILLIONAIRE BOYS CLUB)とアイスクリーム(ICE CREAM)」を手掛けたり、コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)と香水を開発したりと、音楽プロデューサーとしてだけでなく、その強みをファッション業界でも同様に発揮して、多くのファッションシーンに広く影響を与え続けています。

最近では、音楽やファッションの他にも、日本のプロデューサーとして世界的に有名なNIGO®と日本酒ブランド、サケストームカウボーイ(SAKE STORM COWBOY)を立ち上げたりスキンケアブランドのヒューマンレース(Humanrace)をローンチしたり、アメリカ・マイアミにザ・グッドタイムホテル(The Goodtime Hotel)をオープンしたりと、多岐に渡る分野で更なる活躍を見せています。

新しいデジタルオークションハウス「JOOPITER(ジュピター)」

音楽、ファッションなど多方面での活躍を見せ続けるファレル・ウィリアムスが今回新しく手がけるのは、デジタルファーストのオークションハウスおよびコンテンツプラットフォームである「JOOPITER(ジュピター)」です。

JOOPITERは、オークション取引とコミュニティの場として機能し、コレクター、キュレーター、クリエーターのチームによってキュレーションされた希少な『文化的遺物』に入札できるデジタルファーストのプレミアムオークション体験を消費者に提供します。

オークション業者として場やシステムを提供するだけでなく、JOOPITERではオークションに出品された各アイテムのストーリーに着目し、例えば消費者らがそれらに関連するオリジナルのエディトリアルおよびアーカイブ画像、ビデオなどを見つけるためのハブとなります。

クリスティーズやサザビーズなどの大手アートオークションハウス、またはデポップやポッシュマーク、メルカリのような再販業者などのように、既に競争の激しいアート、ファッション、文化に関連した市場にJOOPITERは参入します。

ファレルは、JOOPITERで『オークションでモノがその持ち主を変えるときには新たなエネルギーが放出されます。それらをを受け入れ、その新たなエネルギーを中心として生み出された価値を尊重すること』を目指していると語っています。

 

10月開催の特別オークションプレビュー

この新しいオークションハウスのスタートとして、ファレル自身のキャリアに関連する52のアイテムが含まれる「Son of Pharaoh(サン・オブ・ファラオ)」が、アメリカ・ニューヨークで10月14日と15日特別オークションプレビューとして開催されます。

このプレビューは予約制で一般公開され、売上は黒人とラテン系の起業家を支援する団体Black Ambitionの活動を推進するために使われます。

Son of Pharaohには、Jacob & Co. のペンダント、Louis Vuittonのモノグラムトランク、パイソン素材と手描きのアートワークで飾られたアディダス・コンソーシアムのスタン・スミスや、ファレルが 2003年と2004年に頻繁に着用していた高校の母校の代表チームのジャケットなどが含まれます。

まとめ

近年のアートオークションの世界では、スニーカーが出品されたり、NFTアートが登場したりと、伝統的なアートの流れと全く違う形式のアイテムが出品されたり、オークション自体の形式が変わったりと、大きな変化が感じられます。

ファレル・ウィリアムスのような、音楽、ファッションなどメインストリームのカルチャーを世界トップで牽引するプロデューサーによる新しいデジタルファーストのオークションハウス「JOOPITER」は、これまでのオークション業者や再販業者と違った視点から、その価値を世の中に広めていけるのか、ぜひ注目したいところです。

参考

HYPEBEAST「Pharrell Announces His Digital-First Auction House and Content Platform JOOPITER」https://hypebeast.com/2022/9/joopiter-pharrell-digital-auction-house-content-platform

JING DAILY「Will Chinese Buyers Flock To Pharrell Williams’ New Auction Platform?」https://jingdaily.com/pharrell-williams-auction-joopiter-chinese-collectors/

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。