海外で話題になり、日本でも耳にするようになってきたミューラルアート。従来の絵画で表現するアートとは異なり、壁画に大規模な作品を創作するミューラルアートは「様々な表現ができる」と地域や企業の間でも話題になっています。
そこで本記事では、ミューラルアートがどんなアートなのかを紹介。さらに街中で絵を描いたり、文字を書いたりする落書きとの違いを徹底解説します。
また、最後にはミューラルアートを楽しめるスポットを3つ紹介するので、壁画の作品に興味がある方やアートに興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
「あわせて読みたい」では、ミューラルアートに似ていると言われているストリートアートやグラフィティについて紹介しています。ミューラルアートをより詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
ミューラルアートとはどういったアート?
ミューラルとは、屋外の壁面や公共の空間などに描かれる大規模なアート作品のことです。
ミューラルアートは、美術館や展示会に飾ることを目的に制作されることがあるため、ストリートアートやグラフィティとは異なり、許可を得て合法的に作られています。
また、ミューラルアートの作品は政治や社会性を表現することが多いのが特徴です。
そのため、ストリートアーティストとして有名なバンクシーやヴィールスなどの作品とは異なり、様々な方に言語化が難しい政治や社会問題を考えさせられる魅力があります。
ミューラルアートと落書きの違いは?
壁画で作品を制作するミューラルアートと聞くと、同じように壁に絵や文字を書く落書きとの違いを思い浮かべる方も多いでしょう。具体的な違いは以下の通りです。
- 許可を得ているか
- 作品を制作した目的
ミューラルアートは、所有者の許可を得て壁に描かれる一方で、落書きは許可なく壁や公共の空間に絵や文字を書くことを指します。つまり、落書きは法律で罰せられる可能性があるのに対して、ミューラルアートは許可を得ているため、違反になることはありません。
また、ミューラルアートと落書きでは制作の目的が大きく異なります。
ミューラルアートは政治や宗教、文化といった言葉で表現するのが難しい問題を人々に伝える目的なのに対して、落書きは「スリルを楽しみたい」「注目を浴びたい」といった自己満足で許可を得ずに行われることがほとんどです。そのため、落書きは多くの人に迷惑をかけ、最悪の場合逮捕まで発展することもあります。
つまり、ミューラルアートは「人々の役に立つ思いを伝えられる芸術」なのに対して、落書きは「自分の欲求を満たす行為」である点が大きく異なるポイントです。
ミューラルアートを楽しみたい方必見!ミューラルを楽しめるスポットを紹介
前半ではミューラルアートがどんなアートなのかについて解説しました。
そこで後半で日本国内でミューラルアートが楽しめるスポットを以下の3つ紹介します。
- 渋谷駅の西口
- メリケンパーク
- 川崎駅西口
ミューラルアートに興味を持った方はぜひ最後までご覧ください。
渋谷駅の西口
引用元:https://www.shibuyabunka.com/phone/blog.php?id=1320
渋谷駅の西口では、Mural Rookies Projectによって制作されたミューラルアートを鑑賞できます。Mural Rookies Projectとは、国内外で活躍できる壁画アーティストの育成・輩出を目指す目的で発足されたプロジェクトのこと。
殺風景な工事現場の雰囲気をアートでにぎやかにして、工事が続く渋谷の街のイメージを変えたい想いと若手アーティストを育成したいという2つの想いで制作されています。
また渋谷では、他にも災害時の「⼀時退避場所を外国人を含めた来街者に認知させる」目的で制作されているアートや工事仮囲いに大友克洋さんの漫画「AKIRA」の世界観を表現した「AKIRA ART WALL」など様々なアートがあります。
引用元:https://www.shibuyabunka.com/phone/blog.php?id=1320
そのため、渋谷はミューラルアートだけでなく、アートに興味のある方にとっても非常におすすめのスポットなので、ぜひ行ってみると良いでしょう。
メリケンパーク
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1684e92aa9dc3aa4f0505f903c5c338a0f64fba7
メリケンパークとは、博物館や観覧車など様々なことを楽しめる神戸市中央区にある公園です。また、メリケンパークでは神戸空港をモチーフにした飛行機やタイルのうえに文字が描かれているタイル画など様々なミューラルアートがあります。
また「街中でアートに気軽に触れられる機会を増やす」目的で発足されたKobe Mural Art Projectでフィッシュダンス音楽練習場に大きなミューラルアートが制作されています。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1684e92aa9dc3aa4f0505f903c5c338a0f64fba7
メリケンパークはミューラルアートを鑑賞したい方だけでなく、観光スポットとして様々な遊びを楽しめる点も魅力の1つです。
川崎駅西口
引用元:https://oceans.tokyo.jp/article/detail/28793
川崎駅の西口では、KAWASAKI NURAL ARTによって制作されたミューラルアートを鑑賞できます。KAWASAKI NURAL ARTとはアートの力を活用して川崎市の文化の発信とイメージアップを図る目的で発足されたプロジェクトです。
5人のアーティストが56mの壁を試行錯誤して作られたミューラルアートは「生きるアート」とも呼ばれ様々な楽しみ方ができる作品です。
また、今までは川崎の新本庁舎整備工事現場の北側と南側でミューラルアートが描かれていましたが、2023年の10月より川崎駅の西口に移設することが決定しました。
参照元:川崎市:新本庁舎整備工事現場仮囲いのミューラルアートの移設先
そのため、2023年9月後半現在は見られませんが、移設が完了次第鑑賞しておきたいミューラルアートスポットの1つと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、ミューラルアートの概要や落書きとの違い、観光スポットを解説しました。
結論、ミューラルアートとは壁画に自分の表現や言語化の難しい問題を描くアートのことで許可を得て制作しているため、承諾を得ていない落書きとは大きく異なります。
また、目につきやすい大きな壁を活用して描くことが多いため、様々な人の目に触れやすく話題になりやすい点もミューラルアートならではの特徴と言えます。