コラム記事

オンラインで参加できるアートオークションまとめ

2020年のコロナウイルスによるパンデミックによって、多くの物事がオンラインに移行しました。
アートオークションもその影響を受けたことの1つです。

芸術作品の取引が行われるオークションは、かつてオークション当日に来場できる人だけが参加できる特別なオフラインイベントでしたが、最近では、オンライン上で誰でも参加できるオークションサイトが増えてきています。

今回は、オンラインでも参加できるアートのオークションについて、おすすめサイトや参加方法などをご紹介します。

そもそも、アートオークションとは?

引用:The World「Art of the state: China’s Party-run auction house is booming」https://www.pri.org/stories/2013-02-19/art-state-chinas-party-run-auction-house-booming

アートオークションとは、芸術作品の購入を希望する買い手たちの入札金額の中で最も高額の値を提示した入札者に販売をする競売形式で販売すること、またはその取引の場を指し、オークションハウスなどを中心として開催されます。アートコレクターやアート作品への投資を行う人たちにより利用される、アート作品のセカンダリーマーケット(ギャラリーやアートフェアなどのプライマリーマーケットで購入された作品を売買する場)です。

アートオークションの起源は、はるか昔の紀元前まで遡ると言われており、18世紀から続く老舗オークションハウスであるクリスティーズやサザビーズなどが現在もアートオークションの世界を牽引しています。

昔ながらの方法で競売人が取り仕切り、参加者がパドルをあげて入札するライブオークション以外にも、最近ではオンラインで行われるオークションや、実際に行われているオークションの様子をオンラインで視聴しながらライブ入札するなどの方法でオークションに参加することができるようになっています。

ライブオークションに参加する場合には、通常オークション当日の数日前に下見会に来場し、出品予定の作品を観てコンディションなどを確認することができます。

オンラインオークションの場合は、通常事前に開示されるウェブカタログあるいは冊子で作品を確認することができます。

オンラインでも参加できるアートオークション

国内外の有名オークションハウスの中から、ライブオークション以外にもオンラインでの参加・入札のできるオークションハウスについてご紹介します。

日本のオークションハウスの比較はこちらの記事で確認していただけます。

クリスティーズ

引用:Reuters「Christie’s aims for auction record book with $140 million Picasso」https://www.reuters.com/article/uk-art-auction-picasso-idUKKBN0ML1ZW20150325

言わずと知れた老舗オークションハウスであるクリスティーズは、ロンドン、ニューヨーク、香港を中心に世界各地で年間約350回オークションを開催しています。

現場に参加者が来場する従来の方法でのライブオークションが主流であるものの、クリスティーズのウェブサイトから、24時間いつでも開催期間中のオークションの作品にオンラインで入札することができます。

オンラインでの入札は英語サイトになりますが、クリスティーズ・ジャパンのウェブサイトより日本語のガイドラインを見ることが可能です。

サザビーズ

引用:The New York Times「EBay Begins Streaming Live Sotheby’s Auctions」https://www.nytimes.com/2015/04/02/business/ebay-begins-streaming-live-sothebys-auctions.html

クリスティーズと並ぶ老舗オークションハウスであるサザビーズは、世界40か国に80拠点を持つ歴史の長いオークションハウスで、ライブオークションの他にも、オンラインオークションにも力を入れています。

サザビーズ は、2014年よりオンラインネットオークションサービスを提供する米国の企業eBayとのパートナーシップを組み、eBayのプラットフォームにテナントとして出店をスタートし、絵画・宝石・時計・版画・ワイン・写真など、18のカテゴリのコレクションを出品しています。

タブレットやパソコンでeBay内のサザビーズ のページにアクセスすることで、ライブオークションアイテムを閲覧して画面越しに入札することが可能です。

また、サザビーズ は2016年に自社サイト上でもオンライン・オークションを開始しました。2020年5月に開催された「コンテンポラリー・アート・デー・オークション」では約14億6800万円というオンライン・オークションにおける過去最高売上を記録しました。

SBIアートオークション

国内有数のオークションハウスであるSBIアートオークションは、2020年8月よりライブ配信型オークション「SBI Art Auction Live Stream」を開始しました。

オークション自体は実際に競売人によって進められます。買い手がスマートフォンおよびパソコンからバーチャルで参加できるライブストリーム形式で行われ、オンライン上あるいは電話で入札することができます。

20世紀以降の現代アートを中心として、絵画・写真・デザイン・工芸など幅広い芸術品を取り扱っているSBIアートオークションは、50カ国以上からの参加者を集めており、落札総額の4割以上が海外顧客からの落札であるほか海外からの出品も多く、国内オークション会社の中でもトップクラスの国際性を持っています。

公開オークションは年4〜5回開催され、現場でのオークション、あるいはそのライブストリーミングでの参加することができます。

まだ手頃な価格である若手アーティストの作品を10万円前後で探すこともでき、オークションカタログでは丁寧で詳細な解説を読むことができるため、アートのオークションに初めて参加する方にもオススメです。

主な高額落札作品に、奈良美智「Lolipop」、メメント・モリ「ど」などがあります。

引用:美術手帖「SBIアートオークションが2日間にわたり開催。最高落札額は奈良美智の6700万円」https://bijutsutecho.com/magazine/news/market/23957

シンワ・オークション

日本で唯一上場しているオークション会社であるシンワアートオークション株式会社が運営するシンワ・オークションは、近代美術・近代陶芸・古美術・ワイン・漫画など多岐にわたるカテゴリーの商品を取り扱っています。

オークションの開催回数は年間20回程度で、近代美術の作品を求めるアートコレクターにとって魅力的な作品がよく出品されることが多くあります。

実際に足を運ぶ公開オークションに加え、パソコンなどの画面越しにライブストリームを閲覧しながら参加し、入札をすることも可能です。オンライン入札を希望する場合は、各オークション開催日前日の15時までにウェブサイトにて事前登録を済ませましょう。

また、オークション当日の3~4日前から開催される下見会には、無料で誰でも参加することができるのも嬉しいポイントです。美術品のプロであるスタッフが常駐しているため、美術作品を生で見て確かめ、事前に質問・相談をすることができます。

初めてのオークションに参加する前に、まずは気軽に下見会に足を運んでみるのも良いかもしれません。

主な高額落札作品には、岸田 劉生の「村娘座像」やマルク・シャガールの「Souvenir d’Hiver」などがあります。

岸田 劉生「村娘座像」
引用:SHINWA AUCTIONブログ「岸田劉生の人物画―《村娘座像》と《麗子像》」https://www.shinwa-art.com/blog/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/%E8%BF%91%E4%BB%A3
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毎日オークション

毎日新聞の関連会社である毎日オークションは、業界トップの出品点数・出来高を誇る、誰でも参加できる欧米型の老舗公開オークション会社です。

引用:美術手帖「毎日オークションの「アート&デザイン」が開催。アート作品やデザイン家具からライフスタイルを提案」https://bijutsutecho.com/magazine/news/promotion/21333

「絵画・版画・彫刻」「西洋装飾美術」「新作工芸・古美術・茶道具」「宝石・時計」の4つのカテゴリーに分けて豊富なジャンルを取り扱ったオークションを年間30回前後開催しています。

多岐に渡るジャンルの他に、数万円から数十万円という幅広い価格帯での出品もあり、オークションの2~3日間開催される下見会には誰でも参加できるため、必ずチェックしておきたいオークションハウスの1つでしょう。

オンラインでの入札を希望する場合には、オークション開催日前日までに事前登録を完了させる必要があります。

マレット・ジャパン

引用:グルコミ「マレットジャパン Mallet Auction」https://rubese.net/gurucomi001/?id=2854645

主に国内外の近現代アートを取り扱うオークションハウスであるマレット・ジャパンは、近現代の中堅作家作品にフォーカスをあてたオークションハウスです。ピカソやシャガールのような有名作家の作品の他に、こだわりのある美術商から出品された比較的マニアックな作品がよく出品されるそうです。

年間5回程度のオークション開催で、小規模ではありますが、珍しい作品、斬新な作品を求めるアートコレクターたちから人気を集めています。

現在自社でインターネット経由でのリアルタイムのオークションシステムは展開していませんが、海外オンラインオークションサイトのInvaluableを利用して、オンラインからの入札が可能です。

まとめ

わずか数時間の間に、落札総額が数億円にものぼる美術作品の数々が目の前でテンポ良く次々と落札されていく光景を体感することができるライブオークションの雰囲気は格別なものではありますが、オークション会場は東京や大阪などの都市に限られている傾向があります。

オンラインオークションや、オークションハウスのライブストリーム配信を活用すれば、地方に在住している方や忙しい方でも、より気軽にアートオークションに参加することができるので、ぜひ気になるオークションに参加してみて下さい!

参考

クリスティーズ公式ウェブサイト:https://www.christies.com/?lid=1&sc_lang=en

サザビーズ 公式ウェブサイト:https://www.sothebys.com/en/?locale=ja

SBIアートオークション公式ウェブサイト:https://www.sbiartauction.co.jp/

シンワオークション公式ウェブサイト:https://www.shinwa-auction.com/

毎日オークション公式ウェブサイト:https://www.my-auction.co.jp/

マレットジャパン公式ウェブサイト:https://mallet.co.jp/

ABOUT ME
あやね
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで、日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、今年は自宅で陶芸も始める予定。