経歴
ジュリアン・オピーは、イギリス・オックスフォードに1958年生まれました。
1979年から1983年までゴールドスミス美術学校で学びました。コンセプチュアルアーティストのマイケルクレイグマーティンの指導の下、彫刻や金属のアートを専攻しました。
その後、1980年代に、急成長する英国の主要なアーティストとして地位を急速に確立しました。ジュリアン・オピーは人間の視覚的および空間的環境興味を持つようになりました。古代エジプト絵画やヒエログリフ(エジプト文字)や、日本の浮世絵や漫画からインスピレーションを得ています。歌川広重や歌麿などの浮世絵の収集家でもあります。
彼の初期の作品は、家庭用電化製品、建築構造、抽象的な幾何学的形状の鋼の彫刻でしたが、最近では、LEDプロジェクションやグラフィックアートなどのデジタルメディアに焦点を当てています。デジタルの他にもブロンズ、木、ペイントなどの様々な素材で作品をつくることに挑戦しています。
ジュリアンオピーの作品は、ロンドンのテートギャラリー、ニューヨークの近代美術館などにパブリックアートとして設置されています。日本では、電通本社ビルや高松港で作品を鑑賞できます。
オピーの作品は、太い輪郭が特徴です。ミニマリズムされた絵にもかかわらず、風景や人物の被写体の本質を捉えています。どうしてこんなにシンプルなグラフィックで、個性ある絵をかけるのでしょうか。
ジュリアンオピーによると
「私の作品はミニマリズムとか、シンプル化とよく言われますが、実は逆の視点から始めています。複雑なものをシンプルにするという感じではなく、何もないところから表現に必要な最低限のものを少しずつ足していくのです。例えば、先に述べた歩く人の作品の場合も、腕や足、洋服、動き方などのわずかな要素で表現しています。こうした私の作品の特徴は、実は日本のアートやアニメなどから影響を受けているのです。」
人の特徴は、顔だけではなく持ち物や歩き方などで、自分自身を表現していることがわかりました。まさにデジタル時代における新しい肖像画ですね!
ジュリアンオピーは、アートシーンだけでなく、英国の音楽グループBlurの2000年のアルバムカバーデザイン、2006年のU2のVertigoワールドツアーのLEDプロジェクション、2008年のロイヤルオペラハウスのセットデザインなど、音楽界やエンターテイメントの業界からも注目を集めるプロジェクトの委託を受けています。
まとめ
私が、ジュリアン・オピーの作品に触れた機会は2回。2019年に東京オペラ美術館で11年ぶりの大規模展が行われました。その際に、はじめてジュリアンオピーの作品を鑑賞しました。背景のポップアートを感じさせてる配色・ミニマリストのグラフィックは、今の時代にマッチした作風で、さらにどこか都会的で洗練されていました。
2回目は、アメリカ・ニュージャージーにある友人の家にジュリアン・オピーのLED作品が設置されていました。家に帰るとジュリアンオピーの作品に触れられる!なんて最高な家なんだ!と感動しました。ホテル✖️アートは最近のトレンドですが、家✖️アートが今後当たり前になるのかと、心の中で呟いていました。
参考
東京オペラシティアートギャラリー「ジュリアン・オピー」
MAHO KUBOTA GALLARY「ジュリアン・オピー」