コラム記事

子供におすすめのアートセラピーとは?やり方と効果やおすすめの資格の取り方を紹介!

あなたはどれぐらい自身の感情に気づき、メンタルヘルスケアをしていますか?
ストレスや不安を感じた時、どのように向き合い、発散しますか?

人それぞれ適切な対処法は違うものの、アートと心理学の力を借りて、本来の自分らしさを取り戻したり精神的な障害を改善したりすることができる「アートセラピー」も、世界的に注目される心理療法です。

今回はそのアートセラピーについて、方法と効果、資格の取り方などについてまとめて紹介します。

アートセラピーとは?

引用:Inside Philanthropy「Therapeutic Connection: A Funder Explores How the Arts Can Address Mental Health Issues」https://www.insidephilanthropy.com/home/2018/5/26/theraputic-connection-an-innovative-funder-links-the-arts-to-mental-health-treatment

アートセラピーとは、主に欧米での精神医療業界において研究されている芸術的な手法を用いて心理的な障害の治療を行う心理療法のことを指し、福祉・教育・司法・医療現場など様々なシーンで取り入れられています。

障害の治療という観点だけでなく、一般的に健康な状態の人の悩みや苦しみなど精神的苦痛を癒して、自己肯定感を高めたり自分らしさを取り戻すためにも用いられています。

アートに長い歴史があるのと同様に、人々は何千年もの間、自己表現や癒しの手段としても芸術に頼ってきましたが、1940年代以降にアートセラピーは正式なプログラムとして認知されるようになりました。

特に欧米圏ではアートセラピーの他にもクリエイティブセラピーとして、ダンスセラピー、ドラマセラピー、音楽療法、ライティングセラピーなど様々な芸術活動が精神疾患の治療に使われています。

アートセラピーが精神的な障害の改善に有益であることを示す研究結果がある一方で、その効果については様々な意見があります。

研究の規模が小さく、結論が出ていないケースも多いため、状況や症状ごとに最適なアートセラピーを見つけ出すには、さらなる研究が必要だとも言われています。

アートセラピーの方法

アートの創作や鑑賞は、感情の探求、自己認識の向上、ストレスへの対処、自己肯定感の向上などに役立つと言われています。

アートセラピーの目的は、クリエイティブな手段を活用することで自己表現の方法を探求し、心の奥深くの自分の声を聴いたり、自身が抱えている精神的な問題に対する新しい対処法を見つけて身につけたりすることです。

引用:Parent Circle「Clay Modelling For Kids. Here Are The Many Benefits Of Playing With Clay For Little Ones」https://www.parentcircle.com/educational-benefits-of-playing-with-clay/article

アートセラピーでは、絵の具やクレヨン、指などを使って絵を描いたり、コラージュを作成したり、写真を撮ったり、粘土を使って物を作ったりと、アートといっても様々な形で自由に自己表現をすることを通して、目に見えない心の中の抽象的な世界に具体的な形を与えて解釈・分析し、治療・向上させることを目指します。

また、治療としてのアートセラピーは、自分と近い症状を持つ人々とのグループ体験によって自己理解を促進するグループセラピーや、思考や行動の癖を把握して自分の認知・行動パターンを整えていく認知行動療法(CBT)など、他の心理療法と組み合わせて使用されることが多いようです。

アートセラピーの効果

米国アートセラピー協会の機関誌が掲載した2016年の研究によると、芸術的な経験・才能に関係なく、1時間未満の創作活動はストレスを軽減を助け、メンタルヘルスに良い影響を与えることがわかっています。

アートセラピーは、うつ病や脳障害、発達障害、摂食障害を患っている人や、人間関係などの問題やストレス、トラウマ、不安を抱えている人、加齢に伴う問題、他の病気に伴って起こる心理的障害、時には癌の患者などのように、様々な症状を対象に行われます。

上記のような症状を抱えている幼い子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人々が、様々な手法でアートセラピーによる治療を受け、精神的な障害の改善を目指しています。

引用:Harvard Health Publishing「Six common depression types」https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/six-common-depression-types

私たちのほとんどが、通常は自分の感情の一部分にしか気づけていないと言われています。
精神的な安定を得るためには、まず自分自身が心の奥深くに持つ不安や寂しさ、悲しさ、怒り、喜び、楽しさなどの感情をしっかりと認識・分析することが必要となります。

アートセラピーでは、自由な自己表現をする過程で、心の奥に隠されていた感情が発散・解放されていきます。セラピーでの創作活動を通じて解放された自身の感情に気づいて、それに向き合う時間を取ることで、自身の頭の中を整理することにも役に立ちます。
また、右脳を使うことでのリラックス効果や、自尊心や好奇心、意欲を高める効果も期待されています。

アートセラピーは子供に効果的?

引用:Shawnee Mission Post「Art therapy exercises help manage your child’s emotions」https://shawneemissionpost.com/2020/08/20/art-therapy-exercises-help-manage-your-childs-emotions-99350/

アートセラピーは、年齢に関わらず用いられますが、特に子供とのカウンセリングに向いていると言われています。

アートセラピーを受けるには、芸術的な才能や創作活動の経験は必要ないものの、先入観なく取り組むことができる子供だと、より素直にセラピーを受けて効果を期待することができるようです。

絵を描いたり粘土を使ったりと、アートセラピーの方法自体が子供たちにとって楽しめることであることから、『治療』という意識を持たせず、繊細な子供達も抵抗なく自然に受けることができるのです。

また、一般的に子供達のカウンセリングにおいて、感情や問題を言語化することが非常に難しいとされていますが、アートセラピーを用いることで、言葉による表現が難しい場合にも創作活動で視覚化された情報をもとに子供達の感情に触れ、コミュニケーションを図ることができます。

アートセラピーを通じて制作した作品は形に残るため、子供達が達成感を感じることにも繋がり、作品についての質問をしたり褒めたりするコミュニケーションを通じて、子供達の自己肯定感を高めることができます。

アートセラピーの資格について

心理的な障害の治療に用いられるアートセラピーは、誤った知識で用いると病状が悪化してしまうなどのリスクもあるため、アートセラピストになるには、他の心理療法を用いる場合などと同様に、専門的な知識が必要となります。

日本において、アートセラピストの資格はあるのでしょうか?

アメリカなどの海外の国々ではアートセラピーの協会がアートセラピストを管理し、資格を有しているセラピストは臨床心理のプロフェッショナルとして認めていることが多いようですが、日本国内でのアートセラピストの資格は、現状では民間資格のみとなっているようです。

独学でアートセラピーの資格は取れる?費用は?

欧米諸国でアートセラピストになるには、アートセラピー協会が認定する専門の大学や大学院で学んで一定期間の対面臨床研修を経る必要があるなど、高い専門性や経験が問われます。

一方日本では、アートセラピストになるために民間の資格取得は必須ではありません。
誰でもアートセラピストを名乗ることができるため、日本でアートセラピストを目指す場合には、信頼できる機関を見つけて勉強することをお勧めします。

民間の資格取得講座の費用は内容によって様々で、基礎講座は1〜2万円程度から受けることができ、カウンセラー養成コースなどより実践的な内容の場合は10万円以上となることが多いようです。

アートセラピーの資格取得におすすめの講座(通学・オンライン)

  • オーロラ・アートセラピスト通信講座(株式会社オーロラ)
  • チャイルドアートセラピー講座(ヒューマンアカデミー)
  • JIPATTプログラム(クエスト総合研究所)
  • クエスト アートセラピスト養成講座(クエスト総合研究所)
  • アートセラピー資格取得講座(日本統合医学協会)
  • 臨床美術士養成講座(芸術造形研究所)

アートセラピーに関する本

アートセラピーの資格取得を検討している方や、子供にアートセラピーを受けさせたいと考えている方、どちらにも、まずは手に取って詳しくアートセラピーについて知ることができる本をいくつか紹介します。

「はじめてのアートセラピー 自分を知りたいあなたへ」吉田エリ

表現アートセラピストである吉田エリの著書であるこの本は、写真などによって内容が資格的にわかりやすく、初めてアートセラピーについて学ぶ方にとっての入門書としてもおすすめの一冊です。

グループワークやすぐ実践できるワークも紹介されているため、読んだ後すぐに実践に移すこともできます。

「臨床アートセラピー 理論と実践」関則雄

著者の関則雄は、日本のクリエイティブ・アーツセラピーの第一人者として知られています。

アートセラピーの歴史的・理論的背景が紹介されていたり、アートセラピーのメカニズムについて解説されている他、具体的なケースについても読むことができるため、理論的かつ実践的な本としてアートセラピーの概要を学ぶことができます。

「私だけの魅力をつくるアートセラピー・ノート」有賀三夏

「私だけの魅力をつくるアートセラピー・ノート」は、アートセラピーをカジュアルに体験したい方におすすです。

美術と心理学を掛け合わせたアートセラピーは、日本の美術系大学でも受講者が増えつづけている人気の講座だそうです。

6ステップのワークを本のガイダンスに従って進めて行くと、自分の状況を俯瞰して考えることができ、自分の魅力を再発見したり、短所と長所を整理したり、自己分析に活用することができます。

まとめ

日本ではまだあまり心理カウンセリングなどが一般的でないため、抵抗がある方も多いかもしれませんが、昨今のコロナウイルスが引き起こしたパンデミックなどでメンタルヘルスケアの重要性が見直され始めています。

環境が大きく変わったり、先のことが予測できない状況下では、人は不安やストレスを感じます。

しかし、日々の生活の中ではその気持ちになかなか目を向けることができず、精神的ダメージが積もり積もって身体的に影響が出てしまうことも多いようです。

ちょっとした自身の不安やストレス、鬱のような症状が気になった場合や、高齢のご家族、小さいお子さんの精神的な健康状態が気になった場合には、気軽にアートセラピーにを活用して、普段気づくことができない本当の感情に目を向けてみるのもいいかもしれません。

参考

クエスト総合研究所「アートセラピーとは」https://questnet.co.jp/arts-therapy-academy/about_01/

BUNKAIWA「アートセラピーが子供のセラピーに向いている5つの理由」https://www.bunkaiwa.com/post/five-reasons-why-arttherapy-is-good-for-children

Very Well Mind「What Is Art Therapy?」https://www.verywellmind.com/what-is-art-therapy-2795755

ABOUT ME
あやね
あやね
2018年にアメリカ NYへ移住した、京都生まれの大阪人。日本の伝統工芸が持つ独特で繊細な美しさが好きで、着物や器を集めている。郊外の家に引っ越したことをきっかけに、アート作品やアンティーク家具を取り入れたインテリアコーディネートにも興味を持ち始める。アメリカで、日常生活に様々な形でアートを取り入れる人々に出会い触発され、今年は自宅で陶芸も始める予定。