2022年11月8日にフェラーリから発売されたプロサングエ。フェラーリが好きな人や車が好きな人の間で話題となっています。気になる値段は新車価格で4760万円と誰もが驚く値段です。世の中には車だけでなく絵画、骨董品など様々なものが高額で取引されています。そして価格は世界でどれくらいの個数が出回っているのか、誰が利用しているのかといった要因で大きく異なります。
特に絵画やNFTなどは値段以外の要因で売れることが多いため、価格設定が難しく、戦略や知名度が非常に大切です。
そこで本記事では、アートを売る戦略としてフェラーリの中古販売戦略を参考にすべき理由を解説します。フェラーリは高額で取引するブランドイメージを確立した数少ない会社です。そのため、自分のアートを販売したいと考えている人はぜひ最後までお読みください。
また、下記記事では車のデザインを制作しているイアン・カラムを紹介しています。車に興味のある人はぜひ参考にしてください。
フェラーリの中古販売戦略とは?プロサングエにも希少価値がある理由
引用元:https://www.webcg.net/articles/gallery/46978
フェラーリが販売する中古車は新車価格より高くなる傾向にあります。2019年に発表されたF8トリブートは新車価格3,300万円のものが中古で4,000万円以上。同じくSF90ストラダーレは新車で5,400万円が中古で9,000万円です。
理由はフェラーリが市場調査を徹底して、限られた個数を販売することで希少価値を強制的に作り出す戦略を立てているからです。プロサングエの販売時にも転売を防止するために再販を一定期間禁止するルールを設けていました。
また、新車をオーダーすると生産途中の様子を写真で見れたり、フェラーリ本社のアッセンブリーラインを見学できたりと他の車会社では得られない特典があります。顧客に徹底的に寄り添い、限られた個数しか市場に出回らない状態を作り出したことがフェラーリブランドの希少価値を高めた要因と言えます。
参照元:5千万円が9千万円に!フェラーリの中古価格が高騰中のナゾ
フェラーリの中古販売戦略はアートにも応用できる
アートを販売していると自分の作品がなかなか売れない、もっと高い値段で売りたいと悩んでいる人も多いでしょう。ここでは先ほど説明したフェラーリの中古販売を応用した商品の売り方について解説します。
自分の商品販売やアートの販売戦略で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
販売個数を限定する
自分のアートを高く売りたい場合は、フェラーリ同様に販売個数を限定して希少価値を強制的に作り出しましょう。商品は需要と供給のバランスよって価格が決まる傾向にあるからです。とはいえ、個数を限定したからといって売れるわけではありません。大切なのは商品に一定の需要があるうえで個数を限定していくことです。
例えば、近年話題になっているポケモンカード。10年ほど前だとカードパックを購入することは容易でした。しかし、現在は入手が非常に難しくなっています。ポケモンカードに価値があることが世の中に認知され需要が供給を上回ったからです。
つまり、アートにおいても先にやるべきことは、商品を購入してくれるファンを増やし認知を広げることです。
顧客をファン化する
販売個数を限定する前に顧客をファン化して商品を購入してくれることが大切だと解説しました。とはいえ、何をするべきか分からない人も多いでしょう。イメージとしては作品に付加価値をつける感じです。
先ほど紹介したフェラーリでも新車をオーダーすると生産の様子を写真で見ることができたり、本社のアッセンブリーラインを見学できたりとファンが喜ぶフェラーリにしかない付加価値を提供していました。
アートでも作品以外の部分で顧客にメリットを与えることが大切です。例えば、作品を購入してくれた人の似顔絵をその場で描く、作品を購入してくれた人限定で今まで使ってきた筆をプレゼントすることなどが挙げられます。
ポイントとしては顧客が喜ぶことをすることです。そうするとSNSや口コミで拡散されて認知が広がりやすく新たな顧客を獲得できるからです。
価格をあえて上げる
自分の作品を購入してくれるファンが増えてきたら価格を上げるのも1つの手法です。フェラーリが何千万円と高額な価格で取引されている理由には、長年の運営によって高額でも売れるブランドイメージを植え付けたからです。
つまり、必ずしも価格が購入されるかを決める指標ではないと言えます。また、アートの作品は価値の判断基準が極めて難しく、様々なことをきっかけに高騰することがあります。特に多いのがアーティストが亡くなった後です。同じ作品を二度と作れない、アーティストの人生ストーリーと重ねて作品を見れる人が増加するといった理由が挙げられます。
作品に対する世間のイメージは非常に大切です。そのため、作品が売れない人はあえて価格を上げてみる戦略を取り入れることをオススメします。
中古フェラーリのように希少価値の高いアーティストを紹介
フェラーリの中古販売戦略をアート販売へ応用する方法を説明したところで、具体的に希少価値が高くなっているアーティストを紹介します。
①パブロ・ピカソ
引用元:https://www.gibe-on.info/
パブロ・ピカソは学校の教科書で頻繁に紹介されるほど有名な画家です。油絵や彫刻、版画など計15万以上の作品を作り出したと言われています。また、作品の値段に関しても数百億を超えた価格で取引されています。まさに画家として大成功を収めたと呼ばれるにふさわしい人物です。
ピカソの作品は独特の感性で作られているものが多く、理解できない点が良いなどの特徴を持っています。作品が高い理由はいくつか挙げられますが、一番は需要が供給を上回っているからです。圧倒的な知名度があるがゆえにピカソの作品を欲しがる人は続出しています。しかし、すでに亡くなっているため、世界に限られた個数しかありません。そのため、希少価値が生まれ高騰し続けているのです。
②バンクシー
引用元:https://media.thisisgallery.com/20188939
バンクシーは作品を制作しているにも関わらず、素性が謎に包まれている現代アーティストです。ストリートの壁にスプレーで作品を残すスプレーグラフィティ文化を広めた神出鬼没の芸術家と呼ばれています。
バンクシーの名が知れ渡ったきっかけは、2003年にイギリス・ロンドンにあるテート・ブリテン美術館に潜入して自分の作品を無断で展示したことです。そんなバンクシーの作品は今では数千万~数百億単位で取引されています。
バンクシーはアーティストに知名度が強い武器であることを証明した人物とも言えるでしょう。特に現在は、SNSの発展によって認知されることでお金が稼げる時代です。そのため、アートの世界でも自分の作品を描き続けるだけでなく、活動を広める広報活動も非常に大切なことです。
③奈良美智
引用元:https://p-art-online.com/artist/narayoshitomo/
奈良美智は世界的に評価されている現代アーティストです。奈良美智の作品の価格は上がり続けており、1990年代に数万円で取引されていたドローイングも今は200万円以上で取引されています。
他にも「ナイフ・ビハインド・バック」が香港で開かれたサザビーズのオークションで2490万ドル(約27億円)で落札されました。奈良美智の作品は女の子が睨み付けているかのように描かれており、縦が150cmと人の身長と同じくらいの大きさがあります。
ファンの中には、他の作品にない奈良美智の独特な表現が癖になる人もいるようです。アーティストとして生活していくには、いかに自分の作品と呼べる代名詞を完成させられるかが大切であると言えます。
まとめ
今回は、フェラーリの中古がなぜ高い価格で取引されているかの理由を紹介するとともにアート販売でも利用できる販売戦略について解説しました。特にアート作品を販売するうえで作品が人の目に付くことが非常に大切です。
そのため日々、SNSの発信や個展に展示し自分の認知を広げる活動をしましょう。また、作品の販売時には徹底的に目の前のお客様に寄り添い、ロイヤルカスタマーを増やす努力をすることがアーティストとして生活していくために必要だと個人的に感じます。