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定番から穴場まで!ニューヨークのおすすめ美術館・ギャラリー15選

アートの街、ニューヨークでぜひ行きたいおすすめの美術館・ギャラリー15選を紹介します。

ニューヨーク在住のライターが、定番からややマイナーなスポットまでをピックアップしているので、ぜひニューヨークでのアートスポット巡りの参考にしてみてください!

1. Museum of Modern Art (MoMA):ニューヨーク近代美術館

ニューヨーク近代美術館のモネの睡蓮
引用:ARTnews「MoMA Reveals Reopening Strategies, Budget Cuts Following Pandemic – ARTnews.com」https://www.artnews.com/art-news/news/moma-reopening-coronavirus-pandemic-1202686188/

言わずと知れたニューヨークの定番ミュージアムの1つであるMoMA(ニューヨーク近代美術館)は、マンハッタンのミッドタウン、53丁目の5番街と6番街の間に位置します。

近代美術の発展に大きな役割を果たし、世界最大かつ最も影響力のある近代美術の美術館の1つとして、世界中から多くのアート好きが訪れるスポットです。

MoMAは2019年に改修され、新たにギャラリースペース、パフォーマンススペースが増えました。

常設の展示には、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」やクロード・モネの「睡蓮」、パブロ・ピカソの「ゲルニカ」など世界的に有名な作品も数多く鑑賞することができます。

道路を挟んで向かい側にあるMoMa Design Store(モマ・デザインストア)には、アートに関連した様々なグッズや洗練されたデザインの物が販売されており、お土産を購入するのにもおすすめです。

2. Whitney Museum of American Art:ホイットニー美術館

ホイットニー美術館の外観
引用:Artnet「The Whitney Museum Has Voluntarily Recognized Its Union Two Weeks After Workers Declared Their Intent to Organize」https://news.artnet.com/art-world/whitney-museum-win-union-1975318

マンハッタン・ロウアーウエストサイドのミートパッキングエリアにあるホイットニー美術館は、20世紀と現代のアメリカンアートの収集、保存、解釈、展示に特化しており、そのコレクションは、20世紀アメリカ美術を収蔵する世界最高の美術館として知られています。

ホイットニー美術館は、在命中の作家の美術作品にも焦点を当てながら紹介しており、現在有名なアメリカのアーティストたちが広く知られるようになるずっと以前から、作品が制作された年内に作品を購入してきた歴史があります。

ジャスパー・ジョーンズ、サイ・トゥオンブリー、シンディ・シャーマンなど美術家たちがその例で、彼らはホイットニー美術館で初めて美術館での回顧展を開催しました。

1982年にナム・ジュン・パイクの作品を取り上げたホイットニー美術館は、ニューヨークで初めてビデオ・アーティストの大規模な展覧会を開催した美術館でもあるそうです。

3. Solomon R. Guggenheim Museum:グッゲンハイム美術館

グッゲインハイム美術館の館内
引用:Guggenheim Museum Vasily Kandinsky: Around the Circle, October 8, 2021-September 5, 2022

マンハッタンのアッパーイーストサイドにあるグッゲンハイム美術館は、ソロモン・R・グッゲンハイムのモダンアート・コレクションが展示されている美術館です。

フランク・ロイド・ライトが設計した象徴的な建物で知られており、その円形のコンクリート建築の内部は開放的な螺旋状の展示フロアが上階に続いています。一般的な美術館のレイアウトと全く違う展示方法を取っているからか、長時間滞在しても疲れや飽きを感じません。

パブロ・ピカソジャクソン・ポロックフィンセント・ファン・ゴッホなどの有名美術家たちの作品が常設展示されていたり、バスキア展などの企画展を行うなど、常に来場者が多い人気の美術館です。

また、2019年にはフランク・ロイド・ライト建築の1つとして世界遺産にも認定されました。

4. The Metropolitan Museum of Art:メトロポリタン美術館

マンハッタンのアッパーイーストサイドに位置するメトロポリタン美術館は、ニューヨークへの観光客なら誰もが訪れるほど有名な美術館の1つです。

メトロポリタン美術館は、先進的な展示と豊富な常設コレクションにより、1世紀半もの間ニューヨークの文化の中心であり続けています。

展示されている作品以外にもそのゴシック・リバイバル様式の建物や、有名ドラマなどでも登場したことで知られるアイコニックな入り口前の階段など、見どころがたくさんあります。

メトロポリタン美術館では、5,000年を超える世界中の芸術品を展示しており、館内全体をじっくり観ながらまわるには、1日では足りないほどの広さがあります。

誰もが知る美術界の巨匠たちの西洋画コレクションはもちろん、西半球で唯一完全な姿で展示されている2000年前のエジプトの高層神殿であるデンドゥール神殿や、日本古来の鎧や日本刀コレクションなど多様なコレクションがあるため、どんな人でもお気に入りの展示エリアを見つけられるでしょう。

また、セレブたちが個性的な衣装でレッドカーペットに登場する姿が有名な、毎年5月の第一月曜日に開催されるファッションの祭典「Met Gala(メット・ガラ)」もメトロポリタン美術館で開催されています。

5. Neue Galerie:ノイエ・ギャラリー

マンハッタンのアッパーイーストサイドにあるノイエ・ギャラリー・ニューヨークは、20世紀初頭のドイツとオーストリアの美術とデザインを専門に展示している美術館です。

ノイエ・ギャラリーは、アート・ディーラーであり美術館の展覧会オーガナイザーでもあるセルジュ・サバルスキーと、実業家で慈善家、そしてアートコレクターでもあるロナルド・S・ローダーが30年近くにわたり親交を深めてきたことで誕生しました。

1900年前後のオーストリア・ウィーンの美術品を中心にしたコレクションは小さなギャラリーながらも圧巻で、グスタフ・クリムトやオスカー・ココシュカの有名な作品を鑑賞することができます。

6. New Museum:ニュー・ミュージアム

ニューヨークのNew Museum外観
引用:Artnews「New Museum to Launch $400,000 Art Prize for Sculpture Commission by Women Artists」https://www.artnews.com/art-news/news/new-museum-hostetler-wrigley-sculpture-award-1234605044/

ニューミュージアムは、1977年に設立された後2007年にマンハッタンのバワリー地区に移って7階建てのビルをオープンした、多様な媒体のコンテンポラリー・アート作品を扱う美術館です。

比較的、まだあまり知られていないアーティストにスポットライトを当てて紹介している傾向があるため、コンテンポラリー・アートを開拓したい人にはおすすめのスポットです。

アバンギャルドな展示も多く、その楽しみ方は主観的になりがちでもありますが、刺激的で活気に満ちたエリアにふさわしいとも言えるでしょう。

7. The Morgan Library & Museum:モルガン・ライブラリー美術館

モルガンライブラリーの館内
引用:Conde Nast Traveler「The Morgan Library & Museum」https://www.cntraveler.com/activities/new-york/the-morgan-library-and-museum

マンハッタンのミッドタウンにあるモルガン・ライブラリー美術館は、1906年に設立されたモルガン財閥の創始者、J.P.モルガン氏の個人図書館で、現在では美術館・学術機関となっています。

紀元前4000年にさかのぼる貴重な芸術品、絵画、書籍などのコレクションが展示されているほか、豪華な図書館スペースは必見の美しさです。

独立宣言の原本23部のうちの1部、モーツァルトのハフナー交響曲の手書き楽譜、アフリカ系アメリカ人の詩人フィリス・ウィートリーの作品集、ミルトンの「失楽園」の現存する唯一の原稿、チャールズ・ディケンズの「クリスマスキャロル」の原稿などの貴重な書籍などが所蔵されています。

8. The Noguchi Museum:ノグチ・ミュージアム

ノグチ・ミュージアムのAkariの展示
引用:archpaper「Two shows explore Isamu Noguchi’s legacy of experimentation with craft」https://www.archpaper.com/2018/11/isamu-noguchi-museum-ymermalta-akari/

クイーンズ地区・ロングアイランドシティにあるノグチ・ミュージアムは、日系アメリカ人の美術家イサム・ノグチが生前に設立したノグチの作品に特化した美術館として知られています。

ノグチの抽象的な彫刻作品の数々が館内や中庭に展示されているほか、有名シリーズの和紙と竹で作られた「Akari」シリーズも観ることができます。

モダンでミニマルなデザインが人気のあるノグチの作品が展示される空間にいるだけで、瞑想の効果があるかのように癒され、ニューヨークという都会の中にいることを忘れるような時間を過ごすことができます。

9. Brooklyn Museum:ブルックリン美術館

ブルックリンミュージアム
引用:The New Yorker「The Next Steps for the Brooklyn Museum」https://www.newyorker.com/culture/culture-desk/the-next-steps-for-the-brooklyn-museum

ニューヨークで3番目に大きな美術館であるブルックリン美術館は、プロスペクトパークの端に位置します。

アメリカ国内でも有数の歴史と規模を誇る美術館で、古代エジプトの傑作から現代アートまで、150万点もの幅広い作品を収蔵しています。

特に、デニス・ホッパーやノーマン・ロックウェルの絵画のセレクションや、一流のエジプト美術品のギャラリーが目玉の作品として人気を集めているようです。

女性解放アクティビストでアーティストのジュディ・シカゴの大規模なインスタレーションに見られるようなフェミニズムに関連する展示などをはじめ、挑戦的で社会的なメッセージの強い企画展も多く開催されています。

10. Museum of Arts and Design:アート&デザイン ミュージアム

マンハッタンのコロンバスサークルにあるアート&デザイン ミュージアムは、世界中の現代美術、工芸、デザインなどを扱う美術館です。

4つのフロアを通して、ジュエリーやテーブルウェア、タペストリーや彫刻など、さまざまな作品を展示しています。
頻繁に開催される特別展も人気があり、過去には、日本の近代工芸を紹介する「日本の工芸」や、有名現代作家のジュエリーを紹介する「ピカソからクーンズまで、ジュエラーとしてのアーティスト」などがありました。

アート&デザイン ミュージアムのビルにあるレストラン、ロバートは、コロンバスサークルを見渡すことができる人気レストランです。

11. Museum at The Fashion Institute of Technology (FIT):FIT美術館

FIT美術館
引用:Artnexus「The Museum at FIT – Fashion Institute of Technology」https://www.artnexus.com/en/guide/Institutions/see/5beb5ba15662fe54fe8045df/5b8ebe413a2fd5c4ec21a61b

ニューヨーク州立大学(SUNY)の一校である、FIT ファッション工科大学は、アート、デザイン、テクノロジーの分野の学科がある大学で、その敷地内にあるのがニューヨークで唯一のファッション・アートに特化した美術館、FIT美術館です。

FIT美術館のファッション文化特別プログラムは年間を通じて実施されており、展覧会のトークやツアー、一流デザイナーとのファッション対談、講演会、サイン会などが行われているそうです。

12. David Zwirner Gallery:ディヴィッド・ズワーナー・ギャラリー

ディヴィッド・ズワーナー・ギャラリーは、世界を股にかけて活躍するアート・ディーラーのディヴィッド・ズワーナーによるギャラリーで、ニューヨーク市内にはマンハッタンのチェルシー地区に2つ、アッパーイーストサイドに1つの拠点があります。

ニューヨーク以外では、ロンドン、香港などの世界のアートのハブとも言える拠点に展開しています。

歴史的な人物やムーブメントに関する展示や著名な現代アーティストたちの国際的な展示会を開催しており、多くのアートコレクターが足を運ぶスポットとして知られています。

国際的なアートイベントにも出店している、世界的ギャラリーの1つです。

13. Gagosian Gallery:ガゴシアン・ギャラリー

ガゴシアン・ギャラリーは、ギャラリー界の巨匠ラリー・ガゴシアンによる世界的なギャラリーで、世界中に15の拠点があります。

ニューヨーク市内には、チェルシー地区やアッパーイーストサイドなど5ヶ所の拠点を持っています。

ダミアン・ハースト、アンセルム・キーファー、エド・ルシェ、ジュリアン・シュナーベル、アンディ・ウォーホルなど多くの一流作家の作品を展示しています。

アート好きなら必ず訪れたいギャラリーです。

14. Jeffrey Deitch Gallery:ジェフリー・ダイチ・ギャラリー

ジェフリー・ダイチ・ギャラリー
引用:Save Art Space「ART REVIEW: REMEMBER THE FUTUREhttps://www.saveartspace.org/news/remember-the-future

ジェフリー・ダイチは、アーティスト、作家、キュレーター、ディーラー、アドバイザーとして50年近く近現代美術に携わってきたアート界の有名人物です。彼のギャラリーであるジェフリー・ダイチ・ギャラリーは、ニューヨークのソーホー地区にあります。

アイ・ウェイウェイやキース・ヘリングなどの有名アーティストの企画展から、日本のポップカルチャーに関連するアート作品を集めた展示など、多様な展示会を開催しており、多くのアート好きが足を運ぶスポットして知られています。

15. Skarstedt Gallery:スカルステッド・ギャラリー

KAWSの展示
引用:arrestedmotion「First Look: KAWS – “GONE” @ Skarstedt Gallery」https://arrestedmotion.com/2018/11/first-look-kaws-gone-skarstedt-gallery/

1994年にペール・スカルステッドによって設立され、ヨーロッパとアメリカの現代アーティストによる歴史的な展覧会を開催しているスカルステッド・ギャラリーは、ニューヨークとロンドン、パリ、イーストハンプトンに拠点を持っています。

ニューヨークのギャラリーは、アッパーイーストサイドにあり、20世紀後半に活躍したアーティストに焦点を当てて、表現、作家性、アイデンティティ、性政治などの概念を、さまざまな媒体を通じて探求するプログラムを展開しています。

KAWSアンディ・ウォーホルなどの展示が人気を集めました。

まとめ

世界各地にあるアートの名所の1つとして、多くの美術館やギャラリーが揃っているニューヨークでは最新のアート作品から歴史的なコレクションまで、幅広いジャンルの芸術に触れることができます。

有名美術館の常設コレクションの素晴らしさだけでなく、ギャラリーごとに個性のあるキュレーションが面白い企画展なども様々で、美術館・ギャラリー巡りは同じ場所を何度回っても楽しめるものです。

私の個人的なお気に入りのグッゲンハイム美術館は、まず何と言ってもフランク・ロイド・ライト建築の吹き抜けや螺旋状の廻廊、天窓から降り注ぐ陽光が美しく、その穏やかで洗練された空間の中で、印象派以降の比較的新しい近代美術の作品を中心とした豊富なコレクションを鑑賞することができます。

大きな美術館行くと、混雑していたり順路に沿って大回りをしたりで疲れてしまうことも多いのですが、グッゲンハイム美術館の螺旋状の構造は本当に周りやすく、時間を忘れて楽しむことができるので、観光でNYを訪れる方にもおすすめです。

定番の美術館からアート好きが訪れるギャラリーまで、ニューヨークに来た際にはぜひ足を運んでみてください!

参考

Google Arts and Culture https://artsandculture.google.com/

ABOUT ME
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、2021年より趣味で陶芸をはじめる。