Mr.Doodleの経歴
Mr.Doodle(ミスター・ドゥードゥル)として知られるSam Cox(サム・コックス)は、1994年にイギリスのケント州で生まれました。9歳の頃にスケッチブックに落書きをしたことがきっかけで、急速に落書きブームが到来し、あらゆる物に落書きを始めました。初めて両親の寝室を「落書き」をしたときには、ひどく怒られたと語っています。
そして、アーティストとしてのキャリアは、学生時代から始まりました。
ドゥードゥルに魅了された友人らはTシャツに彼(サム)のオリジナルキャラクターを描いて欲しいと頼んだ。そして、すぐ街のあちこちの壁画プロジェクトに招待されることになり、彼のキャラクターはあちらこちらに姿を現し始める。
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そして、Mr.Doodleはブリストルにある西イングランド大学のイラストレーションプログラムに進学しました。野心的だがどこか地味な学生だったと語っています。
教授から「グラフィティ・スパゲッティ」と命名され、今でも彼の作品はその愛称で呼ばれています。彼の絵は、すべてのものに絡みつき、「Mr.Doodleのバグ」に完全に飲み込まれてしまった作品を生み出すからです。彼の作品は一筆書きの作品も多いのでこのニックネームに納得です。作品はキャンバスだけでなく、家具、書籍、地下鉄、衣類などにも展開されています。
2016年にロンドンのHoxton Galleryで開催された初の商業的な個展「Attention Seeker」で、アーティストとしての方向性を確立しました。この個展では壁、柱の上下、フローリング、お皿と花を備えたダイニングセットの上に、絵を施し作品を作りあげました。
Mr.Doodleがライブパフォーマンスを行う時に、彼自身の絵が描かれた服を着ています。個人的には通常の服よりも自分らしさを感じるそうです。
サムスンやサンリオ、PUMAやFENDIなどの世界的ブランドともコラボし、世界が注目するアーティストです。
Mr.Doodleの有名な作品
「Doodle Marathon」2017年
Mr. Doodleは、2017年にロンドンにてチャリティ目的で50時間ドゥードゥルを描き続けるというイベントを行いました。
睡眠なしで描き続けるという挑戦は、Mr. Doodleの驚異的な集中力と創造力を証明するものとなりました。
「Doodle Room」2018年
上海のMOCA(現代美術館)で開催された個展で、Mr. Doodleは部屋全体を彼のドゥードルで埋め尽くしました。この作品は、彼のアートが空間全体を変容させる力を示しました。
「The Doodle House」2019年
Mr. Doodleは自身の家全体をキャンバスに変え、内部と外部のすべての表面を彼の特徴的なドゥードルで覆いました。このプロジェクトは、彼の独自のスタイルを家全体に広げる大胆な試みでした。
「Doodle Car」2022年
Mr. Doodleは、自身の愛車のテスラをドゥードルで覆った作品を発表しました。
自宅も車も、日常にある周りのものなんでも自身のドゥードルでアート作品にしてしまうところもMr. Doodleの面白さ、スタイルの特徴であると言えるでしょう。
Mr.Doodleの使っているペンは?
特徴的なペン使いのMr.Doodleはどんなペンを使っているのでしょうか?インタビューでは、書きよのうに答えています。
私はプロジェクトごとにペンを使い分けていますが、その傾向は様々です。私は、太いマーカーやスプレーを使った大きな作業が好きです。
I use different pens for different projects and it does tend to vary. I love working big with thick markers or spray paint.
引用:https://dope.gallery/news//an-exclusive-email-interview-witth-mr-doodle
では、実際に使用しているペンについて解説していきたいと思います。
イタリアの塗料メーカー GROG(グロッグ)
世界的なシェアをもつイタリアのインク/マーカーブランド「GROG(グロッグ)」のドリップマーカー。海外ではかなりメジャーなブランドです。2018年には、Off-White™ (オフホワイト) ともコラボコレクションを発売しています。
AIR‐INK(エアインク)
AIR‐INK(エアインク)は大気汚染微粒子から作られています。自動車、煙突、発電機などの排気管から出てくる未燃焼のカーボン煤を利用しています。
大気汚染の深刻なインドに一時帰国したマサチューセッツ工科大学院生Anirudh Sharmaが「どうすれば大気汚染物質のような醜いものを、便利なものに変えられるか」考え作られたものだそうです。
Mr.Doodle作画のムービーや写真を見ていると、ペンのパッケージは剥がされているものが多かった中で、AIR‐INKのパッケージは剥がさず、使用していました。影響力のあるアーティストが自然環境を考えたペンを使用することで、ファンや他のアーティストへのメッセージにもなる思います。
POSCA(ポスカ)
三菱鉛筆「POSCA」は不透明インクで、黒や濃色の上でも鮮やかに発色、重ね書きも可能なペンです。こちらは小学校の時に私も使った馴染み深いペンです。
Mr. Doodleの作品の値段
Mr. Doodleの作品は、近年その人気の高まりとともに、オークションやギャラリーで高額な値段で取引されることが増えています。作品の値段はサイズや複雑さ、メディアによって異なりますが、数千ドルから数万ドルに達することもあります。
例えば、彼の大規模な壁画や特別なコラボレーション作品は特に高値がつくことが多いようです。Mr. Doodleのアートワークは一部のオンラインプラットフォームやギャラリーで購入可能で、人気のある作品はすぐに売り切れてしまうこともあります。
Artsyによると、直近36ヶ月の平均落札価格は、$44,000(約7,070,514円)となっており、サザビーズやクリスティーズなどの主要アートオークションサイトで頻繁に取引されています。
Mr. Doodleの病気について
Mr. Doodleは自身のメンタルヘルスについても公に語っています。彼はADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱えており、その症状が彼の創造的なエネルギーや独自のアートスタイルに影響を与えているとも語っています。
ADHDは彼の作品制作において、集中力とエネルギーを維持するための一つの原動力となっているようです。彼のストーリーは、多くの人々にインスピレーションを与え、彼のアートに対する理解を深める要素となっています。
また、2020年のコロナウイルスによるパンデミックが発生した際に5ヶ月ほど自身のソーシャルメディアを更新しなかったMr.Doodleは、のちに実はその年の約半分の期間の活動を休止していた際、精神科病棟に入院していたことを明かしています。
Mr.Doodleは入院していた期間、神と話していると思ったり、ドナルド・トランプの壁に落書きをするために雇われたり、ビデオゲームのキャラクター、『クラッシュ・バンディクー』になったと信じたりするなどの様々な幻覚や妄想の波を経験したそうです。
これらは仕事の管理面で限界に達した慢性的なストレスが原因だったと語っています。
Mr.Doodleとのコラボブランド
PUMA
これまでもアーティストのロメロ・ブリット(Romero Britto)やスカルの絵が有名なブラッドリー・セオドア(Bradley Theodore)などとコラボを果たしているPUMAですが、2021年4月8日にMr.Doodleとのコラボレーションコレクションを販売しています。
実は今までのMr.Doodleとのコラボが大好評で今回のコラボレーションは第3弾となりました。靴だけでなく、ウェアやキャップ、バックまで様々なラインナップの取り揃えがあります。
スニーカー:12100円(税込)
バッグ:4400円(税込)
Tシャツ:7700円(税込)
FENDI
2020年11月4日から2021年1月5日の期間限定でFENDIとのコラボ商品も販売されていました。Mr.Doodleが描いた「FENDI」のロゴがポップで可愛らしいですね。
このコラボレーションコレクションでは、Tシャツやバッグだけでなくスーツもラインナップがあります。フォーマルの中にもMr.Doodleの可愛らしいロゴが入ることできっちりしすぎずさりげなくおしゃれにみせることができそうですね。
ジャケット:248000円(税別)
Mr.Doodle手軽に購入できるグッズは?
有名ブランドとのコラボも良いけれど、もっと手軽に作品を手にしたいと思う方がいるはずです。なんと、VILLAGE/VANGUARDの公式オンラインストアでゴートマグタンブラーを購入することができます。
価格は6380円でこちらのサイトで購入可能です。大人気の商品で残りあと3つ(2021年9月時点)となっています。
Instagramのフォロワー270万人超え!世界中から愛されるMr.Doodle
Mr.Doodlのインスタグラムアカウントは270万人を超えています。(2021年8月30日現在)
インスタグラグラムの投稿では、最新作の写真や制作過程の動画が投稿されており、ファンにはたまらない内容になっています。
instagram : https://www.instagram.com/mrdoodle/?hl=ja
まとめ
Mr.Doodleの夢は、「落書きで世界制覇すること」だそうです。そのために積極的に海外に行き、ライブパフォーマンスを行なっています。
2019年Mr.Doodleが日本へ来日しました。友人のインスタグラムストーリーで彼のライブパフォーマンスを見て、「え!来日してるの?!」と驚き、東京に駆けつけようとしましたが、時すでに遅く私の友人がアップした回が、日本で最後のパフォーマンスでした。
私がNYに住んでいた時には、美術館でのライブパフォーマンスがあると聞いて行ってみるとすごい人数のため規制され、美術館に入場することもできませんでした。
2回も機会を逃しているので、Mr.Doodleのライブパフォーマンスを生で見るぞ!というのが私の夢の1つです。
YouTubeで観れるのですが、下書きなしで本当にスラスラ落書きをしていくので観ていてとても気持ち良いんです!
核放棄や反アパルトヘイト、エイズ予防、LGBTの認知など社会的な問題にも取り組んだアーティストとして知られているキース・ヘリングと比較されることも多いと思いますが、Mr.Doodleのメッセージ性はとにかく明るく、作品をみる人が楽しい気持ちになって欲しい!ということです。ポップで可愛い画風には見る人をハッピーにさせてくれます。
参考
Meke it design「Meet Mr Doodle, the Artist Covering the World in ‘Graffiti Spaghetti’!」https://makeitindesign.com/meet-mr-doodle-designer-interview
askArt「Mr.Doodle」https://www.askart.com/artist/Mr_Doodle/11342628/Mr_Doodle.aspx
盛り上がる話題ドットコム「Mr Doodle(ミスタードゥードゥル)とは何者?経歴・グッズ・来日予定についても」https://www.movie-gimmedanger.com/mr-doodle-profile/