コラム記事

バンクシー、KAWS、インベーダーなど【MUCA展】に参加するアーティスト10名まとめ

MUCA展について

「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」東京会場
引用:https://bandal.jp/muca-banksy-tokyo-roppongi/

2023年に大分、京都会場で行われて盛況を得た巡回展「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」が、東京会場として森アーツセンターギャラリーにて、2024年3月15日(金)から6月2日(日)まで開催されます。

MUCAとは、2016年に開館した、ヨーロッパにて高い人気を誇るアーバン・アートと現代アートに特化した美術館Museum of Urban and Contemporary Artのことで、ドイツ・ミュンヘンの中心部にある変電所跡地にあります。

本展では、MUCAに所蔵された1,200点以上のコレクションの中から、アーバン・アートや現代アートにおける20世紀、21世紀の特に有名な10名のアーティストの作品、約70点が展示されます。

展覧会名:『MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~』
期 間  :2024年3月15日(金)〜6月2日(日)
会 場  :東京・森アーツセンターギャラリー 
(〒106-6150 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 52階)
主 催  :ICONS of Urban Art東京制作委員会
輸送協力:Lufthansa Cargo AG
企画制作:MUCA(Museum of Urban and Contemporary Art)
オフィシャルホームページ: https://www.mucaexhibition.jp/

https://www.mucaexhibition.jp/

Banksy(バンクシー)

Banksy(バンクシー) MUCA展
引用:https://www.streetartbio.com/artists/banksy/

Banksy(バンクシー)は、イギリスを拠点として活躍するストリートアーティスト、政治活動家、映画監督です。独特のステンシルスタイルのグラフィティや挑発的な社会批判で世界的に知られています。

政治や資本主義、社会的不公正への問題提起などをテーマにした、破壊的で風刺的なグラフィティを世界各地に制作し、有名になりました。

バンクシーの素性は現在も匿名です。社会規範や権力構造に挑む、示唆に富んだ作品は、現代アートとしても高く評価されてきました。

Barry Mcgee(バリー・マッギー)

Barry Mcgee(バリー・マッギー)
引用:https://thewynwoodwalls.com/artists/barry-mcgee/

Barry Mcgee(バリー・マッギー)は、ストリートアート、グラフィティ、ファインアートが融合したユニークなスタイルの作品で知られるアメリカの現代アーティストです。通称「ツイスト(Twist)」とも呼ばれています。

アメリカ・サンフランシスコ出身で、1990年代のアンダーグラウンドなストリートアートシーンで頭角を現し、大胆でカラフル、幾何学的なパターンや、複雑なレタリングで注目を集めました。

マッギーの作品には、モチーフとして、空き瓶、廃棄された家具、廃材などのような拾われたものがよく用いられており、都市環境のエネルギーと複雑さを訴えています。作品のジャンルはインスタレーション、絵画、ミクストメディアなど幅広くあります。

INVADER(インベーダー)

INVADER(インベーダー)
引用:https://www.sprayplanet.com/blogs/news/invader-from-street-art-legend-to-the-gallery

INVADER(インベーダー)は、1970年代後半から1980年代前半にかけて流行った8ビット・ビデオゲームのキャラクター(スペースインベーダー、パックマン、ドンキーコングなど)をモチーフにした象徴的なモザイクタイル作品で知られるフランスのストリートアーティストです。

1990年代後半、彼は世界中の都市の公共スペースをピクセル化した作品で 『侵略』したことで、注目を集めました。

古典的なアーケードゲームのキャラクターが用いられることが多いインベーダーのモザイク画は、ノスタルジーとアーバンアートの融合という特徴があり、人気を集めています。

インベーダーの作品は、パリから東京、ニューヨークまで、世界中の主要都市のビルや壁、街角で見ることができます。

インベーダーのストリート・アートへの遊び心に溢れながらも破壊的なアプローチは、公共空間やハイカルチャーとローカルチャーの境界線という概念に挑戦しているといえます。

JR(ジェイアール)

JR(ジェイアール)
引用:https://blog.artsper.com/en/a-closer-look/10-things-to-know-about-jr-artist/

JR(ジェイアール)は、世界各地の公共スペースに設置された大規模なモノクロ写真インスタレーション作品で知られるフランスの現代アーティストです。

フランスのパリでグラフィティ・アーティストとしてキャリアをスタートさせた後、写真家へと転身しました。

JRのプロジェクトの中で最も有名なものは、様々なコミュニティの人々のポートレートを建物や道路などの表面に貼り付ける「Inside Out(インサイドアウト)」です。これらのポートレートは、社会から疎外された人々を描くなど、弱者のコミュニティにおける発言力と可視性を与えることを目的としているようです。

JRの作品では、アイデンティティ、移民、人権などといったテーマに焦点を当てた社会的・政治的なメッセージを伝えるものが多くあります。JRはプロジェクトを通して、ステレオタイプに挑戦し、社会問題に対する会話を奨励し、異なる背景を持つ人々の間につながりを生み出すことを目指しています。

JRの作品は、世界中の美術館やギャラリーで展示されているほか、現代アートと社会活動への貢献が認められ、数々の賞を受賞しています。写真、ストリート・アート、地域社会との関わりを独自に融合させた作品を制作し続けてきたJRは、現在最も影響力や認知度の高いアーティストの一人です。

KAWS(カウズ)

KAWS(カウズ)
引用:https://www.christies.com/en/stories/kaws-artist-guide-1266ae90d08c4aba926e0e3309aeafaa

KAWS(カウズ)は、ポップカルチャー、ストリートアート、ファインアートの要素を融合させた独特のキャラクターを用いた作品で知られる現代アーティスト兼デザイナーで、本名はBrian Donnelly(ブライアン・ドネリー)です。

1990年代にグラフィティや、既存の広告にKAWSの特徴的なキャラクターを重ねたことなどで認知度を高めました。

KAWSの作品は幅広いジャンルにわたり、絵画、彫刻、玩具(フィギュアなど)、衣服などがあります。X字型の目などが特徴的なキャラクターは、一眼見てKAWSの作品だとわかるシンボルになっています。

KAWSは作品を通じて、消費主義、マスメディア、芸術の商品化といったテーマを頻繁に扱っています。

ナイキ、ユニクロ、ディオールなどのファッションブランドとのコラボレーションや、世界中のギャラリーや美術館での展覧会などで、KAWSは幅広い称賛と人気を得ています。

Os Gemeos(オス・ジェメオス)

Os Gemeos(オス・ジェメオス)
引用:https://www.thisiscolossal.com/2014/09/os-gemeos-converts-industrial-silos-in-vancouver-into-towering-giants/

活気に満ちた想像力豊かな壁画で知られるブラジルのサンパウロを拠点にする現代アーティストOs Gemeos(オス・ジェメオス)は、双子(一卵性双生児)のパンドルフォ(Pandolfo)兄弟によるユニットです。

1980年代後半にサンパウロの街中でグラフィティを描き、アーティストとしてのキャリアをスタートさせたOs Gemeosの作品は、独特のキャラクター、カラフルな色使い、超現実的なイメージが特徴的です。

Os Gemeosの壁画には、ブラジルの民話、音楽、日常生活への言及や、手足が伸びた表情豊かな黄色い肌の人物などのキャラクターがよく登場します。大規模な作品が多く、世界中の都市のビルや壁面、公共スペースに描かれています。

屋外壁画の他には絵画、彫刻、インスタレーションなどのようなアート作品も制作しており、世界各地のギャラリーや美術館で展示されています。

Richard Hambleton(リチャード・ハンブルトン)

Richard Hambleton(リチャード・ハンブルトン)
引用:https://www.nytimes.com/2017/11/03/obituaries/richard-hambleton-dead-shadowman-of-the-80s-art-scene.html

1980年代のストリート・アート・ムーブメントの先駆的存在として知られるカナダのアーティストRichard Hambleton(リチャード・ハンブルトン)は、『ストリート・アートのゴッドファーザー』とも呼ばれています。

ハンブルトンの最も象徴的な作品は、さまざまな都市風景の壁や建物に描かれた等身大の影のような人物「シャドーマン」で、謎や陰謀、都市の衰退、監視、死といったイメージを感じさせます。1980年代当時のニューヨークの厳しい街並みを表現したシンボルでもあります。

ハンブルトンは2017年に亡くなりましたが、現在も回顧展や現代アートへの貢献を称える展覧会が開催されるなど、再度注目されています。

Shepard Fairey(シェパード・フェアレイ)

Shepard Fairey(シェパード・フェアレイ)
引用:https://www.widewalls.ch/magazine/shepard-fairey-obey-giant-cranbrook-art-museum

Shepard Fairey(シェパード・フェアレイ)は、アメリカの現代ストリート・アーティスト、グラフィック・デザイナー、活動家で、2008年のアメリカ大統領選挙キャンペーン中にバラク・オバマを起用した象徴的な「Hope」ポスターでよく知られています。

フェアレイの作品は、ポップカルチャー、政治、社会活動の要素を取り入れることが多く、大胆なグラフィックスタイルやプロパガンダ的なイメージが印象的です。

1990年代の「Obey Giant(オベイ・ジャイアント)」キャンペーンで、プロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントのイメージに 「Obey(従う)」という言葉を添えたステッカーから始まったが、のちに世界的な現象に発展しました。

フェアレイは壁画、版画、イラストレーション、ミクストメディア作品など、社会正義、環境保護、権力の濫用といったテーマを用いたさまざまな作品を生み出してきました。

また、デザイン・エージェンシーStudio Number Oneと非営利団体OBEY Giant Artを共同で設立し、アーティストを支援するとともに、アートを通じて社会活動を促進しています。

Swoon(スウーン)

Swoon(スウーン)
引用:https://www.instyle.com/news/swoon-street-artist

Swoon(スウーン)は、複雑で喚起的な小麦粉ペーストや切り絵のインスタレーションで知られるアメリカのコンテンポラリー・アーティストで、本名はCaledonia Dance Curry(カレドニア・ダンス・カリー)です。

2000年代初頭のニューヨークのストリート・アート・シーンで頭角を現したSwoonは、アクティビズム、コミュニティへの参加、ストーリーテリングの要素を取り入れたストリートアートが特徴的です。

社会から疎外されたコミュニティや個人に焦点を当てて人物の肖像などを描くことも多く、手すき和紙、木版画、スクリーン印刷など、さまざまな技法を駆使して作品を制作しています。他にも屋外でのインスタレーションなど多様な形でアート表現を行なっています。

Vhils(ヴヒルス)

Vhils(ヴヒルス)
引用:https://www.sortiraparis.com/en/news/in-paris/articles/295692-vhils-a-work-by-the-portuguese-street-artist-enters-unesco-in-paris

Vhils(ヴヒルス)、本名Alexandre Farto(アレクサンドル・ファルト)は、ポルトガルの現代ストリート・アーティストで、アーバン・アートへのユニークなアプローチ、特に革新的なノミの技法を用いた使用壁に彫刻や肖像画を制作することで知られています。

2000年代初頭にポルトガル・リスボンのグラフィティシーンから頭角を現したVhilsは、漆喰、コンクリート、木材などの都市でよく使われる素材の層を取り除き、『都市の下層にあるものや歴史を浮き彫りにする』独特のスタイルで認知度を高めてきました。

ヴヒルスの作品は、未加工の素材を露出させることで、アイデンティティ、記憶、都市の変容などといったテーマを探求し、建築環境に与える人間の影響についてのメッセージを発信しています。

屋外でのインスタレーションに、絵画、彫刻、ミクストメディア作品など多様な作品を制作しており、世界中のギャラリーや美術館で展示されています。

まとめ

現代アートシーンは多様に繁栄しており、Banksy(バンクシー)、Os Gemeos(オス・ジェメオス)、Shepard Fairey(シェパード・フェアレイ)、Swoon(スウーン)、Vhils(ヴヒルス)などのアーティストたちが、それぞれ独自の視点や手法で活躍しています。

MUCA展に参加するアーティストたちの作品は、現代社会への問題提起を含み、鑑賞者たちの思考を刺激するものばかりです。

参考

MUCA展公式サイト https://www.mucaexhibition.jp/

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。