【名和晃平】白鹿で有名な「ピクセル」などの代表作品や経歴を紹介

Nawa Kouhei
アーティスト紹介

DATA

ニックネーム
テクノロジー彫刻家
作者について
名和晃平は、デジタルと現代の精神性を探求する日本の彫刻家です。 芸術大学で教鞭を取り、アート・デザイン・建築のためのプラットフォーム「SANDWISH」のディレクターを務めています。

現在の値段

137,744円

SBIオークションにて、Directionシリーズが予想額の倍以上の値段で落札されました。
2019年「Direction #132 」サイズ:65 x 65 x 6 cmが、1,667,500円で落札、
2020年「Direction #123 」サイズ:90 x 60 x 6 cmが、2,415,000円で落札されました。

絵画は150万円から、彫刻の価格は500万円から5000万円程で落札されています。今後も絵画が彫刻のように値段が高騰すると予測しています。

名和晃平の経歴

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000038948.html

名和晃平(以下、名和)は1975年に大阪で生まれ、幼少期から美術に興味を持ち、特に立体作品に魅了されていました。

京都市立芸術大学で美術の学士号と博士号を取得しました。大学では、素材の特性や彫刻の技法を学びながら、自身の表現スタイルを模索しました。

学生時代は、神社仏閣巡りに夢中になって仏像や神像ばかりを見て周り、現代美術には興味がなかったそうです。

学生時代に参加した山梨の白州のアートキャンプをきっかけに、『何もない場所にアートを作る』という経験をしたことから、芸術と人間の関係性に興味を持ったと言います。

その後、1998年ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに留学しました。その際に現代美術アーティストの作品に刺激を受け、自身の作品作りに没頭するようになります。その他にもニューヨークやベルリンにも滞在したそうです。

2007年には京都府文化賞の奨励賞、2008年には森美術館による六本木クロッシング2007の特別賞を受賞するなど、この頃から美術界からも評価され続けています。

大学卒業後、名和晃平はさらに東京藝術大学大学院に進学し、研究を続けました。大学院在学中に、透明な球体を使用した「PixCell」シリーズで注目を浴びました。このシリーズは、動物の剥製や日常のオブジェクトを透明な樹脂やガラスで覆い、その上に小さな透明球を無数に配置することで、独特の視覚効果を生み出しています。

彫刻の根源を追求する中で生み出された名和の作品は、ビーズやプリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなどさまざまな素材を用いて、「PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」という概念を軸にかたちづくられています。その表現の多彩さと鮮やかな造形美は、彫刻の新たな可能性を拡げている現代アーティストです。

名和晃平の作品は、物質と視覚の関係性を探求し、観察者に新たな視覚体験を提供します。この斬新なアプローチは国内外で評価され、彼は様々な国際展覧会やビエンナーレに招待されるようになりました。

名和晃平は現在、京都を拠点に活動しており、「SANDWICH」というアートスタジオを設立しています。SANDWICHは、アーティスト、デザイナー、エンジニアなど多様なクリエイターが集まり、共同でプロジェクトを進める創造的な場となっています。

また、京都造形芸術大学で教授としても教鞭を執っており、若手アーティストの指導やワークショップの開催を通じて、次世代のクリエイターを育成しています。

名和の最近のプロジェクトには、大規模なパブリックアートや建築とのコラボレーションも有名でs。特に、国内外の公共スペースや商業施設でのインスタレーション作品が高く評価されています。また、デジタル技術を駆使したインタラクティブな作品や、環境問題をテーマにした作品にも力を入れているようです。

名和晃平の代表作品

「PixelCell(ピクセル)シリーズ」

引用:https://media.thisisgallery.com/works/koheinawa_10
引用:https://art-watch.jp/nawa-kohei-oracle/

代表作は「PixelCell」と題され、世界中で人気が高いです。彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞・粒)という概念を機軸とした情報化時代を象徴する作品です。鹿、チーター、ウサギ、コヨーテなどの動物の剥製が使用されています。剥製をガラスビーズやプリズム、接着剤、石膏、スプレーフォームなどで覆い制作されています。

PixelCellの価格は上昇しており、今後も価格の高騰が見込めます。

2021年4月1日から青森県の十和田美術館で公開中の名和の寄託作品「PixCell-Deer#52」の、最終展示日は2024年6月23日(日)だそうです。

2012年のサザビーズ香港のオークションでは、鹿の頭部の剥製をビーズで覆った「PIXCELL-GREATER KUDU」が、およそ5000万円で落札された。

「PixCell-Karuta#1」は、かつてタグボートで、150,000 円で販売されていたが、2016年のSBIアートオークションでは414,000円の値がつき、225,000円で販売された「PixCell-Hanafuda#3」も529,000円で落札されるなど、ともに価格が2,5倍に上がっており、安定した成長を見せている。

引用:https://ec.tagboat.com/eccube_jp/html/products/list.php?author_id=903&tngs_flg=0

Direction(ダイレクション)

引用:https://media.thisisgallery.com/works/koheinawa_06

オークションでは「Direction」シリーズがなども人気があります。「Direction」シリーズは生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティングです。インクをキャンバスの上端から流すことで重力を可視化している作品です。

彫刻作品の置き場所がない方には絵画はおすすめです。また値段も彫刻よりは安価なため今後値上がりする可能性があります。

「Esquisse」シリーズ

「Esquisse」シリーズ
引用:http://syuumatunoart.com/2022/02/18/koheinawaesquisse/

初期の名和はドローイングをしていた時期があり、抽象的で偶発的なドローイング作品である「Esquisse」シリーズはその代表的なシリーズです。

「Esquisse」シリーズは、大学院生時代に制作されたものであり、名和が実家を整理しているときに偶然二百数十枚のドローイング作品を見つけたそうです。

 「学生時代から普通の画材をそのまま使わないで表現を模索してきた。これらのドローイングも小さい頃に習っていた習字の残りであった紙と墨などを使っている。何層もの半紙に朱墨を染み込ませて途中で引き抜いたり、デカルコマニーのように合わせたり、割りばしの破片を浸けペンのようにして描いたり。そうしたなかで、血が赤いのはなぜか、植物の緑はなぜなのか、そう見えるのはどうしてなのか、思考を重ねていくうちに、視覚も意志も持たないのに、ネットワーク化して環境を認識している粘菌から、細胞(セル)の集まりへとつながっていった。何かを求めて空間を這って増殖していくイメージで、ドローイングはここでとどまっているけれど、いつでも再開できる終わりのない手の跡になっている」(名和)。

引用:美術手帖 https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/25731

「White Code」シリーズ

「White Code」シリーズ
引用:https://burart.jp/2022/06/kohei-nawa-towada/

名和の最新作である「White Code」シリーズは、絵画のような彫刻作品です。

粘度を調整した白い絵具がしたたり落ちる下にキャンバスを秒速1センチの速度で何度か通過させることによって目の粗い麻布の上に落ちた絵具の粒(セル)は、点のまま残ったり、繋がって線になったり、拡がって面になったり不規則に変化して画面を構成しています。本来であれば描くはずのインクそのものは動いてはおらず、支持体の方が移動した結果が刻印されており、絵画と彫刻の間のような作品になっています。

Throne(スローン/王座)

引用:https://bijutsutecho.com/magazine/news/promotion/18088

『王座』を意味するタイトルの作品「Throne(スローン)」は、銀座シックスやルーブル美術館、明治神宮宝物殿でも展示されている大型の彫刻です。

エジプトのピラミッドがそうであるように、古代から続いた「権力」や「権威」が遺してきたものは一体何か、また将来はどうなるのかという問いを持って制作された作品で、東洋の神事・祭事に登場する「山車」や「御輿」などの造形を参照したといいます。

最新の3D造形システムと紀元前にエジプトで始まったとされる金箔貼りの技法を融合させて、彫刻化している、豪勢な作品となっています。

江戸時代末期までに極度に発達した各地の山車のリサーチから生まれたという本作は、曲線と直線が複雑に混ざり合った造形。タイトルの「Throne」とは玉座を意味する言葉で、作品には「権力や権威の象徴」という意味が込められている。

引用:https://bijutsutecho.com/magazine/news/promotion/18088

「Trans」シリーズ 2012年〜

「Trans」シリーズ名和晃平
引用:https://www.marunouchi.com/lp/street_gallery/artist/nawa-kohei.html

「Trans」シリーズは、人体の3Dスキャンの表面に様々なエフェクトを施して作られる造形作品です。名和晃平はトルソーとして発表しています。

ヒト型の不思議な造形の彫刻作品は、多様なシルエットから流動性のある三次局面が特徴的で、影と実体、現実とヴァーチャルの境をさまような『現代における存在のリアリティーを問いかける』作品となっています。

「Force」2021年

新潟県十日市町にある現代美術館MonETに展示されているインスタレーション作品「Force」は、黒いシリコーンオイルの液体が多数の糸状となって天井から床に常時落下するように見えます。

途切れずに糸のように繋がったまま、すごいスピードで落ち、水面は漆のように波紋も立てずに受け止める様子を作り出すのは、シリコーンオイルというマテリアルの独特の性質・特徴であり、それをよく理解してその特性をうまくアートに仕上げて表現されています。

シリコーンオイルは重力に従って天地垂直に流れ続け、床に黒い池を形成しており、時間と空間と物質の間に鑑賞者の視点が置かれることで、重力が視覚化された様子を見ることができるようになっています。

アトリエ「SANDWICH」

引用:https://numero.jp/news-20131224-sandwich/

2009年、京都に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げ、現在も京都の宇治川沿いで制作を続けています。サンドウィッチ工場をリノベーションして、広大な空間で創作活動をしています。

総勢約40名のスタッフによって「SANDWITCH」では、名和を中心に「ART「PRODUCTION」「ARCHITECTURE」「GRAPHIC」「OFFICE」のチームが編成され、建築や舞台などアート以外にも取り組みの幅を広げています。

名和晃平の結婚相手は人気アーティスト「清川あさみ」

2016年3月には、名和晃平と清水あさみが入籍しました。日本のアートを牽引するアーティスト同士の結婚に周囲を驚かせました。現在はお子様も生まれているそうです。

引用:https://www.cinra.net/news/20160427-kiyokawanawa

清水あさみとは、

清川あさみは1979年生まれ。モデルとして活動した後、2002年から写真に刺繍を施す手法を用いた作品の制作を始め、『美女採集』『コンプレックス』シリーズなどの作品を発表している。1975年生まれの名和晃平は京都に設立したクリエイティブプラットフォームSANDWICHを拠点に活動。最先端の3Dテクノロジーを駆使して制作した彫刻やインスタレーション、平面作品などを発表している。

引用:https://www.cinra.net/news/20160427-kiyokawanawa

まとめ

名和晃平の作品は、国内外の美術館やギャラリーで常に展示されており、現代アート界において重要な地位を築いています。名和晃平の革新的なアプローチと幅広い活動範囲は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

名和のインスタグラムでは、他にもさまざまな作品や展示会情報がチェックできます。

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参考

翠波画廊「名和晃平」https://www.suiha.co.jp/artists/contemporary-artists/kohei_nawa/

GYRE「名和晃平個展「Oracle」」https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-oracle/

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