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暗号資産(仮想通貨)ウォレットの種類ごとの解説、セキュリティ対策などまとめ

暗号資産(仮想通貨)を保管、送受信するために必ず必要な『ウォレット』について、その種類やそれぞれのメリット、デメリット、セキュリティ強化のためのポイントなどを紹介します。

暗号資産(仮想通貨)ウォレットとは

暗号資産(仮想通貨)ウォレットとは、文字通り暗号資産(仮想通貨)専用のウォレット(財布)のことで、暗号資産(仮想通貨)を保管、管理する本部のような役割を持っています。

一般的な通貨の保管方法と同様に、暗号資産(仮想通貨)にもさまざまな保管方法があります。

暗号資産(仮想通貨)ウォレットは、いつでも開くことができ、資産を確認・使用したり、送受信、管理することができるもので、大きく分けると二つの重要な機能を果たします。一つ目が秘密鍵を保護すること、もう一つが資産が保管されているブロックチェーンネットワークとのやりとりをすることです。

また、暗号資産(仮想通貨)ウォレットを通じて、ウォレットを持っている家族や友人、企業などと暗号資産を交換することができたり、分散型アプリケーションにアクセスしたり、Web3のマーケットプレイスやゲームに接続したりすることもできます。

なぜウォレットが大切かというと、『管理』の点で鍵を握るものだからです。暗号資産を所有するということは、ブロックチェーン上でそのコインを一定枚数所有していることが記録されていることになります。現在の一般的な通貨のように物質的な形を持たないからこそ、その管理方法は、資産を守るために重要となります。

暗号資産(仮想通貨)ウォレットの種類

暗号資産(仮想通貨)ウォレットは、いくつかの種類に分類されます。以下でそれぞれチェックしてみましょう。

カストディアル vs ノン カストディアルウォレット

まず、暗号資産(仮想通貨)ウォレットは一般的に、カストディアルウォレットとノン カストディアルウォレットの2種類に分類されます。

カストディアルウォレット

カストディアルウォレットとは、秘密鍵(ウォレットのパスワード)が、他の誰かによって管理されているものです。

例えば暗号資産取引所や取引のためのプラットフォームなどを通じて、資産にアクセスするための秘密鍵が管理されている場合は、カストディアルウォレットです。取引所やプラットフォームにログインすれば、そのままウォレット内のコインにアクセスすることができます。

暗号資産取引所や関連プラットフォームなどは、暗号資産を保護するための法的要件や規制要件に従うことが多く、カストディアルウォレットを使用している場合秘密鍵を紛失するリスクは少なく、バックアップを維持する必要もありません。仮にパスワードを紛失したり忘れたりした場合でも、別の方法で本人確認をしてパスワードを再発行したりすることでログインすることができるため、暗号資産を失ってしまうことに直結することにはなりません。

ただし、使用しているプラットフォーム内で利用可能な暗号資産、機能へのアクセスに限定されます。例えば、使用している暗号資産取引所内で扱っており、所有している暗号資産のみへのアクセスができ、その暗号資産取引所で可能な方法での取引のみができるということです。

カストディアルウォレットは第三者によって管理されていることから、大量のデジタル資産を盗み出そうとする悪質業者のターゲットとなりやすいというリスクが予測されるため、一般的に暗号資産取引所や関連プラットフォームはそれを防ぐために強固なセキュリティ基準を設けています。

他には、プラットフォーム自体が倒産したり、不適切な行動をとったりするリスクもあり、その場合には利用者が資金にアクセスできなくなる可能性も考えられます。

ノン カストディアルウォレット

ノン カストディアルウォレットとは、『Web3ウォレット』や『DeFiウォレット』とも呼ばれ、個人で秘密鍵(ウォレットのパスワード)を保持・管理するものです。

つまり、暗号資産にアクセスするためのウォレットのパスワードは所有者自身だけが知っているということです。暗号資産を完全に個人によって制御できるということは、所有者個人がより責任を負うということになります。

ノン カストディアルウォレットを使用することで、Web3経済へのアクセスができるなどの他のメリットもあります。

例えば、金融取引を行うために銀行のような第三者を利用する代わりに、人々や企業と直接デジタルでお金をやり取りする『DeFi(分散型金融アプリ)』を使用できたり、NFTの保管や取引ができたり、ブロックチェーン技術で構築されたWeb3ゲームを使用することができたりします。

セキュリティの観点で言うと、ノンカストディアルウォレットに資産を保管することは、自宅に現金を保管するのと同じようなイメージと考えて良いでしょう。万全なセキュリティ対策を自ら行うことが必須となります。

ホットウォレット vs コールドウォレット

また、暗号資産(仮想通貨)ウォレットはインターネットへの露出によっても2種類に分かれます。

ホットウォレット

ホットウォレットとはインターネットに接続されているウォレットのことで、パソコンや携帯電話からアクセスできるソフトウェアウォレット、あるいは常にオンラインである取引所プラットフォーム上のウォレットのことを指します。

使いやすいUI(ユーザーインターフェイス)になっていることが多く、簡単に暗号資産を管理・送受信することができるため、便利で初心者におすすめと言えるでしょう。

また、NFTなどの取引に暗号資産を使用したい場合には、基本的にはホットウォレットのようにオンラインのウォレット出ないとできないため、目的によってはホットウォレットを選択することが必須となる場合もあるでしょう。

暗号資産取引所などウェブサイトなどからアクセスできるホットウォレットや、専用のデスクトップやモバイルアプリからアクセスできるホットウォレット、ソフトウェアウォレットも、ハッキングやオンライン脅威、ウイルス攻撃などを受けるリスクがあると言えます。

コールドウォレット

一方、コールドウォレットは、秘密鍵を保管できるハードウェアデバイス(フラッシュドライブや秘密鍵の入った紙など)のことを指します。

コールドウォレットは、完全にオフラインなので、安全な場所に保管できればセキュリティのレベルは非常に高いといえます。 ただし、資産を管理するにはまず接続する必要があるため、不便ではあるでしょう。

自分に合っているウェレットを選ぶには?

それぞれにメリット、デメリットがあることがわかったと思います。

上記で説明した、暗号資産(仮想通貨)ウォレットのそれぞれの特徴を理解した上で、目的によってウェレットを使い分けることもできるでしょう。

例えば、セキュリティリスクの低いコールドウォレットで大きな資産を保管し、NFTの取引やWeb3ゲームの使用などにはノン カストディアルウォレット/ホットウォレットを使用し、暗号資産の運用には、カストディアルウォレットを使用するなども一つの手です。

ウォレットのセキュリティを高めるには?

オンラインに接続されたウォレットであるホットウォレットを使用する場合は、どうしてもセキュリティリスクがゼロではないため、その可能性を少しでも少なくするために、以下のことができるでしょう。

  • 評判の良いサービス・プロバイダーを利用する。
  • 2段階認証勿どの多要素認証を使用する。
  • パスワードが漏洩したと思われる場合は、すぐに変更し、使用しているプラットフォームに連絡する。
  • ノン カストディアルウォレットの場合、秘密鍵とシードフレーズ(ウォレットが生成する12〜24個の単語からなる文字列のこと)両方のバックアップコピーを、異なる安全な場所にいくつか保管する。
  • ノン カストディアルウォレットにエアドロップされた知らないNFTやその他の資産に注意する。
  • ソフトウェアのアップデート、アンチウィルスツール、ファイアウォールを常に設定する。

暗号資産を安全に管理するためには、正しい知識を持ち、しっかりと調べてから信頼できるプラットフォームやウォレットを使用することが大切となります。

まとめ

暗号資産を安全に管理するために、ウォレットについて正しい知識を持つことがまずは大切です。

それぞれの特徴を理解し、セキュリティを強化して、暗号資産やNFTの取引などを安全に楽しみましょう。

参考

Robinhood「What is a crypto wallet?」https://learn.robinhood.com/articles/what-is-a-crypto-wallet/

Curvegrid「Custodial vs. Non-Custodial Wallets」https://www.curvegrid.com/blog/2023-02-02-custodial-vs-non-custodial-wallets

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。