【劉建華(リュウ・ジェンホァ)】経歴や代表作品、個展「中空を注ぐ」の開催情報など

Liu Jianhua
アーティスト紹介
liu jianhua

DATA

ニックネーム
磁器を媒体とする現代アーティスト
作者について
劉建華(リュウ・ジェンホァ)は、一般的に日用品として用いられてきた磁器の用途や形状を現代アートの文脈のなかで解釈し直し、現代の中国への問題提起などのようなメッセージを、彫刻やインスタレーション作品を通して発信し続ける中国の現代アーティストです。

現在の値段

約5,684,080円(直近36ヶ月の平均落札価格)

2019年「Games」約7,993,237円(フィリップス)直径113.7 cm
2021年「Colour Ceramic Series - Obsessive Memories」約2,300,062円(サザビーズ)38.5 x 37 x 32 cm

劉建華の磁器の彫刻作品は、香港やヨーロッパなどの主要なオークションハウスで取引されています。特にカラーセラミックシリーズの作品は、数百万円で頻繁に取引されています。

劉建華の経歴

磁器を現代美術の素材として用いた先駆的な存在として知られる劉建華(リュウ・ジェンホァ:Liu Jianhua)は、1962年に中国江西省集安に生まれ、上海を拠点として活動する彫刻・インスタレーションアーティストです。

江西省で生まれ育った劉は、古くから陶磁器の生産地として有名で、国家歴史文化名城に指定されている江西省東北部に位置する景徳鎮の主要な陶磁器工場にて、職人として働きながら14年間技術を学びました。

その経験を活かし、1989年から景徳鎮陶瓷専門学校で美術・彫刻を学びながら、磁器を現代美術の素材として用いるようになったといいます。卒業後は、雲南芸術学院美術学院、また2004年からは上海大学美術学院彫刻科で教鞭をとりました。

劉は、磁器の用途や形を解体し、日用品としてだけでなく美術品として解釈し、磁器や拾得物などの素材を用いて、グローバル化の中での中国における経済、社会の変化など関連する問題をテーマにした彫刻やインスタレーション作品を制作しています。

劉の作品は、ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館やロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館など、世界各地の美術館に収蔵されています。

劉建華の作品例

「思い出への執着」1999年

カラーセラミック・シリーズの1つである「思い出への執着」は、陶磁器で作られた色鮮やかな彫刻作品です。

首や腕のないチャイナドレスを着た女性の身体が、鮮やかな青いカウチに腰掛けており、隣には男性のネクタイのようなものがかかっています。

顔がない彫刻で表現された女性は、匿名性を保ちつつもそのポーズから性的な対象かのように見え、中国社会における女性の立ち位置に対しての問題提起や皮肉のようにも思えます。

「儚い日常」2001〜2003年

「儚い日常」は、十和田市現代美術館にて開催中の個展「中空を注ぐ」で展示されています。

磁器で制作された枕が暗い空間の中に浮かんでおり、その上に骸骨の頭部が置かれている本作品は、人の脆弱さや死などを彷彿とさせます。

「水中倒影」 2002〜2003年

十和田市現代美術館にて開催中の個展「中空を注ぐ」で展示されている作品「水中倒影」 は、「実と虚」をキーワードとした作品の一つです。

モチーフとなっている高層ビルは、急速な経済発展を遂げた中国の都市の様子を表現したもので、建物はよく見ると歪んでおり、今にも崩れそうに見えます。

表向きは華やかな経済発展を世界にアピールする中国の都市と、その実際の内情とのギャップを表現しているようです。

「枕」2009年

この作品は、柔らかい素材でできたふわふわの枕のように見えるものの、実際には磁器で作られているためもちろん硬く、視覚的な錯覚を受けます。

家庭的なオブジェクトである枕をモチーフにしながらも、屋外の彫刻として展示することで、ステレオタイプを打ち破って物事を見ることの大切さを示唆しているように感じられます。

写真は、バンクーバーで開催されたヴィエンナーレでのインスタレーションの様子です。

劉建華の展覧会「中空を注ぐ」

青森県にある十和田市現代美術館にて、2023年6月24日(土)から11月19日(日)まで、劉建華の日本初となる個展「中空を注ぐ」が開催中です。

本展覧会では、中国の現代アーティストである劉建華による、中国の伝統的な思想や文化から、現代の中国の都市化問題への考察、また人間の内面世界の探求などをテーマとして表現された作品が鑑賞できます。

劉の作品の中心となっている磁器の作品を軸に紹介している本展では、2022年に上海で発表された作品「塔器」も日本初公開されています。「塔器」は、仏教文化に見られるモチーフと器の関係からインスピレーションを得て制作された作品です。

企画展「劉建華 中空を注ぐ」
会期:2023年6月24日(土)〜11月19日(日)
会場:十和田市現代美術館
住所:⻘森県十和田市⻄二番町10-9
開館時間:9:00〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
観覧料:一般 1,800円(常設展含む)、高校生以下 無料
※休館日や臨時開館日などの最新情報については、美術館ウェブサイトにて確認のこと

【問い合わせ先】
十和田市現代美術館
TEL:0176-20-1127

https://www.fashion-press.net/news/104821

まとめ

劉建華は、日用品としての磁器の用途やかたちを現代アートに解釈し直し、現代の中国の社会問題などへのメッセージを彫刻やインスタレーションで表現するアーティストとして、世界的に評価されています。

日本初となる企画展「劉建華 中空を注ぐ」は、⻘森県十和田市現代美術館での開催中です。

参考

企画展「劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ」https://towadaartcenter.com/exhibitions/liu-jianhua/

Peace Gallery https://www.pacegallery.com/artists/liu-jianhua/

Artsy 
Liu Jianhua https://www.artsy.net/artist/liu-jianhua-liu-jian-hua/auction-results?hide_upcoming=false&allow_empty_created_dates=true&metric=in

画像引用元:https://www.lamodern.com/auctions/2021/05/20th-century-modern-art-design/212

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。