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DAO(自律分散型組織)の基本情報|メリット、デメリットや参加方法、なぜ注目されているのか解説

DAO分散型自律組織とは

近年WEB3.0、ブロックチェーン、NFTなどに注目が集まっている中、DAO(自律分散型組織)というワードもよく聞くようになったのではないでしょうか。

いまいちDAO(自律分散型組織)がどんなものなのかわからないという方も多いと思うので、今回はその基本的な情報をまとめて紹介します。

DAO(自律分散型組織)とは

DAO(自律分散型組織)
引用:https://blockgeeks.com/guides/what-is-a-decentralised-autonomous-organization-dao/

DAOとは、Decentralized autonomous organizationsの略で、日本語では自律分散型組織のことを指します。リーダーや企業など、人々の中心に位置したり、トップに立つ層が意思決定をする中央集権的なものではなく、所属する人々それぞれの自律的な活動によって運営される組織のことです。

同じ目標を持っていれば誰でも参加可能なコミュニティのようなもので、その多くが世界各国の人々で構成され、無料で参加できるコミュニケーションツールであるSNSのディスコード(Discord)などでコミュニケーションがとられることが一般的なようです。 

デジタル上での一対一の契約であるスマートコントラクトを使用して、ブロックチェーン上に構築されるDAO(自律分散型組織)は、多くの場合、メンバーがDAO専用のガバナンス・トークンを購入し、資金プールの使い道や管理方法の決定について投票する権利を得ることで機能します。そのため比較的簡単に資金調達を行うことが可能なようです。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのことです。 イーサリアムなど多くの暗号資産(仮想通貨)でスマートコントラクトが実装されています。 この仕組みは、自動販売機のように利用者が硬貨を投入し、飲み物のボタンを選択した瞬間に売買契約が成立するイメージに似ています。

https://bitflyer.com/ja-jp/s/glossary/smartcontract

ガバナンストークンはDAO(分散型自立組織)の運営における意思決定において、保有者に投票の権利を与えるトークンのことである。

https://www.coindeskjapan.com/learn/governance-token/

DAOはなぜ注目されている?

そもそもWEB3.0には、『WEB2.0でのデータ独占・改ざん・データ使用権の問題を解決する』というミッションがあり、DAOは、ブロックチェーン技術を活用した次世代のインターネットであるWEB3.0を実現するための仕組みの1つと考えられているため、注目を集めています。

また、従来のような株式会社と違い、インターネット接続環境さえあれば誰でも簡単に設立することができるという手軽さかも注目されている理由でしょう。

DAO(自律分散型組織)の例

DAO ビットコイン
引用:https://www.forbes.com/sites/digital-assets/2023/09/12/serious-1-trillion-looming-price-crash-warning-issued-for-bitcoin-ethereum-and-crypto/

DAOは目的やミッション、プロジェクトの大きさなどそれぞれ異なり、あらゆる産業に関連づけることができます。

暗号資産であるビットコイン(BTC)も、DAOの1つの成功例だと言えるでしょう。特定のリーダーを持つことなく、世界中の暗号資産愛好家によってマイニングされ続け、ブロックチェーンネットワークが維持、管理されてきて、その結果現在では数十兆円の時価総額に達するまでのプロジェクトになりました。

その他にも例えば、2021年に結成されたConstitutionDAOは、老舗アートオークション会社であるサザビーズから合衆国憲法の原本を購入するという『個人的な関心』に基づく目的で集まった人々に構成されていました。このグループは結果的に最高入札者ではなかったことから、落札はできなかったものの、メンバーは初期投資の払い戻しを受けることができました。

また、Mantra DAOのように、グループとして事業を運営するという目標で集まった組織もあり、これらはコミュニティが管理する分散型金融プラットフォームとして、暗号資産を出資したり、貸し借りしたりすることができます。

DAO(分散型自律組織)のメリット、デメリット

DAOのメリット

効率的でコストも抑えた資金調達が可能

DAOのメリットの一つは、資金調達が効率的に行えることでしょう。

前述した通り、スマートコントラクトを通して、ガバナンストークンの発行などによって簡単に資金調達を行えるDAOは、株式会社などの従来の組織体系と比べると、資金調達を効率的に行うことができます。

DAOの資金調達のプロセスは、比較的シンプルな上に、コストも抑えることができます。

明確なインセンティブ

DAOに参加するメンバーは、従来の組織体系のようにトップの要求に応じた業務処理をするのではなく、自身で選択した形で組織に貢献(労働)します。

メンバーはプロジェクトに貢献した分だけ報酬(トークンの付与など)を得ることができるため、インセンティブが明確で、モチベーションも向上しやすいと言えるでしょう。

組織の透明性

DAOはブロックチェーン技術を基盤としていることから、全てのメンバーが取引やこれまでの意思決定の履歴を確認することができるという透明性の高さもメリットの一つです。このことから、組織への信頼性が高まり、中央集権型組織で起こってしまうリスクのある不正行為、権力濫用などが防げます。

メンバーにとっても、透明性が高まることによって、意思決定に参加しやすくなるため、組織の成長にも繋がります。

自由度の高さ

DAOでは、参加者の発言や投票などの自由度も極めて高いと言えます。それぞれが自由に発言できる環境により、クリエイティビティが発揮され、イノベーションも促進されることがで期待できます。

DAOのデメリット

意思決定に時間がかかる

従来の組織体系のような中央集権型の組織と比べると、DAOは意思決定に時間がかかることが多いでしょう。意思決定に投票を用いることで生産性が下がってしまうため、このフローについても効率的に実施するための工夫が必要となります。

セキュリティリスク

ブロックジェーン上に構築されるDAOは、ハッキングなどのようなセキュリティリスクもあるでしょう。メンバーが使用するウォレットなどにもセキュリティの問題が生じるリスクがあります。

法が整っていない

上記のセキュリティリスクとも関連しますが、DAOに関連する法の整備がまだ整っておらず、法的なリスクや責任を正確に把握することが難しいため、リスクがあると言えるでしょう。

DAO(分散型自律組織)に参加するには?

DAOに参加する方法は、それぞれの組織によって異なります。とはいえ、一般的には何が必要になるのでしょうか。

DAOへの参加には、一般的に、ガバナンストークン、またはNFTなどが必要となります。これらは購入する、あるいは既に参加しているメンバーから受け取ることが可能です。トークンが必要となる理由は、メンバーである証明として、また投票権として必要となるからです。

これに伴い、暗号資産取引所やNFTマーケットプレイスの口座、メタマスクなどのNFTウォレットも必要となってきます。

最初はややこしく感じると思うので、まずは試しに国内のDAOに参加してみることをお勧めします。

まとめ

DAO(自律分散型組織)について、基本的な情報をまとめて紹介しました。

次世代のインターネットであるWEB3.0を実現するための仕組みの1つとして注目を集めるDAOについてまずはその概要を理解したら、目的やミッションに共感でき、関心の持てるDAOを探して、参加してみましょう!

参考

Digiday「WTF is a decentralized autonomous organization (DAO)」https://digiday.com/media/wtf-is-a-dao/

画像引用元:https://builtin.com/blockchain/decentralized-autonomous-organization

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。