コラム記事

ピカソやモネなど芸術家たちのおしゃれで独特な自宅・アトリエ6選

フリーダカーロの「青い家」

パブロ・ピカソのフランス・ムージャンの邸宅・アトリエ

パブロ・ピカソのフランス・ムージャンの邸宅・アトリエ
引用:https://www.theguardian.com/travel/2011/jul/24/france-mougins-art-picasso

ピカソは、ノートルダム・ド・ヴィ(Mas de Notre Dame de Vie)として知られるフランスのムージャンの邸宅を徐々に拡張し、大きなアトリエを増築しました。この広大な邸宅は、美しい庭園に囲まれ、ピカソが晩年に多くの絵画や彫刻を制作した場所です。

引用:https://www.mansionglobal.com/articles/pablo-picasso-s-french-riviera-mansion-has-a-new-owner-77318

ムージャンは『美食の村』としてよく知られていて、アーティストや有名人などが集まってくるスポットだそうです。ピカソは1973年に亡くなるまでの晩年の12年間をこのムージャンで過ごしました。

この邸宅は、ニュージーランドの金融業者ラヨ・ウィザナージュによって2017年に購入されました。

テニスコート、プール、プールハウス、ジム、スパ、ゲストハウス、管理人用コテージがあり、庭園はピカソのオリジナルのデザインに復元されているそうです。

デイヴィッド・ホックニーのイギリス・ブリッドリントンのアトリエ

引用:https://www.telegraph.co.uk/news/uknews/9936962/David-Hockneys-assistant-23-dies-after-falling-ill-in-artists-home.html/1000

ホックニーはアメリカのロサンゼルスに住んでいましたが、母親のために購入したベッド&ブレックファーストを改造した家をイギリスのヨークシャーにある海辺の町ブリドリントンに所有していました。

1990年代後半に、ホックにーはウォルズを中心とした東ヨークシャーの田園風景を題材にした一連の作品をここで描いています。

引用:https://www.telegraph.co.uk/news/uknews/9936962/David-Hockneys-assistant-23-dies-after-falling-ill-in-artists-home.html/1000

ヨークシャーの風景画シリーズは、四季の移り変わりや、光、空間、自然がどのように絶えず変化していくかを徹底的に観察したもので、ホックニーの自然に対する愛情が感じられます。

後に家の一部をアトリエに改装し、近くに倉庫を購入して、このシリーズを制作しました。

ロンドンから遠く、交通の便が悪いブリドリントンは、訪問客に煩わされ続けることなく制作に没頭できたことからホックニーにとっては特別な制作の場となったと語っていたそうです。

フリーダ・カーロのメキシコ・メキシコシティの邸宅・アトリエ

フリーダ・カーロのメキシコ・メキシコシティの邸宅・アトリエ
引用:https://www.wakuwakuchintai.com/world/vol-w044/

フリーダ・カーロの自宅兼アトリエは、メキシコシティにある「青い家(カサ・アズール)」として知られています。この家は、鮮やかな青色の壁と豊かな植物で飾られ、カーロの個性的なスタイルが反映されています。

1904年にフリーダの父、ギリェルモが青い家を建てた当初は、フランス風の装飾を施した外観だったそうですが、1940年代にフリーダとの復縁を機にこの家に戻った夫のディエゴによって改修され、現在の姿に至っています。

現在は博物館となっている「青い家」には、カーロの作品や私物、メキシコの民芸品が展示されており、カーロの創造的な世界を訪れる人々に感じさせます。

青い壁、黄色い床、緑の樹々、赤い花々など生き生きとした原色が混じり合った空間は、フリーダの世界観そのものを表現していると言えます。

フリーダ・カーロのメキシコ・メキシコシティの邸宅・アトリエ
引用:https://senchicchi.com/coyoacan/

ジャクソン・ポロックのアメリカ・ニューヨークのイースト・ハンプトンのアトリエ

ジャクソン・ポロックのアメリカ・ニューヨークのイースト・ハンプトンのアトリエ
引用:https://www.nytimes.com/2012/08/10/arts/design/jackson-pollock-home-in-east-hampton.html

抽象表現主義の巨匠ジャクソン・ポロックの旧アトリエは、ニューヨーク州イースト・ハンプトンにある「ポロック=クラズナー・ハウス」で現在も見られます。

1980年代後半までポロックとその妻リー・クラズナーが住んでいたこの家は、板葺きスタイルのファームハウスです。

ジャクソン・ポロックのアメリカ・ニューヨークのイースト・ハンプトンのアトリエ
引用:https://www.agendadearteecultura.com.br/jackson-pollock-e-lee-krasner-amorpinturaloucura/

5月から10月まで一般公開されているこの家は、本棚は本で埋め尽くされ、妻クラズナーのネックレスは寝室のフックにかけられ、木製の床は、ポロックが『ドリッピング技法』で制作した絵画のペイントの跡で覆われており、彼の創作過程を生々しく物語っています。

ポロックの初期の絵画、両作家の版画、家族の写真などが展示されており、1984年から残されたままの家とアトリエを見ることができます。

アンディ・ウォーホルのアメリカ・ニューヨーク市のアトリエ

アンディ・ウォーホルのアメリカ・ニューヨーク市のアトリエ
引用:https://www.artsy.net/artwork/nat-finkelstein-andy-warhols-factory-warhol-sitting-in-the-factory

アンディ・ウォーホルの有名なアトリエ「ザ・ファクトリー」は、1960年代から1970年代にかけてニューヨーク市にありました。この工場風のスペースは、アートとカルチャーの交差点として機能し、多くの著名人やアーティストが集まる場所となりました。

3回移転したこのアトリエ「ザ・ファクトリー」は、最初はマンハッタンのミッドタウンの東47番街の231番地にあるビルの5階から始まりました。すべて銀色の内装は、工場で大量生産を彷彿とさせるように効率よく作品を制作することをイメージして造られたと言います。

ウォーホルの代表的なシルクスクリーン作品が大量生産されたこのアトリエは、彼のポップアートスタイルと商業的アプローチを象徴しています。

「ザ・ファクトリー」には、オノ・ヨーコやジャン=ミシェル・バスキア、キース・ヘリング、歌手のマドンナなど多数の有名なアーティストやセレブたちが出入りしたそうです。

アンディ・ウォーホルのアメリカ・ニューヨーク市のアトリエ
引用:https://gothamist.com/arts-entertainment/that-time-andy-warhol-was-warned-about-his-large-parties-at-the-factory

クロード・モネのフランス・ジヴェルニーの邸宅

クロード・モネのフランス・ジヴェルニーの邸宅
引用:https://ryugaku.kuraveil.jp/articles/488

印象派の巨匠クロード・モネの家は、フランスのノルマンディー地方のジヴェルニーという村にありました。モネが晩年を過ごしたこの家には、モネが愛した美しい庭園があり、かの有名な「睡蓮」のシリーズを描くためのインスピレーションの源となりました。特に、日本の影響を受けた水辺の庭園や橋が有名で、モネの自然への深い愛情と観察眼を反映しています。

クロード・モネのフランス・ジヴェルニーの邸宅
引用:https://ryugaku.kuraveil.jp/articles/488

現在も春から秋にかけて訪れることができる「モネの邸宅と庭園」には、お土産ショップやレストランなどもあり、周辺にもモネに関連するスポットや美術館があるので、モネのファンの方にとっては、パリから足を伸ばしてみる価値があると言えるでしょう。

まとめ

有名芸術家たちののアトリエや邸宅は、アーティストの創造性と個性が色濃く反映された場所であり、それぞれの芸術的なビジョンを深く理解する手がかりを垣間見ることができます。

アーティストたちがどのような環境でインスピレーションを得ていたのかを知ることで、彼らの作品に対する新たな視点が得られるのではないでしょうか。

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。