コラム記事

注目すべき日本のNFT関連スタートアップ企業5選!

NFT スタートアップ

世界中でNFTに関連する情報が話題となる中、クリプトアートの取引額は2021年以降に急騰しており、今後も伸びていくと予想されています。

日本国内でも、ブロックチェーンを活用したゲーム開発・運営やアート関連事業などのスタートアップ企業が、積極的にNFT事業に参入・展開しています。

今回は注目すべき日本のNFT関連スタートアップ企業5社をピックアップし、その業務内容などについて紹介します。

スタートバーン株式会社

スタートバーン株式会社は、東京大学発のスタートアップ企業で、世界中のアーティストやアート業界関係者のに役立つ技術を提供することで、より豊かな社会の実現を目指しており、現在は、大きくインフラ事業、自社事業、共同事業の3つを展開しています。

スタートバーン株式会社はインフラ事業として、アート作品の信用担保を支える流通・評価のためのインフラであるブロックチェーン「Startrail」の開発・構築を行っています。

「Startrail」では、アート作品の流通・管理に関わる事業者(ギャラリー、オークション ハウス、美術館、アートコレクション関係者など)がNFTの発行、移転をすることができます。

NFTアート作品に記録されている情報は、所有者(購入者)にのみ開示され、発行者情報、展示や取引の来歴などが蓄積されたデータとともに作品を保有することができます。

引用:スタートバーン「Startbahn Cert.」https://startbahn.jp/en/service/startbahn_ownbusiness/

スタートバーン株式会社の自社事業として、アート作品のあらゆる履歴をブロックチェーン上で記録・管理する美術品資産の真贋証明書「Startbahn Cert.」発行サービスを提供しています。

「Startbahn Cert.」は「Startrail」をより簡単、安全に活用するためのインターフェースとして2020年に公開されました。

「Startbahn Cert.」は、手軽に閲覧できるデジタル証明書であり、実物作品にも紐づけることができる独自のICタグで、デジタル情報と連携させることができます。

自社のブロックチェーン「Startrail」によって、証明書は高い信頼性が担保され、プライバシーも保護されます。

また、作品がアーティストの手を離れた後にも、売買・展示・保管・修復などの履歴が蓄積されていくため、流通する過程で変動する作品の価値にあった還元金が手に入るよう、作家自身で設定できるようになっており、アーティストたちのサポートにも繋がります。

引用:Tanseisha「Promoting Innovation」https://www.tanseisha.co.jp/en/csr/design

また、他社との共同事業・開発も積極的に行っているようです。

例えば、株式会社丹青社との協業により、ブロックチェーンを活用した、日本のアート・工芸作品のプラットフォーム「B-OWND(ビーオウンド)」のサービス提供を行い、日本のアーティスト、工芸家と世界中のコレクター、キュレーター、美術評論家を直接繋いでいます。

スタートバーン株式会社はその他に、婦人靴の販売会社から最近美術商事業への取り組みも開始した株式会社アマガサとの業務提携、越境アートEC「Tricera」などへの証明書発行支援などを共同事業として行っています。

株式会社Gaudiy

引用:exciteニュース「
ブロックチェーンを活用したプロダクトの共創プラットフォーム「Gaudiy」限定テスト開始、スタートアップや大手企業など数十社が導入予定」https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2018-08-17-35719-4/

株式会社Gaudiyは、ブロックチェーン技術の活用によって、漫画、音楽、アニメ、ゲーム、スポーツ、アイドルなどのエンターテイメント業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するスタートアップ企業です。

『ファンとともに時代を進める』をミッションとしてファンエコノミーの実現を目指しており、コミュニティとブロックチェーンを掛け合わせたアプリケーション「Gaudiy」の開発なども手がけています。

ブロックチェーン技術を活用したコンシューマー向けのサービス領域という新しい切り口で市場を牽引している株式会社Gaudiyは、これまでにないエンタメ体験やビジネスモデルの開発に取り組んでいます。

漫画アプリ「GANMA!」を運営するコミックスマート株式会社と連携し、NFT電子書籍プラットフォームの開発やブロックチェーンを活用した共創型ファンコミュニティサービスの提供も行っています。

SBINFT株式会社(旧株式会社スマートアプリ)

引用:PR TIMES「SBINFT(株)新設のメタバース事業部始動、海外進出へ向けて」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000013931.html

NFT事業を展開する株式会社スマートアプリは、2021年9月末にSBIホールディングス株式会社の連結子会社となり、社名をSBINFT株式会社に変更したことを発表しました。

SBIグループは、現代美術を中心とした美術品オークションサービスや暗号資産の取引所サービス、eスポーツ事業への参入などNFT事業との親和性の高いサービスを展開してきたため、株式会社スマートアプリの連結子会社化によって、更にそれぞれの事業を伸ばしていくことを目指しているようです。

SBINFT株式会社は、イーサリアム決済機能、NFTなどの日本円・米ドル決済、NFT販売、発行をすることができるブロックチェーンプラットフォームサービス「Go Base」の提供や、NFTマーケットプレイス「nanakusa」の運営やNFT事業のコンサルティングなどを行っています。

2021年10月には、新設されたメタバース事業部の取り組みとして、メタバースギャラリー企画「THE GALLERY」を開催し、公認アーティスト5名がNFT作品を仮想空間(メタバース)に展示しました。

株式会社Kyuzan

引用:PR TIMES「【株式会社Kyuzan】IP・トップクリエイター・ハイブランド向けに、独自のブランドイメージに合ったNFTショップを素早く簡単に構築するためのサービス「MINT(ミント)」をリリース」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000076247.html

株式会社Kyuzanは、NFTサービスとブロックチェーン開発基盤を開発しているスタートアップ企業です。

ブランド独自の世界観を表現することができるオリジナルのNFTショップを簡単に構築できるNFT開発基盤「Mint」を開発・提供しています。

「Mint」は、主に大型IPコンテンツホルダー、トップクリエイター、ハイブランドなどが雑多なマーケットプレイスでなく、独自のブランドイメージに沿ったNFTショップを作ってそこで販売ができるように、ブロックチェーンおよびバックエンドのソリューションを提供しています。

いわば、NFT版のShopify、BASEのようなイメージのプラットフォームを目指しているのです。

また、株式会社GameWithと共同開発したアプリで遊べるNFTゲーム「EGGRYPTO(エグリプト)」は、ブロックチェーン技術を活用したNFTゲームであるものの、ブロックチェーンや暗号資産などといった専門知識や難しい操作の必要がなく、手軽に遊べるゲームの構成やインターフェイスにより、60万以上のダウンロード数を記録しています。

2021年12月末にN.Avenue株式会社とNFT事業における協業開始を発表し、今後はNFTのクリエイター、コレクション情報の「NFT mu!(ミュー!)β 版」への掲載や、N.Avenue社の顧客企業向けの開発支援の検討などを行っていく予定だそうです。

株式会社TRiCERA

引用:TOKYO ART BEAT「サプライチェーンからアートの多様性を広げる:TRiCERA 井口泰インタビュー」https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/tricera-interview-iguchi

株式会社TRiCERAは、アーティストが国内外で活躍できるように様々なアートサービスを提供しているスタートアップ企業です。

株式会社TRiCERAが運営するグローバルアートマーケットプレイス「TRiCERA ART」は、現代アート専門の登録制ECプラットフォームで、多言語に対応し、出荷や配送、返品手配までを請け負うことで、国内外問わず販路を広げており、現在アジアにおけるシェア率No.1を誇っています。

国立の美術大学出身者、アートマガジン副編集長、大手物流出身者、マーケティングのノウハウを持つ者など、アートとビジネスの知見を兼ね揃えたバックグラウンドを持つメンバーが集まる株式会社TRiCERAは、アーティストの海外進出サポートや、オンラインオークション事業「START」などを手がけています。

また、スタートバーン株式会社と連携し、越境アートEC「TRiCERA ART」ではNFT証明書の発行も行っているようです。

まとめ

NFT関連事業として、ブロックチェーンを活用したゲームやNFTマーケットプレイス、NFTアーティストの海外進出支援、エンタメ業界のDXなどと、幅広い分野に乗り出すスタートアップ企業が国内にも多くあることがわかりました。

アートの分野においても、ダミアン・ハーストや村上隆など、現代アートの市場で世界的に評価されているアーティストたちもNFTでの作品作りに参加しだしており、今後さらなるNFTアート市場の成長が期待されています。

日本のNFT関連スタートアップ企業の今後の活躍が、今後のNFT市場にどう関わってくるのか、注目していきたいです。

参考

STRIVE「話題のNFTの全体像を事例とともに把握しよう〜市場を牽引するスタートアップの状況まで〜」https://note.com/strive/n/n2933a1b97629#Xyhtl

PR TIMES「SBINFT(株)新設のメタバース事業部始動、海外進出へ向けて」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000013931.html

株式会社Gaudiy https://hp.gaudiy.com/

PR TIMES「【株式会社Kyuzan】IP・トップクリエイター・ハイブランド向けに、独自のブランドイメージに合ったNFTショップを素早く簡単に構築するためのサービス「MINT(ミント)」をリリース」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000076247.html

TOKYO ART BEAT「サプライチェーンからアートの多様性を広げる:TRiCERA 井口泰インタビュー」https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/tricera-interview-iguchi

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。