【草間彌生】かぼちゃを描くきっかけや代表作品・美術館で購入できる南瓜グッズは?

Kusama Yayoi
アーティスト紹介

DATA

ニックネーム
水玉の女王
作者について
草間彌生は、水玉模様の多用と無限のインスタレーションで知られている、日本人アーティストです。絵画、彫刻、パフォーマンスアートを手がけています。 草間彌生のアートは、反戦、反体制、自由愛を表現し、時代を反映した作品や、性、死、無限の宇宙などの普遍的なテーマに基づいた作品です。

現在の値段

3,156,249円

2019年東京・代官山で開催されたSBIアートオークションの第35回モダン&コンテンポラリーセールにて南瓜の絵が9000万円で落札。
かぼちゃのひるね」というシルクスクリーンの作品を参考までに見てみると、過去5年間の予想落札価格は約20万円から約200万円と10倍近く跳ね上がっている。
黄色のかぼちゃのシリーズはアジアで最も人気のモチーフではあるが、インフィニティネットなどの他のモチーフにしても、この5年で5倍以上は高くなっている。

代表的な作品には億の値段が付きますが、一般的な作品は500万円前後が多いです。

経歴

草間彌生(以下、草間)は、長野県松本市で、種の卸商人のもとに生まれました。

草間は、10歳で絵を描き始めました。その頃からしばしば幻覚を見るようになり、大変苦しんだといわれています。しかし、この幻覚が、現在草間彌生の代表作として知られるドット作品のモチーフとなっています。

草間は専門的な絵の訓練をほとんど受けておらず、京都市の​​専門学校で芸術を短期間(1948年から49年)だけ勉強していました。芸術家になりたいという願望が芽生え、1957年にアメリカに移住し、アメリカ・ニューヨークに定住しました。初期の作品は、「インフィニティネット」という絵を書き始めました。

大きなキャンバス全体で何千もの小さな丸を描いたものです。その丸は、まるで無限に続くかのように構成されています。

その後、草間の作品はポップアートとパフォーマンスアートに移行しました。草間はニューヨークのアバンギャルドの中心人物となり、その作品はドナルド・ジャッド、クレス・オルデンバーグ、アンディ・ウォーホルなどのアーティストの作品と並んで展示されました。セントラルパークやMoMaの敷地で、平和の促進や芸術の確立を批判しする目的で、パフォーマンス始めました。これらのパフォーマンスの多くがヌードで表現されていたため、日本でスキャンダルを引き起こし、米国のマスコミも批判的な見解をしていました。

精神的な不調が続き、1973年日本に帰国し、入院しました。

家族や友人の支援なしに、自分が絵を描くことができないことに気づき、草間は自殺を試みました。

しかし、再度ゼロから自分自身のアートを確立することを決意しました。作品は徐々に再評価され、国内外で展覧会が開かれました。そして草間の人気は確固たるものとなり、様々な賞を受け、彼女の作品は多くの展覧会や美術館をまわっています。90歳を超える今も現役で活動を続けています。

草間彌生 代表作品「南瓜(かぼちゃ)」を徹底解説

草間が「かぼちゃ」を作品に使う意味とは

幼い頃、草間は何時間もかけてカボチャの絵を描いていました。草間にとってカボチャは、安定性、快適性、そして謙虚さの象徴なのです。草間によると、かぼちゃは色も形も魅力的であるだけでなく、手触りも優しいため、好んで使っているそうです。彼女の作品にかぼちゃが登場するのは子供時代の記憶によるものです。

草間は、幼少期のトラウマを抱えていました。自分の感情や情動をコントロールするために、このカボチャという反復的なテーマを作品やインスタレーションに使い始めました。

自分の恐怖心を抑える手法を、感動的なアートへと変えてきました。

初めて「かぼちゃ」を作品に登場させる

草間が、カボチャに魅了されたのは、幼少期です。しかし、草間の作品に初めてカボチャが登場したのは、1946年に幼少期を過ごした松本で開催された巡回展に出品したときのことでした。最初の作品は、日本画で描かれています。

この作品以降、1970年代になって再びカボチャが登場するようになりました。

引用:https://publicdelivery.org/yayoi-kusama-pumpkins/#Kusama8217s_first_pumpkin_painting

ドットのミラールーム

1980年代に入ると、草間はドットモチーフの絵画、版画を制作していました。インスタレーション「ミラー・ルーム」などにドットを取り入れるようになりました。

引用:https://publicdelivery.org/yayoi-kusama-pumpkins/#Kusama8217s_first_pumpkin_painting

「ミラールーム」は、1993年のヴェネチア・ビエンナーレの日本館にも展示されました。この時、草間は来場者に小さなカボチャを配って持ち帰らせたというエピソードもあります。

現在海外でも人気の「ミラールーム」に入ると無限にかぼちゃが置かれているよに見えるインスタレーションが体験できます。かぼちゃの中に立っていると無限のエネルギーを感じることができます。

引用:https://tabicoffret.com/article/76199/index.html

直島から世界へ

1994年には、瀬戸内の直島で、黄色の巨大な彫刻に黒のドット模様を施した巨大なカボチャのインスタレーションを発表しました。現在は台風の影響で展示されておりませんが、ベネッセアートサイトの桟橋の端に設置されており、水面に浮かんで周囲の風景と調和していました。

この1994年の作品を皮切りに、世界へと草間の作品が展開されました。

2000年代に入ってからは、松代駅(東京都港区)、福岡市美術館、リール・ヨーロッパ駅、ビバリー・ガーデンズ公園など、世界各地で野外インスタレーションを展開しています。草間のカボチャは、ステンレススチール、モザイク、ブロンズで鋳造されることが多いです。

引用:https://media.thisisgallery.com/20187591

人気の草間彌生グッズ

かぼちゃストラップ

草間の代表作である「かぼちゃ」の作品をモチーフとした可愛いストラップです。ロフトでも取り扱っているようです。価格:1980円。

引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/merock/mrk-uag01h1hh00005.html

ドット柄の犬のぬいぐるみ

草間といえば「かぼちゃ」のイメージが強いですが、ドット柄の犬「リンリンとトコトン」も密かな人気を集めています。ゆるーい感じの2匹の犬のキャラクターに癒される人も多いかもしれません。価格:4179円。

引用:https://item.rakuten.co.jp/moncachette/621713001/

かぼちゃ柄お財布

がま口にすることで草間彌生の「かぼちゃ」の形に似た、ふっくらとして可愛らしい商品とですね。大きさも4×11×4.5㎝となっていてちょうど使いやすいサイズとなっています。価格:9680円。

引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608079123/

ドキュメンタリー「≒草間彌生~私大好き」Tシャツ

2008年に公開された草間のドキュメンタリー映画「≒草間彌生~私大好き」のオリジナルグッズとして作られた下記のTシャツは、草間ワールドが全開でおしゃれなデザインとなっています。価格:4950円。

引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608092986/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=ssc&gclid=CjwKCAjwhaaKBhBcEiwA8acsHEKSR7hkTwRO-p8QMRWDqKJvsmroy3AS-S-_imM526tReogyJ67-choCGKsQAvD_BwE

草間彌生の作品が見れる美術館

松本市美術館

草間の故郷である長野県松本市にある美術館「松本市美術館」では草間が手掛けたアート作品が数多く展示されています。松本市美術館は大規模改修工事のために2022年4月まで休館しています。

草間彌生の展覧会などを毎回行い、入れ替えもしているので新たな発見ができます。

引用:https://walking-matsumoto.net/experience/matsumoto-art-museum

松本市美術館で購入可能グッズ

松本市美術館のグッズショップでしか取り扱っていない下記の「水玉強迫」をモチーフとした手ぬぐいも人気商品の1つです。価格:880円。

引用:http://matsumoto-artmuse.jp/shop/items/category/kusama-goods/

草間彌生展示会「わが永遠の魂」限定水玉ドットスマートフォンケース

2017年3月に国立新美術館の開館を記念して行われた「草間彌生 わが永遠の魂」展の会場で発売されていた下記のスマートフォンケースが大人気で、特に赤と白の水玉柄のものに関しては他のPCサイトで倍近くの値段で転売されているほどです。価格:各2963円。

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000018324.html

草間彌生美術館

引用:https://media.thisisgallery.com/20202916

2017年東京・新宿区に草間彌生美術館がオープンしました。年に2回、企画展が開催されており大人気の「ミラールーム」の展示もあります。建物は4Fと屋上となっており、1階と4階は撮影OKです。

直島

直島かぼちゃ

香川県にあるアートの島「直島」には、皆様も存じの通り「かぼちゃ」のオブジェが島のシンボルとして展示されていました。2021年に台風被害があり、現在は展示されていません。

直島で購入できる草間彌生グッズ

直島に展示されている2つのかぼちゃのうち直島の玄関口で観光客を待ち構えている「赤かぼちゃ」をモチーフとした下記の商品も直島のベネッセハウスパークかベネッセミュージアムのミュージアムショップでしか買えない商品となっています。草間の完全監修によって作成されたもので細部まで彼女のこだわりが込められています。価格:33000円。

引用:https://aucfree.com/m/items/m371258473

草間彌生とコラボしたブランド

草間彌生×ルイヴィトン

2012年には草間とルイヴィトンのコラボ商品も発売されました。

草間の「Infinity Net(無限の網)」と「Dots Infinity(無限の水玉)」の作品を用いたシリーズは大好評だったようです。バッグ価格:298000円。

引用:https://amorevintagetokyo.com/fs/amore/ao19685

草間彌生の師匠:ジョージアオキフ

引用:The New Yorker「Georgia O’Keeffe’s Vision」https://www.newyorker.com/magazine/1974/03/04/the-rose-in-the-eye-looked-pretty-fine

ある日、草間が長野県松本市の書店に足を運んだところ、偶然アメリカ女流画家のジョージア・オキーフ(以下、オキーフ)の絵が目が留まったようです。

オキーフの絵に魅了され、刺激を受けた草間彌生はオキーフ本人に手紙を送ったようです。オキーフからも『是非アメリカに来るように…』と返事があったようです。そして、日本ではその才能を見出されなかった草間彌生がアメリカの地で少しずつ、実績を積んでいくのです。

ジョージア・オーキフは20世紀のアメリカを代表するアーティストの1人です。

花や風景を抽象的に描いた作品が現在でも人気を集めています。 シカゴとニューヨークで美術の基礎を学びました。

オキーフのニューヨークでの作品展示デビューを手伝った画廊オーナーであり写真家のアルフレッド・スティーグリッツとのちに結婚。 彼の死後は夏に通って絵を描いたニューメキシコ州へ移住し、98歳で亡くなるまで製作活動を続けました。 オキーフ亡き後には、晩年を過ごした土地ニューメキシコ州・サンタフェに、ジョージア・オキーフ美術館が開設され、作品や彼女の遺品が展示されています。

草間彌生が影響を受けたアーティストの絵画を集めてみましたでもあるように、およそ70年に渡るキャリアの中で、花の絵のシリーズなど数々の代表作を残しました。

まとめ

草間さんの作品を見に、長野にある松本市美術館に訪れたことがあります。ミラールームと呼ばれる作品の一つである「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」を体感しました。この一室に入った瞬間、自分がどこにいるかわからなくなる錯覚を起こしました。どこまでも続いていくかぼちゃを見ていると平衡感覚がなくなっていく感覚でした。それまで、草間さんの作品は「可愛いな!」程度しか感じることができなかったけれど、草間さんのテーマである「永遠」そして「愛」の真髄を知ることができる展示でした。東京に2017年に開館された「草間彌生美術館」でかぼちゃのインスタレーションがあるので是非体感してみて欲しいです。

参考

This is media「草間彌生とは?経歴・人生について分かりやすく解説」

https://media.thisisgallery.com/20187748

This is media「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」

https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_02

Vouge「草間彌生が語る、愛とアートに生きる理由。」

https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2017-02-21

アンドアート「草間彌生」

https://and-art.jp/works/1

美術手帖「2019年最後のSBIアートオークションが開催。草間彌生が9000万円、ルノワールが8500万円で落札」

https://bijutsutecho.com/magazine/news/market/208391
ABOUT ME
しおり岡
編集長/ライター。小学生の頃はエジプト文化、中学生では西洋美術、高校生は日本の歴史にハマり、大学在学中に仏像に恋をして、学芸員を取得。卒業後、大手人材会社で営業を経験。その後、飲食店の広報・デザイナーを経て、アメリカ・NYにて転職。コロナウイルスのため帰国し、現在は日本に滞在中。趣味は「美術館や遺跡を経験するための海外旅行」。今まで40カ国以上を旅行をし、世界の建築や文化、食事、アートに触れる。