【レフィック・アナドル】AIを活用した代表作品、ブルガリやヴィトンとのコラボやNFTなど

Refik Anadol
アーティスト紹介
Refik Anadol

DATA

ニックネーム
アートとテクノロジーの境界を押し広げるパイオニア
作者について
レフィック・アナドルは、AI(人工知能)の機械学習アルゴリズムを活用して表現するニューメディア・アーティスト、またデザイナーです。大規模なインスタレーションやパブリックアートなどで知られるほか、ルイ・ヴィトンやブルガリなど大手ファッションブランドなどとのコラボレーションでも注目を集めました。NFTの作品もローンチしており、テクノロジーとアートを融合させて業界を牽引しています。

現在の値段

数千万円〜

2021年「Machine Hallucination: Synthetic Mars Terrain – E (NFT AI Data Sculpture)」彫刻作品+NFTトークン 約19,396,256円(サザビーズ)120 cm x 120 cm by 30 cm
2022年「Living Architecture: Casa Batlló」彫刻作品 約206,784,720円(クリスティーズ)

レフィック・アナドルの作品は、インスタレーションやAIによるインタラクティブな作品などが多くありますが、大手アートオークションにて近年取引されている作品は、彫刻などで、数千万円〜億単位の価格で落札されています。

レフィック・アナドルの経歴

レフィック・アナドル(Refik Anadol:レフィック・アナドールと表記されることもある)
引用:https://blockworks.co/news/qa-artist-refik-anadol-on-ai-based-nfts-for-instagram

レフィック・アナドル(Refik Anadol:レフィック・アナドールと表記されることもある)は、AI(人工知能)の可能性を追求し、機械学習アルゴリズムを用いて膨大なデータセットをもとに、感覚的な美的体験へと変換するニューメディア・アーティスト、またデザイナーです。

トルコ系アメリカ人であるアナドルは、トルコのイスタンブールで生まれ育ちました。イスタンブールにあるビルギ大学で写真と映像の学士号と美術の修士号を取得しています。

その後と渡米して、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のデザイン・メディア・アーツ・プログラムに在籍し、美術修士号を取得しました。

アナドルは、サンフランシスコの「Virtual Depictions」プロジェクト(2015年)や、サウスボストンの「Wind of Boston」データペインティング(2017年)など、デジタルデータを使用した常設パブリックアートのコミッション制作などからアーティストとしてのキャリアをスタートさせました。

2021年には、母校であるUCLAのデザイン・メディア・アーツ・スクールの教授を務めています。

同年、アナドルはイタリアの高級ブランドであるブルガリとコラボレーションして、コレクションの背景にあるユニークな創造性やイメージを伝えるためのインスタレーションを制作しました。アナドルの作品は、ミラノのドゥオーモ広場にて10月四にちから31日まで一般公開されました。

レフィック・アナドルとブルガリのコラボレーション
引用:https://design.fanpage.it/bvlgari-trasforma-piazza-del-duomo-a-milano-in-uninstallazione-immersiva-unica-al-mondo/

これは、高級ブランドによって初めてのAI(人工知能)を活用したアートワークを採用したケースとして話題になりました。

日本国内では、2021年に原宿のjingで行われたルイ・ヴィトンが160年以上にわたり、クリエイターと共に作り上げてきたコラボレーション作品を一挙公開した展覧会「LOUIS VUITTON &」にて、レフィック・アナドルによる若き日のルイ・ヴィトンをイメージしたポートレイトが、アレックス・カッツ、厳培明の二人のアーティストの作品とともに展示されました。

展覧会「LOUIS VUITTON &」で展示された、ポートレート作品 レフィック・アナドル
引用:https://casabrutus.com/categories/design/180880

現在はカリフォルニア州ロサンゼルスに在住しており、Refik Anadol StudioとRAS LABを拠点に活動しています。RAS LABは、『データ・ナラティブと人工知能の新しい方法』の研究と育成に専念した機関です。

またアナドルは、NFTの作品も発表しています。

例えば、「Machine Hallucination」シリーズは、アナドルのスタジオとNASA JPLとのコラボレーションや、宇宙探査の写真史に関する長期的な研究からインスピレーションを得た作品で、サザビーズの香港のオークションにて、同シリーズのビデオ作品8点の知的財産権が500万米ドル(約7億4,930万円)で落札されました。このオークションは、一人のアーティストが落札したNFTコレクションとしてはアジアで最も高額な新記録となったようです。

アナドルの作品は、『データ・スカルプチャー』『データ・ペインティング』と呼ばれる大規模で迫力があり、没入感のあるビジュアル・シミュレーションで世界的に注目を集めており、アートとテクノロジーの境界を押し広げ続けています。

レフィック・アナドルのインスタグラムはこちら↓

レフィック・アナドルの代表作品

「Interconnected」2018年

Interconnectedレフィック・アナドル 
引用:https://www.cltairport.com/airport-info/airport-art/art-installations-terminal/interconnected/

2018年のパブリック・アート・インスタレーション作品「Interconnected」は、ノースカロライナ州のシャーロット・ダグラス国際空港に設置されました。

2,147平方フィート(199.4平方メートル)のアニメーション・アート・スクリーンである本作品は、3つの高解像度LEDメディア・ウォールと、空港のコンコースAの建物に埋め込まれたプログラムできるLED画面に同期して表示されます。

「Quantum Memories」2020年

Quantum Memories レフィック・アナドル
引用:https://www.designboom.com/art/refik-anadol-quantum-memories-ngv-triennial-melbourne-australia-01-10-2021/

オーストラリアのメルボルンで2020年に開催されたNGVトリエンナーレで展示された「Quantum Memories」は、2億枚の自然や風景の画像など、現実世界のさまざまなデータセットを処理して、変換するように機械を訓練して(人工知能で処理して)作られた作品です。

「Quantum Memories」は、観客の動きをリアルタイムで追跡して、その動きに対してインタラクティブな美的体験を鑑賞者に提供します。

35フィート × 35フィート(10.668メートル平方)の本作品は、アナドルのこれまでの展示作品の中でも特に大規模なものでした。

まとめ

レフィック・アナドルは、AI(人工知能)を活用して、最新のテクノロジーとアートを融合させて表現するアーティスト、デザイナーとして新しい世代を牽引する存在として注目されています。

データ・ナラティブと人工知能の新しい方法の研究と育成に専念しているアナドルから、これからも目が離せません。

参考

Wikipedia Refik Anadol https://en.wikipedia.org/wiki/Refik_Anadol

Artsy https://www.artsy.net/artist/refik-anadol/auction-results

画像引用元:https://www.ted.com/talks/refik_anadol_art_in_the_age_of_machine_intelligence https://www.parametricism.com/refik-anadol

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。