【李禹煥(リウーファン)】もの派の実践者。作品の値段や生い立ちについて

Lee Ufan
アーティスト紹介

DATA

ニックネーム
感性と論理の追求
作者について
画家、彫刻家、作家、哲学者である李禹煥は、1960年代後半、前衛的な「もの派」の主要な理論的・実践的提案者の一人として活躍しています。「線より」「点より」シリーズが代表作です。

現在の値段

313,039円

「黙 1」143万円(SBIオークション)
「寄港地 4」132万円(SBIオークション)
「IN MILANO 5」42万円(シンワオークション)
「作品」437万円(SBIオークション)

点や線による絵画作品は1億円以上で取引されていますが、版画作品は数十万円台から200万円を超える金額です。油絵作品は流通が少ないので版画のみの金額をご紹介しました。年代が古い作品が価格高騰しやすいです。

経歴

李禹煥(以下、李)は1936年、日本の植民地時代の韓国の農村に生まれました。幼少期は厳しい儒教の教えを受けます。特に中国の古典芸術の筆法の基本である、点と線を描く訓練は、後に李の芸術活動に大きな影響を与えます。

1956年にソウル大学美術大学に入学し、1958年には東京の日本大学理学部哲学科に編集して、卒業しました。

李は1960年代後半、戦後の日本芸術運動「もの派」の理論家、実践者として注目を浴びるようになりました。

もの派とは

「もの派」は1968年頃~70年代中期までにわたって存在したアーティスト10数名の表現傾向に与えられた名称。(中略)共通して認められるのは、自然物、人工物への人為的な関与の少ない即時的、即物的な使用だが、それ以外は個人によって思考やテーマにも比較的大きな隔たりがある。戦後日本の現代美術として、具体美術協会とともに海外からの評価が高い。

美術手帖「もの派」https://bijutsutecho.com/artwiki/101

1970年代初頭からは「線より」「点より」のシリーズを発表し現在の代表作となっています。李は東京のギャラリーや美術館で注目を集め、西ドイツやフランスでも展示を行うようになりました。中でも1971年に開催されたパリ青年ビエンナーレは、もの派をヨーロッパに紹介するきっかけとなり、同年パリにスタジオを構えました。

李は1972年に「点から線へ」シリーズを展開し、モノクロームのパレットを使い、水平または垂直に反復するブラシストロークで、生きている時間の経過を表現しました。日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパ、韓国で高い評価を得ました。

また、芸術的な活動と同時に、評論活動も行っており美術誌への執筆や、自身で本を出版しています。2000年にはユネスコ賞を、2001年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。1990年代にはパリ国立高等美術学校の客員教授を務め、1973年から2007年まで多摩美術大学美術学部教授を務めるなど教育者としても活躍しています。

2010年には、安藤忠雄氏の設計による「李禹煥美術館」が直島のベネッセアートサイトにオープンしました。

ベネッセアートサイト直島 https://benesse-artsite.jp/art/lee-ufan.html

まとめ

李禹煥さんの言葉で印象に残っているものがあります。

「自分の生き方は全て予定が狂うというか、そういう運命に生きてきたと思います。」というもので、彼は初めは音楽家になりたいと思っていて、高校の頃は文学者になりたくて、美術は全然やりたいとは思わなかったけれど、行き着いた先が芸術家だったそうです。

芸術家になり、日本では作品の批判が続き、ヨーロッパで活動をしていたら道が開け2014年にはヴェルサイユ宮殿での半年間の現代アーティストの特別展示に選出されました。

李禹煥さんの作品には良い意味で流れに乗る心地よさが伝わってきます。2020年から新型コロナウイルスで思うように動けなかった自分の人生を見つめ直し、紆余曲折かもしれないけれど今の人生の波に心地よく乗っていこうかな?そうしたら私は私の道が開けるかな?と考えさせられました。

参考

tagboad「李禹煥」https://ec.tagboat.com/eccube_jp/html/products/list.php?author_id=849&tngs_flg=0

獏「李禹煥( リー・ウーファン)の絵画・油絵・版画の買取価格とポイント」https://www.baku-art.co.jp/print-world/leeufan.html

ABOUT ME
しおり岡
編集長/ライター。小学生の頃はエジプト文化、中学生では西洋美術、高校生は日本の歴史にハマり、大学在学中に仏像に恋をして、学芸員を取得。卒業後、大手人材会社で営業を経験。その後、飲食店の広報・デザイナーを経て、アメリカ・NYにて転職。コロナウイルスのため帰国し、現在は日本に滞在中。趣味は「美術館や遺跡を経験するための海外旅行」。今まで40カ国以上を旅行をし、世界の建築や文化、食事、アートに触れる。