漫画・アニメ「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」などで日本を代表する漫画家として世界的に知られている、鳥山明。
2023年にはデビューから45周年を迎える予定ですが、世界中で作品のファンはいまもなお増え続けています。
今回は、イラストの画力が凄いと業界の大御所たちからも評価される伝説的なクリエイターである鳥山明について、まとめて紹介します。
鳥山明の経歴
鳥山明(以下、鳥山)は、1955年4月5日、愛知県名古屋市に生まれました。
貧しい家で育った鳥山は、食べ物を買うお金がなく空腹に耐える時にも絵を描くことを楽しんでいたといいます。
手塚治虫の「鉄腕アトム」やディズニーの「101匹わんちゃん大行進」の影響を受け、毎日模写をしていた鳥山は、小学生の頃から写生コンクールで入賞するなど、好きで始めた絵の才能は周りからも認められるものだったようです。
現在の愛知県立一宮起工科高等学校のデザイン科に進学してデザインを学んだ鳥山は、高校を卒業した後、デザイナーとして広告会社に就職し、2年半ほど働きました。
そして、1978年から週刊少年ジャンプに掲載された読み切り漫画の「ワンダーアイランド」漫画家としてデビュー。
ペンネームを使わず本名で漫画を描き始めたため、作品が売れるようになってからは珍しい苗字で自宅を特定されたりイタズラ電話がかかってきたりなど困ったこともあったそうです。
1980年に、週刊少年ジャンプで「Dr.スランプ」の連載が開始しました。
編集者の鳥嶋和彦のアドバイスをもとに少女アンドロイドの則巻アラレを主役にした漫画は人気作となり、翌年からテレビアニメ「Dr.スランプ アラレちゃん」として放送されることが決定。
こうして「Dr.スランプ アラレちゃん」は、歴代アニメ最高視聴率で3位になるなど、鳥山の最初の大ヒット作品となったのです。
1984年には、ネタ切れにより「Dr.スランプ」の連載終了を編集者に打診したところ、3ヶ月後に新連載を始めることを条件とされ、さらなる大ヒット作「ドラゴンボール」が生まれました。
その後「ドラゴンボール」もテレビアニメ化し、1986年から1997年まで放送され、国民的アニメとなり、現在もなお世界中にファンがいる有名な日本の漫画・アニメの1つとなっています。
また、30年以上続く大ヒットゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクター、モンスターのデザインも第1作から鳥山が担当したことで知られています。
次々と作品が大ヒットし、多忙を極めた鳥山は、1995年に「ドラゴンボール」の連載が終了した後は、読み切り漫画や短期連載などを中心とするようになりました。
鳥山明の現在
2023年にデビュー45周年を迎えることになりますが、鳥山は各メディアで度々『引退したい』と語っています。
引退願望が冗談か本音かはわかりませんが、世界的大ヒットとなった漫画・アニメの作者、ゲームのデザイナーとして『鳥山明先生』と呼ばれる業界の大御所となった鳥山は、自分の意思だけで辞めることができないほどの存在となったことに間違いありません。
鳥山明の代表作品
前述した通り、鳥山は数々の大ヒット漫画・アニメを生み出しました。
アニメ版「ドラゴンボール」は、の最高視聴率は29.5%、「Dr.スランプ」は36.9%を記録するなど、間違いなく世代を超えた国民的アニメであることがわかります。
「Dr.スランプ」
「Dr.スランプ」は、1980年から1984年まで週刊少年ジャンプで連載された、発明家、則巻千兵衛が作った女の子の見た目をしたアンドロイド、則巻アラレとペンギン村の住人たちのハチャメチャな日常を描いたギャグ漫画です。
1981年4月よりテレビアニメ化され、アニメ視聴率歴代3位を記録する大ブームを巻き起こしました。
登場するキャラクターたちが擬人化した動物の用だったり、主人公の則巻アラレがアンドロイドなのにメガネをかけていたりと不思議で独特な設定、世界観で人気を集め、『アラレちゃん』が多用する言葉『んちゃ』『キーン』『バイちゃ』などは流行語となりました。
「ドラゴンボール」
七つ集めるとどんな願いでも一つだけ叶えられるという秘宝『ドラゴンボール』をめぐる冒険の中での敵との戦いと仲間との友情を描いた漫画「ドラゴンボール」。
漫画は週刊少年ジャンプで1984年から1995年まで連載がつづき、テレビアニメ版は1986年から1996年待っで放送され、誰もが知る大ヒット作品となり、11年間平均視聴率20%以上を維持し続けたといいます。
ドラゴンボールシリーズの人気は日本国内だけにとどまらず、全世界80カ国以上で放送されました。
なんと「ドラゴンボールZ」がフランスで放送された際には視聴率が80%を超え、子供達がアニメを見るために学校を休んだため、フランス政府は放送禁止例を出したという伝説が残っているそうです。
当初のドラゴンボールのストーリーのアイデアは、中国の「最遊記」からインスピレーションを得たと言われています。
「ドラゴンクエスト」
「ドラゴンクエスト」は、日本を代表するコンピュータRPGのシリーズ作品です。
ゲームデザイナーの堀井雄二を中心に制作され、鳥山は堀井のラフ絵をもとにキャラクター、モンスターのデザインを第1作目から担当しました。
2021年時点で、全シリーズ累計出荷数・配信数は8300万本を超えた国民的ゲームとして主題歌やキャラクターなども多くのファンに愛されています。
ドラゴンクエストシリーズは、全般を通して中世ヨーロッパファンタジー風の世界観が基調とされており、『剣と魔法の世界』が表現されています。
鳥山明のオークション情報
鳥山の作品やサイン色紙などはこれまでにも複数回有名オークションに出品されており、作品のサイズや媒体によって価格は変動しますが、約30万円〜約192万円で取引されています。
2016年にサザビーズ・パリで「DRAGON BALL」が約192万円で落札され、これまでの大手オークションハウスに出品された中で最高落札額となりました。
「New Statesman」「ArtDaily」「The Guardian」などの海外メディアの記事でも、漫画家を超えたアーティストとしての鳥山の作品について紹介されています。
大御所たちからも大絶賛される鳥山明の画力
鳥山の漫画は、ストーリーの面白さだけでなくその画力の高さも人気となった要因だと言われています。
漫画業界の有名人たちも鳥山の画力について絶賛しています。
- 鳥嶋和彦(週刊少年ジャンプ 編集者):『鳥山の絵は、基本的な絵の勉強を漫画ではなくデザイン画などから学んでいるため、バランス感覚が優れている』
- 手塚治虫(「鉄腕アトム」で知られる漫画家):『ちょっと上手すぎるよね。彼は僕の後継者』
- 尾田栄一郎(「ONE PIECE」知られる漫画家):『神様。ディズニーより上手い』
引用:アスネタ!「鳥山明の凄さと画力。天才の評価、尾田栄一郎との噂とは。経歴と学歴まとめ」https://asuneta.com/archives/16682
鳥山明のイラスト
高い画力が評価されている鳥山のイラストは、「Dr.スランプ」のアラレちゃんや「ドラゴンクエスト」のキャラクター、スライムに代表されるような可愛いイメージのものから、「ドラゴンボール」のような迫力のあるかっこいい印象のものまで幅広く、そのレベルの高さから鳥山のイラスト集などを集めるファンも多いそうです。
鳥山明のイラスト集
鳥山明のイラスト集は多数出版されており、ファンからも人気を集めています。
鳥山によって描かれた各漫画・ゲームのキャラクターたちのイラストが収録されたイラスト集はどれも見応えのあるものばかりです。
- 「鳥山明 the world」(1990年)
- 「鳥山明 THE WORLD SPECIAL」(1990年)
- 「鳥山明の世界 AKIRA TORIYAMA EXHIBITION」(1993年、1995年)
- 「ドラゴンボール大全集 1巻 COMPLETE ILLUSTRATIONS」(1995年)
- 「ドラゴンクエストモンスターズ 鳥山明イラストレーションズ」(1996年)
- 「ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑」(2012年)
- 「ドラゴンボール超画集」(2013年)
- 「鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ」(2016年)
鳥山明の個展
国境をこえて世界中にファンを持つ鳥山は、これまでに日本で2度大規模な個展を開催しています。
「鳥山明の世界」
「鳥山明の世界」展は1993年~1997年まで、東京都・神奈川県・福島県・香川県・北海道・福岡県・愛知県・熊本県・兵庫県・秋田県と、日本全国で開催されました。
この展示会を記念し、会場のみで販売された同名の画集は、代表作のドラゴンボールだけにとどまらず、鳥山の歴代の漫画のイラストも多く紹介されており、ファン必見の内容となっています。
「鳥山明 The World of DRAGONBALL」
劇場版新作アニメ「DRAGON BALL Z 神と神」が公開されることを記念して2013年に開催された「鳥山明 The World of DRAGONBALL」。
会場は7つのドラゴンボールにあわせてそれぞれ「キャラクターウォール」「DRAGON BALL 年代記」「原画ギャラリー」「カラーイラストギャラリー」「アニメギャラリー」「お宝ギャラリー」「スペシャルシアター」という構成になっており、漫画の原画、カラーのイラスト、アニメのセル画や設定資料など約300点が展示されました。
会場にはドラゴンボールファンなら誰でも知っている『かめはめ波』の記念撮影コーナーもあり、会場はファンで溢れていたそうです。
鳥山明の自宅や年収、顔写真
「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」が国内外で大ヒットしていることを考えると、漫画の印税はもちろん、アニメ、映画やそのグッズの売上も含めると、鳥山の年収は数十億円を超えると推測されています。
億万長者であろう鳥山の自宅はきっと豪邸に違いない・・・と思い調べてみると、現在鳥山は愛知県・清須市にあるドラゴンボールを彷彿とさせる明るいオレンジの目立つ大きなスタジオ兼邸宅「バードスタジオ」に住んでいるようです。
都市伝説だという意見も見られましたが、ドラゴンボール連載で多忙を極めていた際、田舎に住んでいたことで不便さを感じていた鳥山が引っ越しをしないように、地元の自治体が鳥山の自宅周辺の道路を整備したといわれています。
また、鳥山は積極的に自身の顔を出すことを好んではいなかったようですが、これまでに人気テレビ番組「徹子の部屋」などにも出演したりとメディアに露出もしています。
まとめ
世界的クリエイターである鳥山明の作品は、多くのファンを熱中させ続けてきました。
私自身も子供の頃に「Dr.スランプ アラレちゃん」のアニメを観ていたことを覚えています。
昨今ではゲームやアニメと関連したNFTも注目されていますが、イラストなどからわかるその画力の凄さから、今後NFTとして鳥山明のイラストや人気アニメの関連商品などが、高値で取引されることもあるかもしれません。
参考
Wikipedia「鳥山明」
Wikipedia「ドラゴンボール」
Wikipedia「Dr.スランプ」
Wikipedia「ドラゴンクエストシリーズ」
アスネタ!「鳥山明の凄さと画力。天才の評価、尾田栄一郎との噂とは。経歴と学歴まとめ」https://asuneta.com/archives/16682
アイエムレポート「鳥山明 The World of DRAGON BALL」https://www.museum.or.jp/report/268