井田幸昌の経歴
井田幸昌(いだ ゆきまさ:以下、井田 )は、株式会社IDA Studioの代表取締役社長で、日本の芸術家として世界的にも注目を集めている現代アーティストです。
井田の作品ジャンルは、絵画を中心として彫刻や版画作品などに及び、『一期一会』をテーマに『二度とこない今』を表現し、作品に過去と現在を同時に投影させ、他者の存在とは何か?というメッセージを発信しています。
強弱様々なストロークを用いて、独特なテクスチャーが特徴的でインパクトが感じられます。身近な人物あるいは有名人など時代のアイコン的な存在の人物をモデルとして「Portrait」シリーズ、身近な人々の姿や井田地震の心象風景をその日に描く「End of today」シリーズなどが代表作として知られています。
井田は、1990年に鳥取県にて彫刻家である父、井田勝己の元に生まれます。幼少期から父・勝己の影響を大きく受けたため、絵を描くなどの創作活動をしながら育ったといいます。また、父・勝己と交流のあった彫刻家ロバート・シンドルフに師事し、子供の頃から幅広い芸術に触れる機会を持ちました。
井田は16歳の時に、本格的に油彩画に取り組むようになります。高校を卒業した後、絵画の道を諦められず、就職先を辞退して、東京藝術大学を受験し、合格します。2016年に東京藝術大学油画専攻を卒業、2019年に東京藝術大学大学院油画を修了しました。
大学在学中から積極的にグループ展に参加したり、個展を開催したりとアーティストとして頭角を表していきました。2016年には現代芸術振興財団主催のCAF賞にて「審査員特別賞」を受賞します。
翌年には、ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオが自身の名を冠した環境保護財団「レオナルド・ディカプリオ基金」への募金を募るために開催したオークション「レオナルド・ディカプリオ・ファンデーション・オークション」に最年少で招待され、他の有名なアーティストたちと参加しました。
井田は、ニューヨークやロンドンなどで海外のアーティストたちから刺激を受け、2017年に株式会社IDA Studioを設立し、代表取締役社長に就任します。従来のアーティストのあり方と違い、ギャラリーに属さないアーティストとして新しい地位を確立しました。今では、日本を代表する現代アーティストとして世界中にコレクターがいます。
これまでにパリ、北京、ロンドン、シカゴなど世界各地で個展・展覧会を多数開催しています。
2018年にはフォーブス・ジャパンより「30 UNDER 30 JAPAN」の1人として選ばれました。
2021年には、サザビーズ香港で開催された、アートコレクターJay Chou(ジェイ・チョウ)とのコラボレーションセールに作品を出品し、アーティストレコードを更新しました。
アートの領域にとどまらず、ファッションECサイトZOZOVILLAのキービジュアルを担当したり、老舗ファッションブランドのディオールと世界的アーティストとのコラボレーションプロジェクト「Dior Lady Art」に賛したりと、ファッション系企業とのコラボレーションにも積極的に参加し、注目を浴びています。
2021年に日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行を行った前澤友作氏によって、井田の作品「画家のアトリエ(End of today – L’Atelier du peintre -)」が国際宇宙ステーションに寄贈されたことも話題となりました。
2023年、日本国内では、地元である鳥取県の米子市美術館と、京都市京セラ美術館にて個展の開催が予定されています。
井田幸昌の代表作品
「画家のアトリエ」2019年
代表的な作品シリーズ「End of today」の1つとして2019年に描かれた「画家のアトリエ」は、ヴィヴィッドな色使いと大胆なストロークが印象的です。
この作品は、日本を代表する実業家・アートコレクターである前澤友作氏が、2021年に日本の民間人として初の宇宙旅行に行った際に国際宇宙ステーションに寄贈されたことで大きな注目を集めた作品です。
「アンディ・ウォーホル No.3」2019年
井田のもう一つの代表シリーズ「Portrait」から「アンディ・ウォーホル No.3」が2019年に発表されました。
タイトルの通り、20世紀の大衆社会や消費社会をテーマとして表現したアメリカを代表する近代画家であるアンディ・ウォーホルをモデルとして描いた3つ目の作品で、ウォーホルの有名な肖像を、真っ黒の背景に対して光を反射したような明るい色彩で描いており、印象的です。
「Portrait」シリーズでは、他にもパブロ・ピカソや藤田嗣治、レオナルド・ディカプリオ、ジャン=ミシェル・バスキアなどをモチーフにした作品があります。
「箱庭 創造的な寓意」2020年
箱庭 創造的な寓意」は、井田の他の作品もコレクションしている前澤友作氏からの『好きに描いていい』という依頼によってコミッションワークとして制作され、2020年に発表された作品です。
横11.7m、縦3.5mという大規模な絵画作品で、製作には3年の歳月を費やしたといいます。
ギュスターヴ・クールベの「画家のアトリエ」からインスピレーションを得て製作された作品であり、生と死の世界観を表現しています。よく見ると鉛筆を持った井田自身の姿も、描かれているという遊び心も見られます。
井田幸昌のNFTプロジェクト
2023年1月20日に、株式会社NEW FACTORY TOKYOによる第一弾NFTアートプロジェクトとして、井田にとって初めてとなるNFTアート作品を発表しました。
従来の井田の作品に共通するテーマである『一期一会』を『デジタルだからこそなしうる一期一会』として再解釈し、作品に反映しています。
現在は、NFT販売イベント「“Warhol”tribute Presented by LOD」が3月8日(水)まで開催中で、井田の絵画作品を原画としたデジタル作品を販売しています。
上記の代表作品でも紹介した、アンディ・ウォーホルのポートレート作品を原画としたNFT作品も5点が今回限定販売中です。
井田幸昌の個展「Panta Rhei|パンタ・レイ − 世界が存在する限り − 」
井田の個展「Panta Rhei|パンタ・レイ − 世界が存在する限り − 」は、2023年7月22日(土)から8月27日(日)まで鳥取県米子市美術館にて、2023年9月30日(土)から12月3日(日)まで京都市京セラ美術館で開催されました。
国内外に多数のファンを持つ井田ですが、本個展が初めての日本国内での美術館個展でした。国内未発表作品を含むこれまでの絵画作品や立体作品や、井田の代表シリーズである「End of today」シリーズの作品なども展示されました。
近年より一層注目を集め続けている井田の個展には多くの現代アートファンが訪れたようです。
井田幸昌のコラボレーション作品
井田は、アート界の枠を越え、さまざまな領域とのコラボレーションにも積極的です。いくつかその例を見てみましょう。
Dior Lady Art
高級メゾンであるディオールのアイコニックなバッグといえば、「レディ・ディオール(Lady Dior)」でしょう。このブランドの伝統的なバッグを革新的に再解釈するという意味を込めて発足したのが、「ディオール・レディ・アート(Dior Lady Art)」プロジェクトです。
世界的に有名なアーティストたちとコラボレーションし、クラシックなバッグに斬新なデザインを与えるだけでなく、希少価値の高いコレクターズアイテムともなるであろうバッグを製作します。
2021年、この第6弾アーティストの一人に井田が選ばれました。他には、マナル・アル・ドワイアン、ジゼラ・コロン、ヨハン・クレテン、ジェニーヴェ・フィギス、ギギスー、アントナン・アコ、ジャン・ホァン、レオンハルト・ホルツマイヤー、大庭大介、李松松、リナ・アイリス・ヴィクトルがこのプロジェクトの第6弾に参加しました。
井田の絵画作品の特徴的なスタイルが、ディオールのアイコンであるレディ・ディオールに描かれているまさに芸術品のバッグとして、今後更なる井田の活躍により価値が上がっていくことでしょう。
ワンオクロック Takaの衣装デザイン
井田のインスタグラムによると、ロックバンド、ワンオクロック(ONE OK ROCK)のボーカルを務めるTakaのコンサートツアー「2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR」の衣装をデザイン、監修したそうです。
Taka自身の存在を引き立たせ、寄り添うような強いデザインをと思いながら製作し、コンサートにも訪れた井田は、『本音言うと、完成した衣装みた感想は「え、てかこれ俺が欲しいんですけど…俺が着たいんですけどぉぉ…」でした。😂笑 ま、でもこの衣装が世界で一番似合うのはTakaさんですね。本当カッコよかった。』とコメントしています。
井田幸昌は芸能人とも仲が良い?!
井田はアート界の枠を超え、芸能人との交流も多いようです。
ワンオクロックTaka
上記でコラボレーションを紹介した通り、ロックバンドのワンオクロック(ONE OK ROCK)のボーカルを務めるTakaとの親交もあるようです。
2021年3月15日に投稿されたTakaのインスタグラムでは、井田のスタジオを訪れ、Takaをモデルとしたポートレート作品の前で二人が写った写真が公開されていました。
山田孝之
井田は、俳優の山田孝之とも仲が良いようです。過去には井田の個展に山田が訪れたことがインスタグラムに投稿されていました。
また、山田孝之のYouTubeには、二人の対談動画がアップされています。俳優と画家という異業種の二人が、芝居とは、描くとは、そして表現とは、、というテーマについて語っています。
三浦春馬
2020年7月に突然30歳という若さで残念ながらこの世を去ってしまった人気俳優の三浦春馬も、井田との交流があった芸能人の一人でしょう。
2019年3月には、北京で開催された井田の個展に足を運んでいる様子がインスタグラムに投稿されていました。
三浦春馬が亡くなった後には、井田が手がけた肖像画をインスタグラムにアップしていました。
山下智久
山Pの愛称で知られる元ジャニーズの山下智久とも、親交があるようです。
井田のインスタグラムでは、4年以上の付き合いがあること、そして山下が井田のスタジオを訪れ、山下モデルにポートレイトを1日で2枚描いたこと、その日の作品と二人の写真が公開されています。
井田幸昌は結婚している?妻や子供は?
井田幸昌は、度々SNSなどで妻や子供の写真を載せています。
井田の妻も芸術家で、東京藝術大学卒業の原美湖さんだそうです。2021年11月に結婚されたようです。2024年1月現在では、子供は長女、長男の二人いるようです。
2023年12月11日には、井田が美湖さんの誕生日に肖像画をプレゼントしたことをTwitterに載せていました。
12月11日
— 原美湖 (@chan_hara) December 11, 2023
誕生日の私、を描いてくれた。
ありがとう。嬉しい。
絵も年を重ねていく。#idayukimasa pic.twitter.com/bLbhQJ19kR
まとめ
井田幸昌は、世界が注目する日本の現代アーティストとして今後も活躍を続けていくでしょう。
作品の価格も数千万円など高価で取引されている実績があるので、さらに価値が上がっていきそうな期待の日本人アーティストです。
参考
Artsy auction results https://www.artsy.net/artist/yukimasa-ida/auction-results?hide_upcoming=false&metric=in
Wikipedia 井田幸昌
井田幸昌公式 https://idastudio.co.jp/
