【千住博】滝を描くアーティスト:代表作品「ウォーターホール」の解説や作品の価格について

SENJU HIROSHI
アーティスト紹介

DATA

ニックネーム
現代日本画家
作者について
千住博は日本独自の絵画技法を使用した、ダイナミックな滝や崖のモチーフで知られる現代美術家です。千住氏の作品は、ニューヨークのブルックリン美術館、ロサンゼルス現代美術館、サンフランシスコ近代美術館、富山県立近代美術館、東京の山種美術館、東京藝術大学、北海道の釧路芸術館などに保存されています。2011年には軽井沢に「千住博美術館」がオープンしました。

現在の値段

204,224円

2014年6月には4000万円で作品が落札されているなど、その価値が高く評価されています。
特に価格が高い作品は「滝」そして「夜桜」をモチーフにした絵画です。

2020年のオークションでは、《銀杏図》が予想落札価格30万〜50万円に対して185万円、《月下夜奏》が予想落札価格200万〜300万円に対し420万円と、予想を100万円以上上回る高値を記録しました。

千住博 経歴

千住博(以下、千住)は、1958年東京都で生まれました。

https://www.nyseikatsu.com/entertainment/12/2019/27859/

慶應義塾幼稚舎から高校まで進学し1982年に東京芸術大学 絵画科日本画専攻を卒業しました。1984年に修士号、1987年に博士号を取得しました。卒業とともに作品を精力的に発表し始め、河合塾で予備校の講師をしていました。

1993年に、ハワイのキラウエア火山の溶岩が海に流れ込む様を描いた「フラットウォーター」を発表し、美術雑誌「ニューヨークギャラリーガイド」の表紙を飾り、大きな評価を受けました。

第46回ヴェネチア・ビエンナーレで、初めて名誉賞を受賞しました。受賞作品の「Water Fall」は日本古来の絵画技法で描かれています。

その後、ロンドン現代美術館やニューヨークのジャパンソサエティ・アジアソサエティなど、数多くの国際展に参加しました。

千住の作品は、ニューヨークのブルックリン美術館、ロサンゼルス現代美術館、サンフランシスコ近代美術館、富山県立近代美術館、東京の山種美術館、東京藝術大学、北海道の釧路芸術館などに保存されています。2011年には軽井沢に「千住博美術館」がオープンしました。

https://www.senju-museum.jp

千住博 作品紹介

ウォーターホール

滝のシリーズはタイドウォーターもありますが、ウォーターフォールが最も評価が高いです。白く流れる滝が描かれているシンプルな構図で、千住博の代名詞と言えます。千住博美術館の展示されている「Water Fall」は神秘的なアート体験ができる場として人気があります。

原画は数千万円で取引されています。版画作品は大きさにもよりますが30万~80万円です。

https://www.mistore.jp/store/nihombashi/event_calendar/hiroshisenju.html

京都:大徳寺 聚光院別院襖絵壁画「滝」

京都の大徳寺聚光院は、千利休と三千家の墓所として知られています。千住は、大徳寺聚光院の新書院に襖絵『滝』『春夏崖図』『秋冬崖図』を作成しました。

https://www.senju-museum.jp

それぞれの絵には、時の流れを象徴するモチーフとされ「生」や「死」を意味しているそうです。構想から16年かかり、さらに3度の描き直しがあったそう。大徳寺聚光院には狩野永徳の作品もあり、その作品とのつながりも意識した作品になっています。

https://www.senju-museum.jp

東京:羽田空港5作品

羽田空港ターミナル内には、千住 博氏制作のアートが数カ所展示されています。第2旅客ターミナルに、オブジェや絵画が展示されています。羽田空港は実は隠れた観光スポットで、ショッピングや食事、博物館、プラネタリウムと予想外にコンテンツは豊富です。無料で千住作品が見ることができるので、休日の美術鑑賞にピッタリですね。

MOOON(第2ターミナル)

太古の昔、月の形に似たつのを持つ牛は天体の運行を司る使者として人々から崇められていた。「MOOON」は宇宙を仰ぎ、空を見つめ、守護神として旅の平安を祈っています。

https://tokyo-haneda.com/enjoy/cooperation_artist/index.html

風の渓谷(第2ターミナル)

その名のとおり風によって動く作品です。千住は空港の作品について「空港は、緊張感のある人工的な空間。僕はそこに風を生みだしたかった」と話しています。

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銀河 GALAXY(第2ターミナル)

第2旅客ターミナルの南側展望デッキに設置されています。
夜に行くと床に埋め込まれた4,000個のLEDライトが光を放って幻想的です。

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朝の湖畔(第2ターミナル北側フロア)

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夜の湖畔(第2ターミナル南側フロア)

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往く雲(第3ターミナル 保安エリア)

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ウォーターシュライン(第3ターミナル 保安エリア)

日本を訪れる海外からの旅客に日本文化を、帰国する日本人旅客に故郷の風土を提示しています。
空港という大規模な建築に対し、幅25メートルの滝の絵が描かれていて圧巻です。

https://tokyo-haneda.com/enjoy/cooperation_artist/index.html

まとめ

千住さんの描く滝は、「美しい水飛沫の滝」、「堕落」や「原爆」などの人によって抱く印象は様々だそうです。日本画の美しさを保ちながらスタイリッシュかつモダンは世界中の人を魅了しています。

参考

古美術ささき「千住博」

https://www.kobijutsu.ne.jp/wp/千住博/

日本美術保全協会「杉並区について」

https://www.nihon-bijyutu.com/area/?s=杉並区

八光堂「「THE FALL」で知られる国際的画家・千住博。そのモダンで新しい日本画の世界」

https://www.hakkoudo.com/weblog/2021/01/29/0105/

美術手帖「シンワオークションがセールを再開。最高落札額はユトリロの1650万円」

https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/22090
ABOUT ME
しおり岡
編集長/ライター。小学生の頃はエジプト文化、中学生では西洋美術、高校生は日本の歴史にハマり、大学在学中に仏像に恋をして、学芸員を取得。卒業後、大手人材会社で営業を経験。その後、飲食店の広報・デザイナーを経て、アメリカ・NYにて転職。コロナウイルスのため帰国し、現在は日本に滞在中。趣味は「美術館や遺跡を経験するための海外旅行」。今まで40カ国以上を旅行をし、世界の建築や文化、食事、アートに触れる。