【宮永愛子】プロフィールや作品の例、エルメスと開催した茶会など

Miyanaga Aiko
アーティスト紹介
宮永愛子

DATA

ニックネーム
変わりながらも存在し続ける世界の表現者
作者について
ナフタリンや樹脂などでかたどったオブジェや、塩や葉脈、陶器の貫入音などを使った特徴的なスタイルで『変わりながらも存在し続ける世界』をインスタレーション作品として表現する現代アーティストです。

現在の値段

約20万円

2019年「book - key」¥240,000(SBI Art Auction)23 x 15.9 x 4.8 cm

宮永愛子の作品は、インスタレーションが中心であるため、主要なアートオークションでの取引の履歴はあまりないようです。2019年にSBIアートオークションに出品された際には、¥240,000で落札されています。

宮永愛子のプロフィール

宮永愛子
引用:https://niizawa-sake.jp/blog/10

宮永 愛子(みやなが あいこ)は、1974年生まれの京都府京都市出身の現代アーティストです。

1999年に京都造形芸術大学の美術学部彫刻コースを卒業、2008年に東京藝術大学大学院の美術学部先端芸術表現専攻を修了しています。

2006年には文化庁による新進芸術家海外留学制度を利用して、イギリス(スコットランド)のエディンバラに1年間留学しました。

2009年には、京都府文化賞・奨励賞を、2011年には第22回五島記念文化賞・美術新人賞を受賞し、これを機に同年より、アメリカに拠点を移し活動するようになりました。

宮永の作品は、日用品を炭素と水素からなる芳香族炭化水素の一種であるナフタリンや樹脂などでかたどったオブジェから、塩や葉脈、陶器の貫入音などを使ったインスタレーションまで、多岐に渡る独自の表現で『変わりながらも存在し続ける世界』を表現している作品が特徴的です。

宮永の作品は、山口県立萩美術館・浦上記念館、石川県の金沢21世紀美術館、大阪の国立国際美術館、香川県の高松市美術館にパブリックコレクションとして展示されています。

また、LEDを用いたインスタレーションなどの作品で知られるアーティスト宮島達男氏の推薦により、世界的なジュエリーブランドであるブルガリのアウローラアワードを受賞しています。「ブルガリ アウローラ アワード」は、創造性と知性、才能にあふれた、今もっとも輝く女性たちとその活動を称賛・支援するアワードです。

その他、2022年12月21日(水)から2023年5月28日(日)まで東京都現代美術館にて開催された「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」にも宮永の作品が展示されるなど、世界的なブランドからもコラボレーションや作品出展の依頼が続く、国際的に認知された現代アーティストであることがわかります。

宮永愛子の作品

「岸に上がった花火」2007年

「岸にあがった花火」 宮永愛子
引用:https://mizuma-art.co.jp/artists/miyanaga-aiko/

東京のすみだリバーサイドホール・ギャラリーで行われた「岸にあがった花火 ー宮永愛子展」で展示された作品です。

会場の近くにある吾妻橋のたもとから汲み上げた隅田川の水を煮詰めて塩を取り出し、それを糸につけたものをアーチ状に張り巡らした作品で、塩の結晶がライトの反射などでキラキラと輝いて見えます。

作品の説明文にて、宮永は『川底で眠っている花火を誘ってみました』と表現していることから、歴史的に有名な行事である隅田川の花火が、打ち上げられて夜空に光を放ち、次の瞬間には消えてしまうその瞬間的な美しさに伴う余韻を、光を反射する川に見えるような塩の糸から感じることができます。

「夜に降る景色 ー 時計 ー 」2010年

「夜に降る景色 ー 時計 ー 」宮永愛子
引用:https://asianw-art.com/miyanaga-aiko/

2010年の作品「夜に降る景色 ー 時計 ー 」は、日常的に使うものの一つである時計を、ナフタリンで作りガラスケースの中に入れることで、時計というオブジェクトに新たなストーリーを与えているかのように見えます。

ナフタリン製の作品は、箱の中で少しずつ昇華しながら、次第に周りに雪の結晶のようなものが現れてきます。

日用品を普段と違う見方で見ることができ、時の経過を目で見て感じることができるインスタレーション作品です。

宮永は、他にも「夜に降る景色」シリーズとして、ナフタリンで形作られたハイヒールの「夜に降る景色 ー靴ー」なども製作しています。

「結」2010年

「結」宮永愛子
引用:https://www.art-it.asia/u/admin_expht/ifa9jpszw1qdghycfxrm/

2010年の作品「結」は、堀川から採取した塩やナフタリン、糸などを使ったインスタレーションです。

会場に入ってすぐに目に入るのは、古い集合郵便受けで、その中にはナフタリンでできた鍵が入っています。その先には靴を脱いで入ることができる部屋があり、その中には古い小舟が設置されています。

小舟の中には、ナフタリンできた靴が入っており、小舟の周囲に見える糸は、塩でできています。

作られた素材の特性上、展覧会が開始してから、少しずつ作品が欠け始め、最終的には消えていくというコンセプトにも、形を変えながら存在し続ける世界を見ることができます。

「ひかりのことづけ」2021年

宮永愛子「ひかりのことづけ」
引用:https://ure.pia.co.jp/articles/-/1111896

「ひかりのことづけ」は、2020年・2021年の東京ビエンナーレにて、江戸幕府の官学所である東京の湯島聖堂の前庭に展示された作品です。

湯島聖堂は、図書館の発祥の地と言われており、その大らかな回廊に、宮永は光の陰陽を感じ取り、ガラスを使って光の魅力を表現しています。緑の中にある静かな空間とガラスが作り出す光そのものがインスタレーション作品となっています。

宮永愛子 x エルメスの茶会「Voyage」

銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「インターフェアレンス」展の出品作品のひとつとして、『オンラインで宇宙を感じる茶会』である宮永愛子の作品「Voyage」が2023年3〜5月に開催され話題になりました。

宮永が席主として開催されるこの茶会には、国内では最も古い現役の天体望遠鏡がある京都大学大学院理学研究科附属天文台 花山天文台の協力のもと、オンラインで各回50席限定で参加できるようになっていました。

まとめ

『変わりながらも存在し続ける世界』を表現したインスタレーション作品で知られる宮永愛子は、さまざまな世界的なブランドともコラボレーションをしており、国際的にも広く評価されている現代アーティストです。

ナフタリン製の作品が作りだす美しくも儚い世界観と、それぞれの作品の背景にあるメッセージを独自のスタイルで表現した印象的な作品は、数多くの展示会やアートフェアで展示されてきました。

参考

Wikipedia 宮永愛子

画像引用元:https://www.artsy.net/auction-result/4282225

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。