アートには様々な表現方法があり、どんなものを表現していても評価されるべき対象となります。
もちろん、「ゾッとするアート」というものも存在しそれらも例外ではありません。
今回は世界の悲惨なアートについていくつかご紹介していこうと思います。
グロテスクな物が苦手な方、ご注意ください。。
ヘラルド・ダヴィトの「シサムネスの皮はぎ」
一枚目は下の絵となります。「皮はぎ」という響きだけでもゾッとしてしまいます。
拷問されているシサムネスは賄賂を受け取って不正判決を出します。
その事実が発覚し、ペルシア王カンビュセス2世に「全身の皮を剥がされての死刑」を命じられ、拷問を受けている場面です。
この絵は2つの時系列が混在しており、奥の椅子の背もたれにかけられたものは、この時剥がされたシサムネスの生皮で、座るのは次の裁判官に任命されたシサムネス息子とされています。
現在はベルギーのブリュージュにある市立グルーニンゲ美術館に貯蔵されているとのことです。
見ているだけで左の脚あたりが痛く感じるのは私だけでしょうか。。
ビアズリーの「踊り手のご褒美」
こちらの絵は大皿に斬られた男の首が乗っている絵です。
恋する相手が自分のものにならないのなら首だけでも欲しい。といったサイコパスな女性を描いています。
男性のみなさん。女性にはくれぐれも気を付けましょう。女性を敵にすると怖いですからね。。
フランシス・ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」
こちらはフランシス・ゴヤが晩年描いた「我が子を喰らうサトゥルヌス」という作品です。
ローマ神話に登場するサトゥルヌスが、自分より偉大な者が出現することを恐れて自分の子を次々と喰っていった、という言い伝えを元に描いたものです。
言い伝えでは丸呑みにした、とされていますが、ゴヤはより狂気を際だたせるため、頭から丸かじりする描写を描いています。
この絵はゴヤが自分の家の邸宅に飾る用の一連の作品「黒い絵」シリーズの代表作となっていますが、
このような絵を家に飾ろうとする精神状態ってどんな感じなんでしょうか・・・
サトゥルヌスの狂気的な顔が脳裏に焼き付いて夢の出てきそうですね。。
チェコ・セドレツ納骨堂の人骨アートたち
有名な観光地であるチェコのセドレツ納骨堂。ご存じの方も多いかもしれません。
全部で4万体以上の本物の人骨が使われています。
なぜセドレツ納骨堂が人骨ばかりの教会になったかというと、セドレツ納骨堂は戦争や伝染病で亡くなった人々の遺体を埋葬していた共同墓地だったからです。
そしてセドレツ納骨堂のあるクトナーホラは神聖な場所とされていたため広範囲に渡って埋葬希望者があらわれ、次第に巨大化してしまったようです。
広すぎてしまった墓地を縮小すべく遺体を掘り起こしアートにしてしまったようです。
【血が苦手な方注意】まさに血と汗と涙の結晶!血で描かれたアートたち
飴屋法水のHIVに感染した人の血で描かれたアート
飴屋法水は日本で活躍する現代アーティストであり、劇作家や演出家として活躍されている方です。
ある展示会でHIVウィルスが混ざっている血液で「このウイルスは空気感染しません」という言葉を一緒に付けて展示していたようです。
HIVのウィルスが混入されてる血液を「このウィルスは空気感染しません」という言葉を付けて展示した時も、それも書いてあるだけだから、見ている人に本当のところはわからない。でも人って書いてあればものすごく恐れるし、書いてなければ「何かどう見ても血っぽい液体だな」ぐらいの感じでとらえる。
引用:https://performingarts.jpf.go.jp/J/art_interview/0911/1.html
上記のような作品だけに留まらず、展示会で様々なミキサーが並んでおり、そのミキサーの中身には内臓のようなものが入っていたそうです。
中でミキサーにかけられていたものは牛の脳みそで味噌と脳みそを掛け合わせて「ミソスープ」と題された作品が展示されていたようです。
ビンス・キャスティグリアの自らの血で描かれたアート
アメリカのアーティストであるビンス・キャスティグリア(以下、ビンス)は、「アートと画家の間のバリアを取り除く」ために、自身の血を絵具として使用していたようです。
ビンスの作品は、血液で描いたものばかりでこれまでの画家人生で、およそ5.6リットルの血液を消費してきたとのことです。
血で描かれた作品が以下のものになります。もちろん様々な人からの非難もあったようです。
その批判に対してビンスは「ちゃんと作品の質を見てほしい。何で画かれているのかなど気にならないはずだ」と答えています。
まとめ
今日はゾッとするアートをいくつか紹介してみました。
アートに関する定義はなく見る人によって考え方も感じ方も違うのは面白いですよね。
綺麗で美しいものだけが心に残るものといったらそうではなく、時にはグロテスクで狂気に満ちている作品も人の心を大きく揺さぶるものとなります。
ご自身の中で様々なアートを見たときにどんな心の動きがあるか内観し、楽しんでみるのもいいかもしれません。