イギリス・ブリストル(バンクシー)
イギリスのブリストルは、ストリートアーティスト・バンクシーの故郷として知られているイングランド南西部に位置し、エイボン川に面する港町です。
中世から貿易の中心地で、産業革命期には造船や製造業で発展してきました。現在ではストリートアートや音楽シーンが盛んで、アートフェスティバルやギャラリーが多数あります。
ブリストルの市内にはバンクシーの初期の作品が壁や建物に残っており、バンクシーのアートを巡るツアーが観光客に人気です。
ブリストルで鑑賞できるバンクシーの作品
- 「Grin Reaper」
- 「Cat and Dog」
- 「Blowpop Records」
- 「The Mild Mild West」
- 「Rose on a Mousetrap」
- 「Well Hung Lover」
- 「You Don’t Need Planning Permission to Build Castles in the Sky」
- 「Girl with a Pierced Eardrum」
- 「Kid Rolling A Burning Tire」
イギリス・ケント(Mr. DOODLE)
ロンドンの南東に位置し、緑豊かな丘陵地帯や海岸線を持つケントは、イングランドの『庭』と呼ばれるほど、歴史的には農業や城の建造で知られてる地域なのだそうです。伝統的な建築物が多く、アーティストの集まる場所として近年盛り上がりを見せているようです。
イギリス出身のポップアーティスト、Mr. Doodleは、落書きのようないわゆる『ドゥードル』スタイルのアートで知られています。
ケント&イースト・サセックス鉄道(K&ESR)は、創立50周年記念事業の一環として、Mr. Doodleと初となるコラボレーションを行い、2024年7月に世界初となる『ドゥードルトレイン』を発表しました。
Mr. Doodleは、車両側面を覆う特殊な保護ラップの上に直接ドゥードルを描きました。
アメリカ・ニューヨーク(KAWS、キース・ヘリング、バスキア)
アメリカ・ニューヨークは世界的な金融、アート、ファッションの中心地です。アートシーンが豊富で、ギャラリーや美術館が多数あり、多くの有名アーティストが活躍してきました。
まず、アーティスト、KAWSの拠点として有名です。KAWSの作品は、ストリートから現代美術まで幅広く、ブロンクスやブルックリンをはじめとするニューヨーク市内の様々な場所でKAWS大規模な彫刻や壁画を見ることができます。代表作である「コンパニオン」は、ニューヨークの象徴的なアートの一部です。
キース・ヘリングは、1980年代のニューヨークのストリートアートシーンを象徴するアーティストです。キース・ヘリングのシンプルで力強いラインによる作品は、ニューヨークの地下鉄や壁に描かれ、公共空間にアートを持ち込むという革新的な手法を用いました。キース・ヘリングの作品は、ニューヨークのストリート文化と密接に結びついています。ニューヨーク市内には現在も彼の作品を見られるスポットがいくつもあり、特にブロンクスの壁画などは観光名所となっています。
また、ジャン=ミシェル・バスキアも、ニューヨークのアートシーンを代表するアーティストとして有名な人物の一人です。バスキアは、1980年代にストリートシーンから登場し、現代美術界でも重宝されるようになります。
バスキアの作品は、ブルックリン出身の背景や黒人文化、政治的メッセージが込められており、ニューヨークのギャラリーや美術館で頻繁に展示されています。特に、ホイットニー美術館やグッゲンハイム美術館では、バスキアの作品が重要なコレクションの一部です。
ニューヨークでKAWSの作品が鑑賞できる場所
- ブルックリン美術館
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)
- スカルステット・ギャラリー
- ロックフェラーセンター
ニューヨークでキース・ヘリングの作品が鑑賞できる場所
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)
- ウッドハル病院の壁画(ブルックリン・ベッドスタイ)
- ニューヨーク・ヒストリカル・ソサイエティ
- カーマイン・ストリート・プールの壁画(トニー・ダポリト・レクリエーション・センター)
- バワリー・アート・ウォール
ニューヨークでジャン=ミシェル・バスキアの作品が鑑賞できる場所
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)
- ブルックリン美術館
- ホイットニー美術館
- グッゲンハイム美術館
アメリカ・ニューヨーク・イーストハンプトン(ジャクソン・ポロック)
ニューヨークのロングアイランドの東端に位置し、自然豊かなイーストハンプトンは、ニューヨークの裕福な住民の避暑地として有名です。また、多くのアーティストが住むクリエイティブなコミュニティとしても知られます。
アメリカの抽象表現主義の巨匠、ジャクソン・ポロックは、イーストハンプトンにあるスタジオで有名な『ドリッピング』技法を駆使して制作を行いました。このスタジオは現在、「ポロック=クラズナー・ハウス」として保存され、観光客も訪れることができます。
ニューヨークでジャクソン・ポロックの作品が鑑賞できる場所
- ポロック=クラズナー・ハウス
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)
- グッゲンハイム美術館
- ホイットニー美術館
アメリカ・ピッツバーグ(アンディ・ウォーホル)
アメリカ東部、アパラチア山脈の西側に位置する工業都市ピッツバーグは、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの出身地です。ピッツバーグはもともと鉄鋼業で発展し、第二次産業革命期のアメリカ経済を支えた都市として知られています。現在では再開発が進み、ウォーホル美術館をはじめとする現代美術が盛んな都市となっているそうです。
「アンディ・ウォーホル美術館」は、ウォーホルの膨大な作品やアーカイブを展示しており、彼の生涯と創作活動を深く知ることができます。キャンベルスープ缶やマリリン・モンローのポートレートなど、彼の代表的なポップアート作品だけでなく、映像作品、コンピューターで作られた作品群や、プライベートで集めていた食器やおもちゃなどのゆかりの品も常設で展示されています。
ピッツバーグでアンディ・ウォーホルの作品が鑑賞できる場所
- アンディ・ウォーホル美術館
- マットレス・ファクトリー
アメリカ・ロサンゼルス(デイヴィッド・ホックニー)
デイヴィッド・ホックニーは、イギリス出身の画家ですが、ロサンゼルスを創作活動の拠点として長く愛してきました。
ロサンゼルスといえば映画産業(ハリウッド)で有名になり、エンターテインメントの中心地として発展してきた都市です。映画、音楽、ファッション、現代アートなど多岐にわたるクリエイティブ産業の世界的拠点の一つとして知られています。
ホックニーの代表作である「A Bigger Splash」は、ロサンゼルスの邸宅のプールを描いたもので、温暖な気候のロサンゼルスの光や生活様式に影響を受けて製作された作品です。
ロサンゼルスでデイヴィッド・ホックニーの作品が鑑賞できる場所
- ロサンゼルス現代美術館(MOCA)
- ロサンゼルス郡立美術館(LACMA)
メキシコ・メキシコシティ(フリーダ・カーロ)
メキシコの首都であるメキシコシティは、標高約2,240メートルという高地に位置します。アステカ文明の中心地であり、植民地時代にはスペイン帝国の支配下になった場所として知られています。伝統的なメキシコ文化と現代アートの融合が見られるメキシコシティは、アーティストのフリーダ・カーロやディエゴ・リベラの影響を強く受けていると考えられます。
メキシコシティには、フリーダ・カーロの生家「青い家(Casa Azul)」があり、現在はフリーダ・カーロ博物館として開放されています。彼女の大胆でカラフルな作品や、自身の人生や苦悩を描いた絵画は、この家で生まれ育ち、後に夫ディエゴ・リベラと共に暮らしたメキシコシティに深く根付いています。彼女の作品や遺品が展示され、フリーダの創作の源泉を感じられる場所です。
メキシコシティでフリーダ・カーロの作品が鑑賞できる場所
- フリーダ・カーロ美術館(カサ・アズール)
- ドロレス・オルメド美術館
- メキシコシティ近代美術館(Museo de Arte Moderno)
- レオン・トロツキー・ハウス博物館
オランダ・アムステルダム(ピート・モンドリアン)
オランダのアムステルダムは、北海に面し、運河が張り巡らされた低地の都市で、17世紀には『黄金時代』と呼ばれ、商業・芸術が大いに栄えた都市でもあります。芸術とデザインの街としても知られます。
ピート・モンドリアンは、アムステルダム出身の抽象的な幾何学模様で知られる画家で、彼のスタイルは「デ・ステイル」運動の一環として発展しました。アムステルダムの近代美術館(Stedelijk Museum)では、彼の代表作「赤・青・黄色の構成」をはじめとする作品が展示されています。モンドリアンがオランダ美術に与えた影響を感じられる重要な場所です。
アムステルダムでピート・モンドリアンの作品が鑑賞できる場所
- モンドリアンの家(カルヴェルストラート)
- シモン・マリスのアトリエ
- アルティ・エ・アミティシアエ
- イギリス改革派教会
- 天井画のあるKeizersgrachtの家
- ライクス美術館ステデライク美術館
スペイン・フィゲラス(サルバドール・ダリ)
スペイン・フィゲラスは、カタルーニャ地方に位置し、フランス国境近くにある小都市で、ダリの故郷として有名です。ダリが設計した「ダリ劇場美術館」があり、世界からファンが訪れる観光スポットとなっています。
この美術館には、ダリの超現実主義的な作品が数多く展示されており、彼の奇抜で夢幻的な世界観を堪能することができます。ダリの故郷として、フィゲラスは彼の創造性の源となった場所だといえます。
フィゲラスのダリ劇場美術館で鑑賞できる作品例
- 「ラムチョップを肩に乗せたガーラの肖像画」
- 「セックスアピールの亡霊」
- 「メイ・ウエストの部屋」
- 「焼いたベーコンのある柔らかい自画像」
フランス・ニース(アンリ・マティス)
フランス南東部、地中海沿岸に位置する都市であるニースは、古代ローマ時代からリゾート地として栄えましたが、19世紀以降、ヨーロッパの上流階級の避暑地になりました。芸術界では、明るい光と風景が印象派やフォーヴィズムに影響を与え、アンリ・マティスもニースに魅了されて長年に渡って滞在し創作活動を行いました。
マティスの明るい色彩と大胆な構図は、ニースの温暖な気候と豊かな光から大きな影響を受けました。ニースには「マティス美術館」があり、彼の作品が数多く展示されています。
ニースのマティス美術館で鑑賞できる作品例
- 「マティス夫人の肖像」
- 「クレオールの踊り子」
- 「青い裸婦IV」
- 「青いガンドゥーラの女」
- 「テーマと変奏曲」
オーストリア・ウィーン(グスタフ・クリムト)
ドナウ川沿いに位置し、アルプス山脈の東端に広がる平原にある都市であるオーストリア・ウィーンは、ハプスブルク帝国の首都として、政治・文化の中心地として繁栄したのち、分離派運動やウィーン・セセッションなど、モダンアートの発展に寄与した都として有名です。
画家グスタフ・クリムトの活動拠点となたことでも知られ、クリムトの代表作「接吻」をはじめとする作品は、ウィーンのベルヴェデーレ宮殿に展示されています。ウィーン分離派運動の中心人物でもあったクリムトの影響は、ウィーンのアートシーンに深く刻まれています。
ウィーンでグスタフ・クリムトの作品が鑑賞できる場所
- ベルヴェデーレ
- レオポルド美術館
- ウィーン美術館
- 劇場美術館
- セセッシオン会館
- ウィーン美術史美術館
- ブルク劇場
- ウィーン応用美術館(MAK)
チェコ・プラハ(アルフォンス・ミュシャ)
中欧の中心部、ヴルタヴァ川沿いに位置する歴史的な都市として、中世から神聖ローマ帝国やハプスブルク家の支配下で繁栄してきたチェコ・プラハは、アール・ヌーヴォーの中心地の一つであり、アルフォンス・ミュシャの影響を強く受けた文化が現在も色濃く残っています。
プラハでアルフォンス・ミュシャの作品が鑑賞できる場所
- 聖ヴィート大聖堂(ミュシャのステンドグラス)
- プラハ市民会館(ミュシャの壁画)
- ミュシャ美術館
まとめ
有名芸術家たちのゆかりの地には、美術館や邸宅の跡地など訪れたい様々な名所があります。
次回海外旅行を計画する際には、好きなアーティストのゆかりの地を選んでみてはいかがでしょうか。
参考
【ブリストル】バンクシーマップ18作品!BANKSYの故郷を巡るデジタルツアーへご案内 https://bandal.jp/banksy-bristol-map/
Mr Doodle to create world’s first Doodle Train in home town https://kentattractions.co.uk/mr-doodle-to-create-worlds-first-doodle-train-in-home-town/
Mondrian Highlights https://www.mondrianroute.com/routes/mondrian-in-amsterdam
画像引用:https://www.cntraveler.com/activities/figueres/dali-theatre-museum