コラム記事

IKEAとアート

スウェーデン発祥の世界最大手家具メーカー、IKEAと言えば、デザイン性の高い商品がリーズナブルに手に入ることで有名ですが、家具のデザイン以外にも、アートの要素が経営に活かされています。

IKEAの店舗の作りは、ショールームと言われる展示コーナーを見たあとに(レストランで一息ついて)セルフサービスコーナーで、コンパクトに梱包された家具をピックアップして会計をする流れになっています。

このショッピングの流れ自体も非常に良くできたデザインで、アートと言えますね。

IKEAが生んだ家具の梱包イノベーション、フラットパック

ショッピングの最終地点、セルフサービスエリアにIKEAならではのイノベーションがあります。
新たな梱包スタイル、フラットパックです。

IKEAの店舗でお買い物された方はご存知だと思うのですが、IKEAの商品は組み立て前の状態で、できる限り平たくなるように梱包されています。

これがフラットパックと呼ばれるもので、従来の家具メーカーにはなかった発送です。

ローテーブルLÖVET/ローヴェット

現在はLÖVBACKEN/ローヴバッケンと改名された商品からIKEAのフラットパックはスタートしています。

組み立てられた家具を運ぶのは非常にかさばり、コストがかかります。
また、店舗で販売された家具を顧客が自宅へ運ぶのも、乗用車では難しいものです。

そこで、このローテーブルLÖVBACKEN/ローヴバッケンは、天板から脚を外し梱包して販売することになりました。

これがフラットパックの始まりです。

コストダウンと利便性

このフラットパックという販売スタイルが生まれた事により様々なメリットが生まれました。

運搬のしやすさ

上述のとおり、運搬しやすくなった事で流通会社のコストが省けるのはもちろんのこと、顧客が家具をショッピングして自家用車で持ち帰るということを可能にしました。

梱包コストの削減

完成された大きな家具を梱包するのではなく、部材をコンパクトにまとめることで、梱包素材が大幅に削減されました。

倉庫の縮小

上記二点からも想像がつくように、倉庫にかさばる完成品を保管する必要がなく、より多くの商品を確保することが可能になりました。
また、ショッピングコーナーに在庫を陳列することも倉庫の縮小に一役買っています。

人員削減

顧客が組み立てるという新たな発想により、家具を組み立てる職人を多く抱える必要がなくなりました。

サステナビリティ

総合して、非常に効率的な運営となり、環境問題にも大きく貢献しています。

フラットパックの改良に活かされるアートの発想

IKEAには数多くのアーティストやデザイナーが在籍しており、先進的な家具の設計に取り組んでいます。

そして、フラットパックの改良もデザイナーが行っています。

部材の並べ方、梱包資材のまとめ方や重ね方。
ただ分解して詰め込むだけでなく、家具が傷まず且つよりコンパクトにおさまるように、日夜改良が加わっているのです。

段ボールを開けた瞬間、無駄なく詰められた部品を見た瞬間、芸術性する感じさせられます。


IKEAで販売されるアート作品

家具のイメージが強いIKEAですが、アート作品も販売されています。

価格も家具と同様、とてもリーズナブルで一万円以下の価格でも高品質なアート作品を購入することができます。

イケアは、アートに関してシンプルかつ確固としたビジョンがあります。それは、アートとはギャラリーや美術館だけではなく、多くの人が自分たちの家にも飾ることができるものであるべきということです

Henrik Most, creative leader at IKEA

IKEAホームページ/ https://www.ikea.com/jp/ja/ideas/art-pubbb124641


身近な家具メーカー、IKEAを解剖してみることでも、世の中にはアートがあふれていることが実感できると思います。

また、アートの発想が経営の効率化にも役立っているということを思えば、アートの世界に足を踏み入れる事で皆様の仕事にも活かされるのではないでしょうか。

ABOUT ME
おちか
おちか
アートとお金と食べる事が大好き。コレクターの叔父の影響で幼い頃からアートに囲まれた環境で育つ。ピカソの「ゲルニカ」はお友達。 社会人になってからは医療・福祉系の仕事をしていた事もあり、アールブリュットの世界に魅了される。