コラム記事

浮世絵は投資に向かないのか?世界の有名絵画との違い

浮世絵と言えば私のように以前に紹介した葛飾北斎の波の絵や写楽の歌舞伎役者の絵を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?

江戸時代の日本の文化が描写される浮世絵に魅了される方も多いと思います。日本が誇る浮世絵は、実際に世界でどのように評価されているのでしょうか。

また、浮世絵は投資に向いているかに関しても一緒に解説していきます。

世界の絵画と浮世絵

江戸時代に日本で盛んに描かれた浮世絵は、日本らしい文化を世界に発信するには最高なツールの1つとなり、昔は世界でもとても評価はされていました。

それに目を付けた日本の商人は世界に持ち出し、高値で売却できました。

しかし、現代では浮世絵が世界でも飽和状態となってしまったために、高値で売れることは少なくなってきたのが現状です。

オークションでの結果でも日本ではとても有名な喜多川歌麿の浮世絵が落札額1億円にも至っていないのに対して、西洋画家も描いた絵画は落札額10億円以上で取引されているものもあります。

浮世絵が投資対象として向いていない?

なぜ西洋画家の絵画が高値で取引されるのに比べて、浮世絵はあまり高値が付きにくいのでしょうか。

理由は2つあります。

1.浮世絵はとっても繊細

浮世絵にあまり高値がつきにくい理由として保管することが大変難しく手間がかかることも一つの理由として挙げられます。
日本の江戸時代の塗料では劣化しやすく、制作されたときの色彩を残し続けるのが難しいです。

非常に直射日光や高温多湿に弱いため家に飾るだけでも劣化は進み、価値も下がってしまうため家に飾って楽しむといったことには向いていません。

アメリカのボストン美術館では約5万点の浮世絵を貯蔵していますが、劣化を理由に現物は展示はしていません。

以前紹介した「コレクターは何を見て作品を選んでいるか」で述べた通り

作品の手法によって作品の強度が違うため保存がきかない作品に関してはどうしても安値で取引されてしまったり、どんどん値段が下がってしまったりする傾向にあります。

P.Art.Online 「コレクターは何を見て作品をえらんでいるか」https://p-art-online.com/column/collector-point/

やはり保存しやすいものかそうではないかで全く値段も変わってきます。

版画である

元々は江戸時代の民衆向けに娯楽として作られたものであるため、どんな人でも気軽に購入できるように作られたのが浮世絵の始まりです。

版画であるため、複製も可能で一緒の絵でも同じものが何個も複製できてしまうため、絵がどれだけ素晴らしいものであっても希少価値は下がってしまいます。

投資として浮世絵を買う場合、「初摺(しょずり)」といって版画ができて始めの作品の方が価値が高くなります。

版画は「後摺」になればなるほど摩擦を起こし、線がボケてしまい、色と色の識別や美しさがなくなってきてしまいます。


浮世絵は、保存の良いものとそうでないものでは100万円以上の値段の差があります。

購入の際には注意深く観察してみてください。

まとめ

浮世絵自体は人気は博しているものの、やはり上記の理由で投資に向かないとなるととても残念です。

しかし、浮世絵は、絵を描く絵師だけでなく、版木を彫る彫師や和紙に摺る摺師など1つの絵に3人の職人が腕を振るって完成させたものと思うととっても価値があるものだ思います。

日本に生まれ育ったため、やっぱり日本の文化や技術にもっと誇りと興味を持って生きていきたいものです。

ABOUT ME
おちか
おちか
アートとお金と食べる事が大好き。コレクターの叔父の影響で幼い頃からアートに囲まれた環境で育つ。ピカソの「ゲルニカ」はお友達。 社会人になってからは医療・福祉系の仕事をしていた事もあり、アールブリュットの世界に魅了される。