絵を描くのが趣味で、楽しいと感じる方は「アートで稼いで生きていきたい」「アートを職業にしたい」と思った経験があると思います。
従来では、アートで生計をたてることが非常に難しいと言われてきましたが、近年はインターネットが発達しPatreon(パトロン)やクラウドファンディングなどを上手く活用すれば、クリエイターとしてでも生活できる時代になってきています。
本記事では、前回クリエイター支援ツールとして紹介したPatreonの記事を深堀りして、具体的な活用方法やクリエイターにどんな変化が起こるのかを解説します。
これからアートで生活していきたい方やクリエイターとしてお金を稼ぎたい方はぜひ最後までお読みください。
また「あわせて読みたい」では、画家の将来性や収入を得る方法について詳しく解説しています。Patreon以外の稼ぎ方も5つ紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Patreonとクラウドファンディングの違いは?
Patreonはアートで稼ぐ手法の1つとして有名ですが、本来の意味は支援者や後継者という意味があります。
一般には後援者,保護者を意味するが,特に芸術家を経済的に援助する場合にこの名称が用いられる。
https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3-115559
つまりPatreonはクリエイター活動をしている方に向けて作成された活動を支援ツールの1種です。支援するツールと聞くとクラウドファンディングを思い浮かべる方も多いと思います。結論以下のような違いがあります。
Patreon | クラウドファンディング | |
対象者(おすすめの人) | クリエイター活動をしている人 | イベントや起業をしたい人 |
プロジェクトの規模 | 小規模(数千円以上) | 大規模(数十万~数百万円以上) |
支援方法 | 継続的な支援(サブスク) | 継続的ではない |
対応言語 | 英語と日本語 | 日本語 |
Patreonとクラウドファンディングでは、対象者やプロジェクトの規模、支援方法が異なります。特にプロジェクトの規模は、Patreonが数千円規模なのに対してクラウドファンディングは数百万円以上のものが多くあります。
実際に2023年3月にはクラウドファンディングの流通金額が690億円に達したと発表されました。金額から考えても大規模なプロジェクトを多く世の中に出したサービスだと言えます。
参照元:CAMPFIRE、10.6億円の資金調達を実施。累計調達金額は87.2億円に
【Patreon】アートで稼ぎたい方におすすめの活用方法
Patreonは作品販売やコミュニティとしての利用など様々な活用方法があります。
- コミュニティとしての活用
- 作品の販売
- 作品完成までの工程や想いを販売
- 専門知識があれば教育作品を販売
「Patreonの活用方法を具体的に知りたい方」や「新しいアートの稼ぎ方を知りたい方」はぜひ最後までお読みください。
1.コミュニティとしての活用
近年、情報が欲しい方や同じ価値観の友人を作りたい方の間でオンラインサロンが流行しています。
そこでPatreonの活用方法として、アートやクリエイターに興味のある方へ以下のような付加価値を付けてコミュニティの参加券を販売することが挙げられます。
- 作品を通して友人を作りたい
- 自分の作品を優先的に購入できる
- チャットで会話できる
特に有名なクリエイターであれば、月1,999円で絵画を販売すれば、10~100人の購入者を集められるでしょう。また、コミュニティ入会者限定の価格で自分の作品を販売すれば、口コミが広がり加入者の増加が見込めるなど様々なメリットが起こり得ます。
2.作品の販売
Patreonを作品の販売媒体として活用しているクリエイターは多くいますが、無名のクリエイターが販売しても、売れることはほとんどありません。
売れるようになるためには、戦略を立てて販売することが大切です。無名クリエイターのほとんどの悩みが、知名度がないから作品が売れないことでしょう。
例えば、最初は需要の高いフリー画像のイラストを使い放題として販売し、認知され始めたら自分の作品を販売していく手法があります。
そこで最初は需要の高い分野で勝負して、認知を獲得した後に自分の作品を販売することで「売れない作品」を「売れる作品」へと変化することができます。
これから作品販売をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
3.作品完成までの「工程・想い」を販売
3つ目は作品だけでなく、作品完成までの工程を撮った動画やどんな想いで制作されたかをPatreonでサブスクリプション(以下:サブスク)として販売することが挙げられます。
例えば、野球選手として世界的に有名な大谷選手が「練習のやり方をサブスクで一年間限定で配信する」と言ったら、野球をしている方だけでなく、大谷選手のファンも加入することでしょう。
つまり、熱狂的なファンは作品だけでなく、完成までの工程や想いにもお金を支払ってくれるのです。
専門知識があれば教育作品を販売
最後は自分の絵と専門知識を掛け合わせて教育コンテンツを販売することが挙げられます。
メリットは需要が高く、安定した収入が得られやすい点です。
例えば英語についての知識を自分の書いた絵と掛け合わせて販売した場合どうでしょうか?
内容の良し悪しにもよりますが、英語の市場規模は7,820億円と需要が高いため、低価格で学べるのであれば加入する方は多いでしょう。
また、加入者が増えていけば作品を特典として無料配布して広告として活用するなど、様々な施策を行えます。興味のある方はぜひ試してみてください。
【Patreon】アート制作するクリエイターにどんな変化がある?
前半ではPatreonの活用方法を紹介しました。後半ではPatreonのサービスがリリースされたことによってクリエイターにどんな変化があったのかを解説します。
1.高額な作品を販売する必要がなくなった
従来のアート業界は高額な作品を制作して販売しなければ、アーティスト1本で活動することは難しい傾向がありました。
例えば村上隆や奈良美智の作品は数百万~億円単位で取引されており、彼らのようにならないとアートで生活していくのが難しいと思っている方は多いでしょう。
しかし、Patreonのサービスが展開されている中、高額な作品を制作しなくても需要の高い絵をサブスクで世の中に提供すれば生活ができる時代になりました。特にサブスクは作品が売れる収入とは異なり、継続的的な収入なので、加入者がいる限りお金が発生します。
クリエイターは「不安定な職業」「運良くないと稼げない」と言われてきましたが、戦略的に取り組めば生活ができる職業となってきていると言えるでしょう。
参照元:画家は食えないと言われる、実際に活動してみて考えること
2.アートでも発想力次第で生活できる
Patreonを利用すれば、アイデア次第でアーティストとして生活できます。
例えば、先ほど紹介した「フリー画像を作成して販売する」「教育作品を販売する」など世の中から需要の高いものを提供することが挙げられます。
また、近年はNFTが出たことによって、ゲームや音楽で稼げるなど幅広い活動での利用が可能になりました。
アートで稼ぎたい方は、他のクリエイターがどのように収入を得ているのか、何を提供しているのかなど販売戦略を分析することをおすすめします。
まとめ
本記事ではアートで稼ぎたい方に向けてPatreonの具体的な活用方法を解説しました。
結論、需要の高い作品を出品して認知を獲得しつつ、自分の作品を販売することへとシフトしていくのがおすすめです。
特に最初から作品が売れることはありません。そのためアートで稼ぎたければ、戦略的に活動していくのが非常に大切と言えるでしょう。