日本を代表する現代アーティスト草間彌生は、カラフルな水玉模様やカボチャのモチーフが特徴的で、世界的に注目され続けています。
今回二度目となる世界的老舗ファッションブランドであるルイ・ヴィトンとのコラボレーションによるカプセル・コレクションが2023年1月1日に発表されたのに合わせて、世界各国で大規模なインスタレーションなどが行われ、話題になりました。
草間彌生について
草間彌生は、1970年代から現在に至り、日本を代表する現代アーティストとして、絵画、彫刻、パフォーマンスアートなど幅広いジャンルで活躍しています。
ユニークでカラフル、ドットが特徴的な作品で世界的に知られている草間は、日常生活の中に溢れる対象物や自然の中からヒントを得て作品を創作しており、反戦、反体制、自由愛を表現し、時代を反映した作品や、性、死、無限の宇宙などの普遍的なテーマに基づいた作品が中心となっています。
草間は、1957年にアメリカに移住し、ニューヨークに定住していましたが、現在93歳の草間彌生は、1977年から自身の意思で東京の精神科病院で暮らしているそうです。そんな中、草間は毎日絵を描いており、『これからも、愛と平和と宇宙のメッセージをすべて受け入れ、生命に畏敬の念を抱きながら世界を創造していきます』と語っています。
日本国内では、東京・新宿の草間彌生美術館や草間の故郷である長野県松本市にある松本市美術館、瀬戸内海あるアートの島・直島などで、草間の作品を鑑賞することができます。
草間自身や作品についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
ルイ・ヴィトンとのコラボレーション
草間とルイ・ヴィトンとの最初のコラボレーションは、2012年に行われました。
2023年1月1日に発表され、現在行われている二度目のコラボレーションでは、草間彌生の創造性とルイ・ヴィトンの匠の技が融合した新作コレクションが発表されており、これに伴って世界各国のルイ・ヴィトンの店舗などでもインスタレーションを見ることができます。
今回のコレクションは、ルイ・ヴィトンのシグニチャーアイテムを再解釈した上で、草間の特徴的なモチーフであるドットを「Painted Dots(ペインティッド ドット)」、「Metal Dots(メタル ドット)」、「Infinity Dots(インフィニティ ドット)」、そして「Psychedelic Flower(サイケデリック フラワー)」として随所に取り入れています。今回発表されたコレクションの製品はバッグ、香水、トレーナーなど450点以上と、幅広いコラボレーションとなっています。
コレクションの広告キャンペーンにも、ベラ・ハディッドやジゼル・ブンチェン、フェイフェイ・サン、デヴォン青木などの世界的に有名なスーパーモデルなどが起用されており、大きな注目を集めました。
世界各地のルイ・ヴィトン店舗で見られる草間彌生のディスプレイやインスタレーション
今回の草間彌生とルイ・ヴィトンの二度目となるコラボレーションで発表されたカプセル・コレクションと合わせて、世界各国のルイ・ヴィトン店舗などで特別なインスタレーションが行われており、その規模は草間の作品の世界観を反映したウィンドウ・ディスプレイやインテリアなどから、建物自体への大規模なものまで、多岐に渡ります。
パリから東京まで、草間のクリエイティブな作品にインスパイアされた水玉や絵画などが見られる華やかな店舗は、もちろん期間限定なので、必見です!
フランス・パリのルイ・ヴィトン旗艦店では、通行人の目を引く巨大なインスタレーションが行われています。
建物の外壁に草間自身をかたどった巨大なバルーンポートレートが建物に寄り掛かっており、アーティストが何十個ものドットを描いているかのように見えます。
また、ヴァンドーム店ショー・ウィンドウには、草間自身を模したロボットのような『アニマトロニック』を見ることができます。黄色いワンピースやカボチャを模したヘアスタイルに身を包んだ草間のアニマトロニックは、唇を動かし、目を見開き、通行人にほほえみかけ、しかめ面をしたりと、リアルな表情を持ちながら、筆を動かしています。
この草間のアニマトロニックは、現在世界各地のルイ・ヴィトンの中で5店舗のみにあり、パリのヴァンドーム店以外だとニューヨークの5番街店、ロンドンのハロッズとニューボンド・ストリート店、そして東京の表参道店でも見ることができます。
ニューヨーク五番街の草間のアニマトロニックは、白地にドットの入ったワンピースを着ており、そのヘアスタイルは草間のアイコニックなカボチャの作品のように見えます。店のウィンドウ前には人だかりができ、多くの人々が写真や動画を撮っている様子が報道されました。なかなかリアルな草間のアニマトロニックの姿を見た通行人たちの中には少し不気味だと笑う人もいたそうです。
また、ニューヨークのミートパッキング地区ではホイットニー美術館の向かいの場所でポップアップが開催されており、2023年4月まで無料で公開されています。
このポップアップは、2022年12月31日まで旧バーニーズビルで開催されていたルイ・ヴィトンの無料展示「200 TRUNKS, 200 VISIONARIES: THE EXHIBITION(200トランクス、200ヴィジョナリーズ)」に続くものとして、草間の世界観に包まれた『インスタ映え』するような空間となっています。
草間の伝説的な作品「インフィニティ・ルームミラー」を彷彿とさせるものになっており、「インフィニティ・ドット」で覆われた空間に置かれているのは、さまざまなサイズのミラーボールだ。
日本でも、今回のコラボレーションを記念した華やかなディスプレイやインスタレーションが行われました。
2022年11月から12月にかけて、東京・新宿の新宿駅東口駅前の3Dビジョンビルや渋谷のスクランブル交差点のビジョンで草間作品の映像が上映されたり、東京タワー近郊のプリンス芝公園にて草間の代表シリーズである「南瓜」がバルーン、増上寺にてカラフルなルイ・ヴィトンのイニシャル、LVのスカルプチャーとともに寺院への道筋の地面にドットが出現するなど、東京都心をジャックして、注目を集めました。また、原宿には1月22日までの期間限定ストアがオープンし、ダイナミックなインスタレーションに多くの人々が足を運びました。
東京都内の主要7店舗とDOVER STREET MARKET GINZAにて、期間限定の特別なウィンドウ・ディスプレイが展開されています。
まとめ
今回が二度目となる草間彌生とルイ・ヴィトンとのコラボレーションは、前回と比べてもかなり大規模なもので、世界各都市での豪華なインスタレーションやディスプレイが話題になっています。
コラボ商品は、そのデザイン性からも人気を集めていますが、現代アーティストとして世界的に高く評価されている草間とのコラボレーション商品は、バッグや財布などのファッショングッズとしてだけでなく、アートとしての価値がひょっとしたら将来的に上がるかもしれません。
草間彌生やルイ・ヴィトンが好きな方は、ぜひ特別なディスプレイで飾られた東京・表参道などの店舗に訪れ、コレクションや草間のインスタレーションに触れてみてはいかがでしょうか。
参考
ルイ・ヴィトン公式 https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/stories/lvxyayoikusama
My Modern Met「Yayoi Kusama’s Iconic Polka Dots Take Over Louis Vuitton Stores Around the World」https://mymodernmet.com/yayoi-kusama-louis-vuitton-stores/