訪問記事

1,000円からコレクションできる収集品の小口投資サービス 「alty(オルティ)」とは?【前編】

今回は訪問記事として2022年8月から始まった、収集品の小口投資サービス 「alty(オルティ)」の代表の代表取締役社長 野村優太 さんにお話を伺います。altyではスニーカー 、トレーディングカード、時計 、お酒 、アート といった収集品を株式のように一口から売買できます。

前半では、「alty(オルティ)」が始まった経緯やテーマなどがまとまっています。後編もあわせてチェックしてみてください!

インタビュー

野村さん:サービスの概要を教えてください。

altyは、希少なスニーカーやトレーディングカード、クラシックカーといった資産価値の高い収集品の保有権を分割し、1枠あたり1,000円から購入できる収集品の共同保有プラットフォームです。例えば、1,000万円の収集品を10,000分割した場合、1枠1,000円からその収集品の保有権を持つことができます。購入した共同保有権は、プラットフォーム内で他のコレクターに売却することができ、市場の価格変動によってユーザーが購入した価格よりも高く買い取りたいコレクターに売却すれば、差額分が利益になることがあります。また、一定期間後にオークションまたはアイテムの購入を希望するコレクターが現れた場合には、共同保有権をお持ちのコレクターへ投票を募り、売却の可否を決定します。売却が決定した際には、共同保有権の持ち分に応じた配当金が分配されます。

聞き手:どのような経緯で事業を始めたのでしょうか?

野村さん:私は前職で広告プラットフォーム事業を主とするログリー株式会社で6年ほど働いていました。ログリー株式会社の代表であった吉永から新規事業を始めたいので、一緒に立ち上げないか?と声をかけてもらい2年前からaltyの準備を始めました。そして2022年5月30日に新しく会社を設立し、altyはリリースから3ヶ月ほど経ちました(取材時:2022年10月11日)。

聞き手:広告事業から全く別の事業を始められたのですね!altyをはじめた目的を教えてください。

野村さん:新規事業を始めるにあたり「若者の資産形成」をテーマにすることが決まりました。若者にとっては株式投資などの金融商品は敷居が高く、手をつける前に調べることが多くて諦めてしまう方もいると思います。色々調べているとアメリカではゲームやトレーディングカードなどの収集品が証券化できることが分かりました。金融商品ではなく収集品といった興味のある対象に投資をするのであれば、投資のハードルが下がりはじめの一歩を踏み出しやすくなりますよね。日本だと収集品は金融商品として認められてはいない現状なので、私たちが共同保有という形で、収集品投資のサービスをはじめようという事になりました。

聞き手:altyという名前はどこからとったのでしょうか?

野村さん:「オルタナティブ投資 = alternative investment 」のaltからとっていいます。オルタナティブ投資とは例えば不動産や未上場株の投資、芸術作品や骨董収集、デリバティブ関連商品、為替取引などです。

聞き手:どのような方にサービスを利用してほしいですか?

野村さん:20代、30代ですね。今のところ男性ユーザーの方が多いです。男性の方が収集癖もありますし、投資に関しても男性の方が経験者が多いデータが出ています。特に若い世代のユーザーを増やしていきたいです。

聞き手:若者の投資市場はどうなっているのでしょうか?

野村さん:日本国民の50%が投資経験者といわれている中で、若者の投資経験者数は15%と言われています。やはり40・50代になってから投資をはじめてもその先の貯蓄にしかなりません。しかし若いうちに投資を始めることでお金の知識が増え、どういうお金の使い方ができるのかを学ぶことができます。投資で得たお金で、自己投資をしたり、自分のためにお金を使ったりできます。

私が投資を始めたのは30代に入ってからでしたが、正直「20代前半からやっていればよかったな」と思うこともありますね。若いうちはあまり財産がありませんが1000円でも1万円でもGAFAに買付をいれていたら今持っている財産は全く違うものになっていましたよね。

聞き手:そうですね。ちなみに野村さんは今どんな投資をされているのでしょうか?

野村さん:個別株、ビットコイン、NISAなどメインどころはやっています。また最近は買い物の仕方も変わってきました。消費できるものは別ですが、洋服やスニーカーなど身の回りのものを購入するときは「中古でも高く値が付くか」を意識して買い物するようになりました。最初の投資は、そういった身近なものや好きなものからのスタートで良いと思っています。altyを通して若い方が自分の好きな収集品をコレクションできる喜びと合わせてその先の金融市場や金融商品に興味を持つきっかけになれば良いですね。やっぱり自分の身銭を切って何かを買うというのは「体験」になります。自分でした体験・経験に勝るものはないので、投資への一歩踏み出す経験に繋がってほしいです。

聞き手:投資の一歩を踏み出すまでがハードルが高いですよね。若い方はお金がないので投資が難しいと思います。それでも投資をはじめた方がよいのでしょうか?

野村さん:やった方がいいと思いますね。今だったらLINE証券やSBI証券で1株からや1,000円から投資ができますし、altyであれば1,000円から収集品の投資ができます。希少性の高いスニーカーであれば、20年前に1万円で売られていたものが10年前に20万円の価値になって、さらに今では200万円で取引されています。ポケモンカードでも10年前では1枚が数万円で取引されていたものが、最近Youtuberのヒカキンさんが5000万円で購入したというニュースもありました。将来どんなものが値上がるか見る目があれば、収集品も投資になります。

プロフィール

代表取締役社長 野村優太(写真中央)

2016年からログリー株式会社に約6年在籍し、主力広告事業部の副部長としてデジタルマーケティングのプランニングから運用までの現場を取り仕切るマネジメント職として従事。個人でも音楽イベントを主催し、カルチャーにも造詣があることから、altyプロジェクトの責任者として参画。同社よりaltyサービスのMBOを実施し、alty株式会社を設立。

ABOUT ME
しおり岡
編集長/ライター。小学生の頃はエジプト文化、中学生では西洋美術、高校生は日本の歴史にハマり、大学在学中に仏像に恋をして、学芸員を取得。卒業後、大手人材会社で営業を経験。その後、飲食店の広報・デザイナーを経て、アメリカ・NYにて転職。コロナウイルスのため帰国し、現在は日本に滞在中。趣味は「美術館や遺跡を経験するための海外旅行」。今まで40カ国以上を旅行をし、世界の建築や文化、食事、アートに触れる。