経歴
1984年、長野県に生まれた小松美羽(以下、小松)は、小さい時から絵を描くことが好きで、動物など身近な存在の絵を描きながら画家を夢見ていた子供だったそうです。
幼少期に動物に囲まれて育ったことから、自然と死生観について考えるようになり、のちにその独特の価値観をテーマに、神々や神獣を描くようになります。
高校卒業後は、美術大学に進んで銅版画を製作し始めました。小松の独特な世界観に引き込まれそうになる作品はたちまち注目を集めます。
2009年ごろからは、メディアにも取り上げられるようになりました。
容姿端麗であることから、『美しすぎる銅版画アーティスト』としてテレビなどにも出演するようになり、一躍有名になっていきましたが、その一方で彼女自体は絵で評価されたいと思い悩んでいたそうです。
2013年に島根県の出雲大社に初参拝した小松は、その翌年、近くの民家に住み込みで製作をした作品「新・風土記」を出雲大社に奉納しました。
それまでの小松の銅版画作品は、白と黒で表現されていましたが、この作品をきっかけとして、彼女の作品は色鮮やかでダイナミックな、現在のスタイルになりました。
それまでは、描きたいテーマを表現する方法としての自身の絵の方向性を定めることができず悩んでいた小松ですが、出雲大社への作品奉納を機に、彼女の画家としてのキャリアは一気に軌道に乗り始めます。
その後、世界を代表する老舗オークションハウス、クリスティーズ香港に、小松の絵画作品「遺跡の門番」が初めて出品され、およそ300万円で落札されました。
2015年には、英国チェルシーフラワーショーで何度も金賞をとっている世界的庭園デザイナーの石原和幸(以下、石原)からのオファーで、コラボレーションをすることになります。
石原とのコラボレーション作品は金賞を受賞し、小松はの狛犬は、イギリスとの大英博物館に展示されることになりました。
老舗オークションハウスでの高額落札実績や、大英博物館への所蔵が決まったことで、小松はさらに世界から注目を集めるようになっていき、現在も世界を股にかけて活躍しています。
大英博物館の狛犬など小松美羽の代表作品
「狛犬」
小松が製作した佐賀県の有田焼に絵付けした独創的な狛犬(こまいぬ)は、チェルシーフラワーショーで庭園デザイナー石原和幸氏が手がけた日本庭園作品「江戸の庭」に守り神として飾られ、作品は見事ゴールドメダル賞を受賞しました。そしてなんと、その狛犬がアートキュレーターの目に留まり、その5ヶ月後にはイギリスの大英博物館に所蔵されることになりました。
30代のアーティストの作品が所蔵されるのは異例の快挙ということで、世界各国のメディアから取材されました。
「四十九日」
美大に入って1年目に亡くなってしまった祖父の体から抜け出て自由になった魂を見たという小松は、この体験をきっかけとして、四十九日をテーマにした銅版画作品を手掛けます。
この作品が注目されたことで、小松は美大卒業後にプロのアーティストとして歩むことになりました。
「新・風土記」
2014年に出雲大社に奉納された「新・風土記」は、小松が出雲に1ヶ月ほど滞在して魂を込めて制作された作品です。
これまでもずっと自身の絵の題材にしてきた死生観について、闇の世界にも彩りがあることに気づき、この作品をきっかけとして、白黒が主流だったそれまでのスタイルから、大胆な色使いの作品を製作するようになりました。
24時間テレビのチャリティーオークションへの参加
小松は2020年の日本テレビ系「24時間テレビ」に参加し、番組のチャリティーTシャツをデザインした他、ライブペインティングで制作した作品をオークションに出品し、2054万円で落札されました。
狛犬、鳩、亀、鳥が描かれた作品は、幅4m超の巨大なキャンバスに描かれ、落札収益は小松から24時間テレビに寄付されました。
小松美羽の作品が鑑賞できる展覧会
意欲的に制作活動を続ける小松の作品を観ることが出来る展覧会は、日本では頻繁に開催されているようです。
直近では、長野県のながの東急百貨店で小松美羽新作展や、ライブペインティングとアーティストトークのライブ配信の展覧会 “Earthshot” Whole Earth 2021 @Tokyoが開催されました。
また、2021年4月には、日蓮宗総本山 身延山久遠寺 本堂前での奉納ライブペインティングも行われ、YouTubeライブでの配信もされました。
小松の作品は、日本古来の神々や神獣をテーマに描かれているためこうした場所でのイベントに参加することも多いようです。
独特な結婚観を持つ小松美羽
容姿端麗で『美しすぎる銅版画アーティスト』と言われ注目を集めてきた小松美羽。
2021年現在では、まだ結婚していないそうですが、過去のインタビューや出演番組などで明かした小松の一風変わった結婚観が話題になりました。
結婚願望がなく、家族も諦めているだろうということのほか、恋愛に自分のペースを乱されてしまうことに疲れてしまった過去などについて語っていました。
年間200枚描いてますから、ほとんど家にこもって描いてます。
それも30歳頃から思っていることなんですけど、もし私に恋愛が必要なら、神様がそのタイミングでくださるのかなって(笑)。
でも今世で必要ないのなら、私はそれでいい。愛犬の月もいますし。すべては天に任せます(笑)
KEITA HAGINIWA https://keitahaginiwa.com/3808/detail
まとめ
日本国内外で作品製作や展示、ライブペインティングなどのイベントなどと活躍し続けている小松は、『日本人の良いところは、様々な宗教観、文化を織り交ぜて、新しい良いものを作っていける力のあることだ』と語っています。
和の共生力=『大和力』を、作品を通じて世界に向けて発信し続け、現在では日本を代表する現代アーティストの代表者といえる存在になりました。
今後も世界から注目される日本の現代アーティスト、小松美羽の活躍から目が離せません!
参考
Miwa Komatsu公式ウェブサイト:https://miwa-komatsu.jp/
Artsy:https://www.artsy.net/artist/miwa-komatsu/auction-results
Mutual Art:https://www.mutualart.com/Artist/Miwa-Komatsu/6D3D82DE3CDE5010/AuctionResults
artnet:http://www4.artnet.com/auction-houses/sbi-art-auction/artist-miwa-komatsu/
日テレ「小松美羽「24時間テレビ」幅4m超、大作が完成!落札価格は2054万円」https://www.ntv.co.jp/24h/articles/60rv4yhss2xqw1cuc8.html
ライブペインティングなども行なっているためか、サイズの大きい作品も多くあり、それらの落札価格も高い傾向にあります。シルクスクリーンの作品は、アクリルなどの他の作品と比べると落札価格が低くなっています。割と最近に製作された作品もすでにセカンダリー・マーケットに出回っており、高値で取引がされています。