コラム記事

世界のミュージアムに行った話:イブ・サンローランミュージアム編

皆さんこんにちは!

以前、当サイトでアートとファッションのコラボレーションの歴史という題材について書いていきました。

高級ファッションブランドデザイナーはアートや自然、場所などの様々なものからインスピレーションを受けています。

イブ・サンローラン(以下、サンローラン)は自身が気にいった土地、そしてその文化からファッションのインスピレーションを受けました。今回は私がイブ・サンローランミュージアムに行った際のレポートを書いていきます。

モロッコとサンローラン

イブ・サンローランミュージアムがどこにあるかというと、なんとモロッコのマラケシュにあります!

どうしてモロッコにフランス出身のサンローランの美術館があるのでしょうか?生前イブ・サンローランはこのような言葉を残しています。

「マラケシュが私に色を教えてくれた。マラケシュに来るまでは、全てが黒一色だった。」

「激しい色の調和、途轍もないミックス、新しい物を生み出したい熱望といった大胆さをマラケシュから得ていた」

1966年、サンローランは初めてモロッコ・マラケシュ を訪れました。すっかりその魅力の虜となり、何度も足を運び、コバルトブルーの別荘を建てました。それが、美術館の隣に併設されているマジョレヌ庭園です。

マジョレヌ庭園は、1920年代にフランス人画家のジャック・マジョレルが造園しました。彼の死後は荒れてしまっていたそうですが、1980年代にイヴ・サンローランとパートナーのピエール・ベルジュが買い取り、別荘として使用するようになったことで有名になりました。

サンローランはこの庭園を愛し、晩年をここで過ごしたとそうです。

私は、マジョレヌ庭園のカフェでひと休憩しました。

モロッコ名物のタジン鍋を食べました。モロッコは決して清潔な旅先だとは言えませんが、このカフェは別世界!まるで貴族になったかのような空間でのランチは至福のひとときです。

イブ・サンローランミュージアム

そして、本命のイブ・サンローランミュージアム!

中に入るとまず見えてくるのが、マラケシュピンクとも呼ばれる赤土色の外壁とイブ・サンローランの大きなロゴ。

建物に入るとサンローランが描いたスケッチが展示してあります。

そして壁や窓などの内装も美しく細部のこだわりを感じました。

2010年にマラケシュのベルベルミュージアムでサンローランをテーマにした展覧会が開かれた時ミュージアムをつくるというアイディアが生まれ、土地が売りに出された時、サンローランのパートナーのピエール・ベルジェが購入し、2017年にオープンしました。美術館は4,000平米で、デザインを任されたのはAmiのブティック、NY のバルマンブティックを手がけるStudioKOです。

ギャラリーは1階のみで、3つの展示場のみでコンパクトです。館内はカフェと図書館も併設されています。

ミュージアムはサンローランが1962年からが引退した2002年までの40年間にわたるデザイナーとしての傑作を展示しています。館内の常設展示では主要なデザインを振り返るとともに、彼のデザインに影響を与えたそのルーツを探っています。

ミュージアムに入った瞬間の気持ちを今でも覚えていて「あ、ここは一流の人が作った場所だ」と肌で感じました。サンローランの展示、音楽、建築全てがプロフェッショナルな完璧な仕上がりなのです。

最後に、マジョレヌ庭園と美術館は人気スポットなので平日午前中に訪れるのが良いです。モロッコはとても暑いので、列に並びますので熱中症に御用心ください!

情報

住所:RUE YVES SAINT LAURENT, 40000 MARRAKECH

開館時間:9:00~17:00

休館日:火曜日

入館料:100DH(日本円で約1200円)

公式サイト : http://www.museeyslmarrakech.com/

参考

LINEトラベル「サンローランの愛したマジョレル庭園は、マラケシュの楽園!(モロッコ)」

https://www.travel.co.jp/guide/article/4641/

BAZAAR「マラケシュに新しくオープンした、ドラマティックなイヴ・サンローラン ミュージアムを覗いてみた」

https://www.harpersbazaar.com/jp/lifestyle/art/a58271/lcu-yves-saint-laurent-museum-marrakech-171021/
ABOUT ME
しおり岡
編集長/ライター。小学生の頃はエジプト文化、中学生では西洋美術、高校生は日本の歴史にハマり、大学在学中に仏像に恋をして、学芸員を取得。卒業後、大手人材会社で営業を経験。その後、飲食店の広報・デザイナーを経て、アメリカ・NYにて転職。コロナウイルスのため帰国し、現在は日本に滞在中。趣味は「美術館や遺跡を経験するための海外旅行」。今まで40カ国以上を旅行をし、世界の建築や文化、食事、アートに触れる。