アートに節税効果があると聞いたことはありますか?アートを所有することは趣味や投資として以外にもメリットがある場合があります。
絵画や彫刻などのアートで節税するためには、必ず特定の条件を満たす必要がありますが、一般的な方法をいくつか紹介します。
慈善寄付、文化振興税制の活用
芸術作品を国慈善団体や博物館・美術館に寄付することで、譲渡所得はなかったものとみなされ、取得価額の金額を所得控除として所得から控除して申告することができます。
ただし、控除額に上限があり、かつ当該年度のみ控除されるため高額な美術品等を寄付した場合は控除しきれない場合があります。
また、この控除を受けるには、作品の価値を専門家に鑑定してもらい、それに基づいて申告する必要があるようです。
加えて、特定の国や地域では、文化振興を目的とした税制が設けられており、芸術作品の購入や寄付に対して税制上の優遇措置が与えられる場合があります。
これらの措置については、地域によって異なるため、対象の国や地域の情報を調べてみましょう。
資産譲渡税の回避
芸術作品を相続する場合、相続税を回避するために、贈与や信託を通じて作品を相続することが考えられます。
例えば個人から個人への相続では、贈与税の非課税枠は暦年110万円以内となっていますが、これらについての詳細はややこしいので専門家の助言を受ける必要があります。
事業経費としての芸術購入
個人事業主や会社経営者など事業主として芸術作品を購入し、それを事業の一環として使用する場合、その費用は事業経費として認識され、税額が軽減される可能性があります。
ただし、これにはさまざまな条件があるため、専門家の助言を受け、税務当局のガイドラインに従うようにしましょう。
また、一般的にアートを購入する際には、作品自体の価格以外にも配送運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料などの経費がかかりますが、これらの費用は作品価格に加算してアートの取得価額とすることができます。
2015年以降、諸経費を含めたアートの取得価額が100万円未満の場合には、一定の条件を満たせば減価償却として費用として申告することができるようになりました。
一方で100万円以上のアート作品でも『時の経過によって価値が減少することが明らかなもの』は減価償却ができるようです。
これは、
- 会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数が利用する場所の装飾用や展示用の作品
- 移設困難でその用途だけに使用されることが明らかなもの
- 他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないもの
などのように、転売できないような作品のことを指します。
詳しくは、国税庁のホームページを確認したり、専門家への相談するなどして、正確な情報を探してください。
まとめ
今回紹介したような方法で、節税という観点からも、アート作品を所有することにはメリットがあります。
条件に該当しそうな場合は、ぜひ税理士など専門家に相談の上で、アートを節税に活用してみてはいかがでしょうか。
参考
美術品を購入することで節税できる⁉ 会社やクリニックなどに飾る絵画のススメ https://sogyotecho.jp/saving-taxes-with-art/
アート・コレクターと税制―マイ・ルール構築に向けて #4-2 美術品を手放す~特殊な譲渡編1 https://note.com/mari_yamauchi/n/ne337707d78d3
意外と知らないアートのこと 〜減価償却とは〜 https://www.renosy.com/magazine/entries/5042
画像引用元 https://www.linkedin.com/pulse/art-corporate-office-kasia-g