【絹谷幸二】経歴や代表作品、天空美術館、オークションの値段などを紹介

Kinutani Koji
アーティスト紹介
絹谷幸二 富士山

DATA

ニックネーム
日本におけるアフレスコ技法の第一人者
作者について
絹谷 幸二は、東京藝術大学を卒業し、イタリア留学でアフレスコという壁画技法を極めた日本画家です。帰国後、歴代最年少で画家の登龍門とも言われる安井賞を受賞したことから注目を集め、現在も日本の洋画家、大学教授、日本芸術院会員として活躍しています。色彩豊かでエネルギーに満ちた独自の画風が特徴です。

現在の値段

約2,292,669円(直近36ヶ月の平均落札価格)

2020「Red Mt. Fuji with Lake」¥2,500,000(毎日オークション)
2021「Noi Amiamo」¥2,100,000(毎日オークション)

絹谷の作品は、毎日オークションなど国内のアートオークションで取引されており、数十万円から数百万円単位で落札される傾向にあります。人気作品「富士山」シリーズなどは特に高値になる可能性が高いようです。
絹谷幸二オークション価格

開催中の展覧会「絹谷幸二展」日動画廊

日動画廊では、絹谷幸二が文化勲章を受章したことを記念し、大個展「100周年記念事業・文化勲章受章記念 富嶽・日本の富士 絹谷幸二展」を2023年1月11日(水)から25日(水)まで(日曜日休廊)開催中です。

本展覧会は、絹谷が多く描いたことで知られる「富士山」をテーマにして行われます。母国の自然や歴史に対する情熱を込めて描かれた富士山の絵の数々からは、留学経験のある絹川独自の、東洋西洋の美意識と芸術の融合が感じられます。「天空富嶽龍虎武勇」「風薫る富嶽薔薇」「黄金爛漫富岳湖上」などの作品が展示されます。

100周年記念事業・文化勲章受章記念 富嶽・日本の富士 絹谷幸二展」

日動画廊本店
住所:東京都中央区銀座5-3-16
電話:03(3571)2553
営業時間:平日10時半〜18時半 土曜11時〜18時 最終日は17時まで 日曜日休廊

https://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2023/01/100.html

絹谷幸二の経歴

日本の洋画家、大学教授、日本芸術院会員である絹谷 幸二(きぬたに こうじ:以下、絹谷)は、1943年1月24日に奈良県奈良市元林院町に生まれました。

絹谷は、小学校1年生の頃から油絵を習い始めており、幼い頃から絵画への関心があったようです。

地元の高校へ進んだ後、東京藝術大学美術学部油絵専攻で芸術を学び、卒業制作で大橋賞を受賞しました。

芸大を卒業した後は、1971年にイタリアに留学し、ヴェネツィアにてフレスコ(アフレスコ)古典画の技法を研究しました。

その後は、メキシコにも留学し、1993年に東京芸術大学教授に就任します。洋画家としてだけでなく、アーティストを志す学生たちの育成に尽力しました。当時絹谷は、NHKの「日曜美術館」などのテレビ出演により、古典洋画の世界を日本にも広めていました。

2000年には、日本芸術院会員となり、2008年には毎日新聞社主催により、35歳以下の若手の芸術家たちを顕彰する「絹谷幸二賞」を創設しました。

また、大阪梅田スカイビルには積水ハウスにより「絹谷幸二天空美術館」が2016年開館されました。

2010年には東京芸術大学名誉教授となり、2019年と2021年に紺綬褒章(こんじゅほうしょう)飾版、木杯一組を受賞、2021年には文化勲章も受け取った絹谷は、現在でも日本画壇の第一線で活躍しています。

絹谷幸二の代表作品

「アンセルモ氏の肖像」1973年

イタリア・ヴェネツイアでの留学時に描いた「アンセルモ氏の肖像」は、絹谷が『画家の登竜門』とも言われる安い賞を受賞した作品です。当時、最年少記録で受賞したこともあり、絹谷は日本の美術界でも注目を集めました。

留学先で学んだアフレスコ技法を用いた色鮮やかな、エネルギーを感じる独自の画風が反映された作品です。

描かれているアンセルモ氏の頭部は、さまざまな色の帯で構成されており、従来の『肖像画』のイメージとはかけ離れた斬新な表現が見られます。

東京国立近代美術館に収蔵されています。

「ダリア・ガナッシィーニの肖像」1975年

新潟市美術館に収蔵される「ダリア・ガナッシィーニの肖像」も、イタリア留学で学んだアフレスコ技法が取り入れられた作品です。

作品の中心となっている女性ダリア・ガナッシィーニと、その周りを取り囲むかじられたようなリンゴの芯と皮が描かれています。絵を描いたキャンバスなどが見られることから画家の部屋にいるように見え、さらに窓の外にはイタリアの風景が描かれており、不思議なエネルギーを感じます。

「アンジェラと蒼い空II」1976年

1976年に描かれた「アンジェラと蒼い空II」は、美しいタッチの中に戦争の残酷さとの対比を表現しています。

美しい晴天のイタリアをバックに、中央に描かれたアンジェラは涙を流し、身体の半分がまるで『広島の原爆ドームの鉄骨』かのように描かれており、背後には戦闘機が飛んでいます。

「銀嶺の女神」1997年

長野冬季オリンピックの公式ポスターとなった「銀嶺の女神」は1997年に描かれました。

絹谷は、この依頼を受け、槍ヶ岳をバックに銀嶺の女神を描いたと言います。女神の背後は快晴で青い空が広がっており、その明るい表情が映えています。

女神の髪をよく見てみると、冬季オリンピックの競技種目のスキーやカーリングなどの選手が描かれているのが遊び心を感じる作品です。

絹谷幸二 天空美術館

絹谷の作品が展示されている美術館は日本国内にいくつかありますが、2016年に積水ハウスによって開館された「絹谷幸二 天空美術館」は必見です。

大阪、梅田の梅田スカイビルの27階という眺めの良い場所にできた最新型のミュージアムで、アフレスコ(壁画の古典技法)とミクストメディア(混合技法)による絵画・彫刻から、絵の中に飛び込むような3D映像体験、ワークショップやアトリエスペース、そしてカフェなどが含まれています。

絹谷幸二 天空美術館 

住所:〒531-0076 大阪市北区大淀中1-1-30 梅田スカイビル タワーウエスト27階
Tel:06-6440-3760(開館時間内)
開館時間:10〜18時、10〜20時(金・土・祝前日)※入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日、年末年始、展示替え期間※火曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館
入館料:一般1000円、大学・高校・中学生600円、小学生以下無料(空中庭園展望台セット券2000円)

天空カフェ

絹谷幸二 天空美術館に併設されている「天空カフェ」は、スカイビルの27階という眺望抜群のロケーションにあることから、その景観とアートを合わせて楽しむことができるカフェとなっています。

絹谷幸二 天空美術館のイメージカラーである赤、青、黄色を基調とした内装で、絹川のゆかりのあるイタリア生の椅子やクッション、和のデザインのテーブルなどから「和 × イタリア」の空間が広がっています。

1人でもゆっくり過ごせるカウンター席とテーブル席があり、美術館での観賞後や梅田での買い物後などに気軽に立ち寄ることができます。

また、天空カフェの壁面は16色のグラスと、色鮮やかな絹谷の版画作品で彩られています。

キッズ絵画コンクール

絹谷幸ニ天空美術館では、「キッズ絵画 コンクール」を開催しています。現在、第二回の開催にあたり、2023年1月30日(月)まで応募を受け付けているようです。

本コンクールは、日本全国の子どもたちに、アート創作の楽しみを体感してもらうことを目指したもので、昨年は3000点を超える応募があったそうです。

絹谷本人が審査委員長として、子どもたちの応募作品を評価します。受賞・入選作品は、2023年3月18日(土)~5月31日(水)の期間、絹谷幸二 天空美術館内で展示されるそうです。

コンクール情報や応募の詳細はこちらからご確認ください。

まとめ

絹谷幸二は、日本を代表する洋画家の一人です。イタリア留学で学んだアフレスコ技法を中心に様々な技法を用いて、色彩豊かでエネルギーに溢れる作品が評価され、2021年には文化勲章も受賞しました。

絹谷の作品を鑑賞したい方は、大阪・梅田の絹谷幸二天空美術館にぜひ行ってみてください。

参考

Wikipedia「絹谷幸二」

絹谷幸二天空美術館 https://www.kinutani-tenku.jp/

Artsy Koji Kinutani Auction results https://www.artsy.net/artist/koji-kinutani/auction-results?hide_upcoming=false&metric=in

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。